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直径50cmの池で、体長1mの魚が釣れるか?

「投資の学校」浅野敏郎
From自宅のトレードデスクより

 
相場で収益を上げたい!

 
投資を目指している方々にとって
共通の目標だと思います。

 
最近、よく相談を受けるトピックとして、
「FXでは大負けはしないが、収益が伸びない。」
という内容が多くなりました。

株で数十万円の投資額が、
10倍になった20倍になったという話を聞くにつけ、
自分は何をやっているのだろう・・・
というジレンマなり、焦りなりが、
こうしたお悩みになるのだと思います。

しかし、よく考えていただきたいのは、
大負けして今はもう相場に向き合うことすらできない、
相場なんて二度とやりたくもない、

という結論に達した方に比べれば、
ある意味で成功者の仲間入り段階にある、
という考え方も充分できます。

 
 
おはようございます。
今週も早や、金曜日がやって参りました。

平昌オリンピックもそろそろ終盤に差し掛かり、
大会後はパラリンピックに移行していくわけですが、
長野よりメダルの数を上回り、
先週の時点でGOLDがゼロだったことを考えれば、
素晴らしい大会になっているのは確かですね。

 
 
相場取引を行う上でまず大切なことは、
大負けしないということですが、

現に今、本当に大負けをしなくなったのであれば、
既に守りのルールはできている可能性が高く、

あとは収益、つまり攻めをどうするか?
ということに集中することで、
目標を達成できる可能性は充分高いと思います。

 
あるいはそれなりに、
大きく収益を上げることができていても、
細かい損失で、結局はトントンになってしまう
というケースもありそうですね。

一概には言えませんが、
こうしたケースにおいては、
取引の回数を減らしてみるなどの調整が、
意外とそのまま結果に表れたりします。

 
一方、
収益がなかなか伸びないケースにおいては、
例えば、リスクリワード、プロフィットファクター
といった、損失と収益のバランスが、
そもそも悪い場合が多く見られますが、

ではなぜ、そうした取引をしてしまうか?

という現実を冷静に見つめ直すと、
知識や経験の不足というよりも、
別の理由…例えば、

理想と現実の判断ができていないケースが
ありそうな気がします。

 

相場に取り組める時間を冷静に洗い出そう

現役を勇退され、
充分な時間があるシニアの方々に比べて、

比較的若い方々は、
仕事に、家事に、子供の世話に、介護にと
それは多忙な時間を過ごされている人が、
想像以上に多いことを、最近は特に痛感しています。

 
だからこそ、相場取引で少しでも副収入になれば、
という期待がある反面で、

現実的に取引に充てられる時間は、多くて1日に数時間、
稀に一度も相場を確認できない日もある…
という中で、
一か月で月収と同じくらいの収益を目標としている方々も
少なくありません。

 
 
確かに、
月給と同じくらいの利益はイメージしやすいとは思いますが、
こんなに限られた取引時間で、
月収と同じ利益を相場に期待するのは、
かなり難しい話だと思った方が良いかもしれません。

 

直径50cmの池で体長1mの魚を釣ろうとしていないか?

もちろん池の深さも重要な要素ですが、
一般的に、小さい池で大きな魚を釣ろうとしても
その大きさには限界があります。

それよりも、その池に実際に棲んでいる大きさの魚を、
複数釣るという目標に変更したほうが現実味が増します。

 
 
少し聞きなれないかもしれませんが、
値動きの大きさを表す相場用語として
ボラティリティという言葉があります。

本来は値動きの期待率として、標準偏差を活用した
パーセンテージで表示されますが、
簡単な指標として、
チャートの各足の値幅を、数本分平均した値を、
次の足の期待変動値幅として代用する
ATRという考え方があります。

 
ドル円相場で今現在のATRを見てみると、

17本平均の60分足ATRは0.204円(=20.4PIPS)
となっていますが、

例えば、1日に1時間しか取引時間を割けない方が、
1回の取引で30PIPSの値幅を期待してエントリーしても、
ATRを見る限り、
上手くいっても最大で20PIPSが限界だと言っています。

