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マイナス金利の影響?ゆうちょ銀の手数料が復活

From:浅野敏郎

リオ五輪で埋もれてしまった気がしますが、

今週のはじめに、
無料だった、ゆうちょ銀行口座間の送金手数料が有料になる

というニュースが流れましたね。
ネット取引の増大で入出金件数か増え、無料での対応が厳しくなった
というのが理由とされていますが、

これには裏がありそうです。

 
 
おはようございます。
今週も金曜日がやって参りました。
 

お盆休暇はいかがお過ごしだったでしょうか。

ここ数日、
台風一過の気候は殺人的な暑さが続いていますが、
熱中症の対策など、
体調管理にはくれぐれもご注意ください。

 
 
さて本題に戻ります。

 
 
ゆうちょ銀行のニュースは
16日付のラインニュースにも掲載されていましたが、

その主な内容は、
・元々有料だった手数料はキャンペーンで無料となっていただけ
・今後は1か月あたり3回まで無料で、4回目から有料
・10月から適用

ということでした。

有料化復活の理由については、繰り返しになりますが、
・ネット取引増加に伴う入出金件数の増加により見直し

となっており、要するに、
データ量が急増し、無料ではやっていけなくなった
ということでしょう。

 
しかし、偶然テレビで見かけた同じニュースによれば

有料化の背景として、マイナス金利の影響
を挙げていたと記憶しています。

 
 
今の日本のマイナス金利政策は、
銀行などの金融機関が日銀に預け入れる
特殊な資金に対してのみ適用されており、

個人の預貯金には影響しないことになっています。

 
確かに、私たちの預貯金から
マイナス金利分が差し引かれるという
非常識な状況にはなっていませんが、

実際はどうでしょうか。

 
 
現在では一般的となった、無料の口座取引手数料は、
少ない預貯金金利に配慮した
各金融機関の作戦ではありますが、

 
普通預金だと、
預金額に関係なく、金利は0.001%前後という現在、
1000万円でも利子はわずか、年間で100円です。

 
手数料の有料化や値上げは、
マイナス金利によって
金融機関の収益が圧迫された結果ですから、

もしこのまま手数料が有料になれば、
2回目の口座取引から手数料が丸々残高から引かれ、

形を変えたマイナス金利を支払うのと
同じことになります。

 
マイナス金利の影響は
個人の金融資産にも形を変えて
確実に及ぶことになりますね。

 
 

FX取引への影響は無いか

 
 
FX取引業界は、激しい競争の影響で、
取引手数料は下がり続けました。

無料化が一般的になったあとは、
売値と買値の差額である
スプレッドの狭さを競うようになり、

ドル円相場では、
今や0.3銭や0.4銭が主流にも見えます。

 
さすがに、
改善余地が殆ど残っていない現状では
その動きが収まっていますが、

無料サービスや低価格のサービスが
見直される時代に突入しつつある中、

この業界への影響はどうでしょうか。

 
例えば、

 
マイナス金利の影響で
顧客資金を管理する銀行のコストが上昇したり、
カバー先銀行との取引手数料が値上がりする

ことになれば、

FX業界全体にも、
スプレッドが広がったり、
手数料の復活などといった影響がでるかもしれませんね。

 
 

FXの取引サービス料はどれだけ安いか

 
 
そこで、

現在のFX取引サービス料は、
値上げをしなくて済む体力があるのかどうか、

手数料の価格推移を調べてみようと思いますが、

既にFX業界には手数料がなくなってしまったため、
スプレッドを手数料に見立てるしか方法がありません。

 
株取引の手数料は、
売買代金の割合で決まる傾向があることをヒントに、

1ドルの対円価格とスプレッド価格を比較して
その割合の推移を調べてみました。

 
 
ただし、使用した数値などは
次第に不安になりつつある私の記憶が頼りですので、
あまり正確ではない点をご了承ください。

0819

◆2000年から2005年前後のドル円相場を
120円(この期間の高値安値の中心水準)
標準的なスプレッドを
2銭とした場合、

手数料の割合は0.000167%
(2銭は120円の何パーセントか)

 
同様に
◆円高最高水準だった2012年前後のドル円相場を
76円(当時しばらく揉み合った水準)
標準的なスプレッドを
0.8銭とした場合、

手数料の割合は0.000105%
(0.8銭は76円の何パーセントか)

 
そして
◆2016年8月19日の本日、ドル円相場を
100円
標準的なスプレッドを
0.5銭とした場合、

手数料の割合は0.00005%

という結果になりました。

 
つまり、
2000年前後から始まった円高の流れでは

1ドルの円価値に比例して
スプレッドが狭まっていましたが、

その後の円安の流れでは、

円安に比例してスプレッドが拡大するどころか
一層狭くなるという

矛盾した状態にあることがわかります。

 
 
仮に手数料の適正な割合を
円高時代に共通していた0.0001%とした場合、
(かなり無理がある理論になりますので
話半分でお願いします^^)

 
現在1ドル100円であるドル円スプレッドは
1銭前後が妥当となり、

現在の取引サービス料は、
相当安く抑えられていることになるため、
値上げされる可能性は大いにあるのかもしれません。

 
 

環境変化に動じない相場力を付けよう

 
 
ところで、

コンピューター技術を駆使した
アルゴリズム取引と超高速取引が
相場を動かすような時代になり、

場合によっては脅威にもなっています。

 
アルゴリズム取引とは、
プログラムに従って自動的に売買が発注される
システム取引のことをいい、

 
超高速取引とは、例えば1000分の1秒単位で
売買注文を自動的に発注できる
システム取引を指します。

 
この2種類を組み合わせることで、
収益幅が非常に狭い超短期取引を、
多額に取引することができるため、

少ないリスクで利益が出せると言われており、
専門的なファンド組織もあるようです。

 
 
しかし、業界に詳しい知人によれば、

「これらの多くは、現状のスプレッドが
2倍になった時点で立ちいかなるなる。」

といいます。
 

つまり、
根拠に乏しい試算ではありましたが、

1ドル100円のドル円スプレッドが
1銭という状況が現実になった場合、

同時に現在のアルゴリズム取引は
ほぼ全滅する運命にあるともいえます。

 
しかし、スプレッドが例え
0.5銭から1銭へと2倍になったところで、
我々人間は取引を継続することができます。

 
そして、
きちんと習得された知識と取引技術は、
自分の中に確実に残り、

この程度の環境変化には
十分耐えられる武器となっているはずです。

 
これから来るかもしれない
相場環境の変化に振り回されないためにも、
ぜひとも正しい学びを深めてください。

 
 
浅野敏郎
 
P.S.

私が相場に携わっていた当初は、
5銭スプレッドが標準でした。

 
今後もし
1銭のスプレッドが普通になる時代がきても、
私にとっては、まだ十分狭い感じがします。

 
短期相場に慣れすぎてしまうと、
スプレッドの壁はどんどん高くなると思います。

たまには長目のチャートなどを分析して、
感覚を修正するとよいかもしれませんね。
 

  • コメント ( 1 )

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  1. 徳田克彦

    FXスプレット考えないといけませんよね、
    高速売買なんかに負けないシッカリした投資をして行きます。
    いつもありがとうございます。
    これからもよろしくお願いします。

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