現実的には、
天底20%以内でのエントリーやイグジットすら難しい
と仮定すれば、
更に8PIPS分の値幅が、ATRから削られることになります。

ですから、たとえ取引した方向が合っていたとしても、
1時間以内に達成できる理論的な値幅は、
「ベストなトレードで正味12PIPS」
という可能性が浮かび上がってきます。

どうしても30PIPS必要であるとしたら、
それ以上の値幅がある別の相場か、
取引数量を増やすか、
取引時間を長くするなどの対応が必要になってくる、というわけです。

 
ATRからは概ねこんなアプローチになりますが、

いずれにしてもこのケースで言えることは、
1時間という池には余程のことがない限り、
30PIPSサイズの魚は住んでいない、ということになり、

そんな池にこのサイズの釣果を目指して日参しても、
通う時間と毎日の交通費を浪費しているだけ、
という事実に、早く気づくことが大事です。

 
 
浅野敏郎

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  • コメント ( 4 )

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  1. kimura

    これまで値幅の変化予測はチャートから目分量で行なっていましたが、これからは厳密な数値での検討を優先して行いたいと思います。 たいへん参考になりました。 

    • 浅野敏郎

      kimuraさま、

      ご参考になりましたら光栄です。
      後は、検証ということになりますが、

      ATRでご注意いただきたいのは、
      相場は静と動を交互に繰り返すため、
      時間軸によって、例えば10以上のATRは真逆になってしまう可能性があります。

      ATR自体はそもそも、ボラティリティの指標ですから、
      オプション同様、
      逆指標として扱う・・・つまり、ATRが下がりきったタイミングで次の動きを狙い、
      上がりきったところで、逆のタイミングを計る
      という活用方法が正当です。

      値幅の予測は、直近波動の平均的な値幅、
      例えば、下落していた相場が反転上昇した際の上げを狙う場合、
      その前の下落波動の平均的な値幅を意識することが、
      個人的には多いかと思います。

      20ポイントのレンジを想定した場合、
      上げ20、下げ20だからレンジになるわけですし、
      そのレンジをどちらかにブレークした場合、
      やはり、ブレークポイントから更に20
      と見てあげるのが、理にかなった値幅測定だ
      というのが、少なくとも私の持論です。

      結果などをまたご報告いただけると
      嬉しく思います。

  2. Winston

    もうかれこれ投資の学校で数年学んできたのですが、今回の話の例で合わせますと、20pips以前に10pipsくらい伸びたところで反転し残念ながらそのままトレンド転換してしまうという、ATR以前に方向性そのものがどっち??という利益の無い(損切り貧乏な)ジレンマの日々を過ごしております。そのぐらい収益が伸びない状況です(30PIPSなんて贅沢は言ってない状況です・・・涙)。

    • 浅野敏郎

      Winstonさま、

      コメント有難うございます。

      あくまで私の想像になってしまいますが、
      利益確定する前に転換してしまう・・・という現象、
      私も日常茶飯事です。

      私が敗戦した後、つまり損切りした後に注意しているのは、
      その損切りが正しかったかどうか、です。

      つまり、その後更に相場が反対方向へ進んでいれば、
      ナイスカットですし、
      再び折り返して、当初の方向で伸びた場合は、相場観はあっていたことになり、

      残るは、なぜあそこでカットしてしまったか??
      の分析です。

      大体の場合、
      エントリーが遅かったのが原因で、
      タイミングさえ間違っていなければ、
      目標値幅は取れていた・・・というケースは多々あります。

      損切り貧乏は、特にFXで生き残るために必須となる行動を会得している
      のだと思います。

      後は、損切りの回数を減らすことに集中すると、PL比はグッと良くなる
      というのが経験からの感想です。

      一回で即死よりは、雲泥の差があるとお考えいただければ幸いです。

      またコメントをお待ちしています。

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