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低レバレッジのリスク、知っていますか?

投資の学校」浅野 敏郎
From 自宅の寝室より、

 
 
本当に止めていただきたいのが、
金融庁が模索しているというFXの低レバレッジ化です。

高レバレッジ=リスク拡大

というのが一般的な認識のようですが、
例えば株式の塩漬けを連想してみてください。

 
現物株の取引は基本的に丸代金・・・つまり、
1株1000円の株式を10万株取引開始するには、
1000円×100,000株=100,000,000円の資金が必要で、

この場合のレバレッジは1倍・・・つまり投資資金と原資は同じです。
この状態で株価が500円になった場合、
50,000,000円の含み損になっている訳ですが、

この株式が紙くずになっても、損失は100,000,000円に限られますから、
「最悪でも1億円の損失なら、このまま待とう!」

これこそが恐ろしい「塩漬け」メンタルの根源になってしまいます。

 
裏を返せば、
1億円出せたから1億円の損が出せるのであって、
もし10万円しかなければ、10万円以上の損失は絶対に出せませんね?

 
 
 
おはようございます。
今週は金曜日と日曜日をトレードということで、
日曜日の朝刊に登場です!

そして今回はもう3月です!

楽しみにしていたピョンチャン・オリンピックも閉幕してしまいました。
まだパラリンピックが残っていますが、
ここまで、最高の結果を出せた大会でした。

全選手の方々には盛大な拍手をお送りしたいと思います。
ウィンタースポーツは、まだシーズン中でもあり、
メダリストたちは早くも世界に散って、
サーキット参戦を再開しています。

 
メダリストパレード、あれば良いのですが、
それも春まではお預けでしょうかね・・・。

 
 

FX、現物取引の非効率

ドル円相場が1ドル105円の時、
100万ドルを現物で買おうとすれば、1億500万円が必要です。

相場が100円へと下落した時に損切り決済をすれば
1億円が戻り、差し引き500万円の損失となります。

だとすれば、
もし相場が5円下落した時に必ず損切をするのであれば、
500万円を持っていれば1億500万円がなくても、
同じ取引をしたのと同じ結果であり、
無意味に支払って戻ってきた1億円は元々不要ではないか?
と言うのが、証拠金取引の発想です。

 
この場合、
100万ドル1億500万円相当の取引を500万円でできるから、
レバレッジは21倍だということです。

このようにレバレッジとは、
自分が許容できる損失額と取引原資の比率に過ぎないのです。

 

低レバレッジ規制の不利益

大義名分は投資家保護ということになっていますが、
例えばレバレッジ10倍だとして、
100万ドル1億500万円相当の取引に必要な額は、
1050万円となり、
それより少ない額では取引を開始出来ません。

 
しかし、先ほどの例に沿って考えると、
実質的には、相場が反対に10.5円動いた時に損切り決済をする
というプランと同じでもあり、
そうなってしまった時の損失額は1050万円です。

もちろん、大は小を兼ねるので、
相場が10.5円も逆に行くのを我慢しなくても、
1円や5円の逆行で損切り決済を実行すれば良いのですが…、

 
本来の投資家保護という観点を、
初心者でも大きな損失額を出さずに済むことに
重点を置くとすれば、
初心者こそが自分から損切り決済を出来ない場合も多く、

知らないうちに損失額が大きくなってしまう事実が可能なのは、
証拠金が500万円の時よりも、
実は1050万円の方なのです。

 
もちろん、1万円の証拠金で100万ドルを取引すれば、
僅か1銭の値動きで損失決済となり、
何もしていないのに1万円が無くなるといった、
狐につままれたような状況に陥る可能性は十分あり得ますから、

相場が幾ら動けば、損益が幾らになるかという、
取引額との関係をしっかり学ぶ必要があります。

 
レバレッジを低くするだけで投資家保護になる、
という考えでは、
逆に多額の含み損を抱える、
いわゆる塩漬け投資家を増やすだけにもなりかねない・・・
と危惧しています。

 
「100倍の高レバレッジは、収益も100倍ですが、損失も100倍となるため
非常にハイリスクです!」

 
聞きなれたフレーズですが、この常套句には大変な矛盾があり、
日本政府が本当にこのセリフに乗っかっているだけだとするなら、
やはり低い日本の投資教育は、
いつまで経っても高くなりそうにありません。

 
知人で、FXに1億円投資をして、2000万円の損失を出し、
「FXは儲からないね!」
と言われたことがあります。

私は取引額を尋ねましたが、
100万ドルと聞いて安心しましたが、
要するにこの知人は、一番安全だとされるレバレッジ1倍で、
ドル円を取引したわけですが、
損失額2000万円というのは、
レバレッジに関わらず揺るぎのない事実です。

 
最初に2000万円を証拠金として100万ドルを取引し、
資金がゼロになったとしても損失額は同じ2000万円ですが、
レバレッジとして考えれば5倍という数字になってしまうのです。

証拠金500万円で100万ドルを取引すればレバレッジは20倍になりますが、
その損失額は最大で500万円で済むといったように、

同じ取引額であるにも関わらず、最大損失額が一番少ない取引が
最も高いレバレッジとなっているのは、かの常套句の正反対ですね。

 
要するに、ムダな資金を事業者にたくさん預ければ預けるほど、
レバレッジは下がり、
そのムダ金すら失う可能性があるのは、低レバレッジの方であることを
良く理解しておきましょう。

※ハイレバレッジで多額取引を勧めているわけではありません。

 
 
 
浅野敏郎

 
 
<編集部よりおススメ>

 
レバレッジ論争がここに来て熱を帯びています。

金融庁の法規化を阻止するには、
時間的にもそろそろ限界か?

という予測が立ち始めているからですが、
損失予算ともいうべき証拠金は、
実はストップロスをどこに置くか?
どこに置けば幾らの損失で収まるか?

というのと概ね同じことで、
もちろん、投資ですから損をしなければ不要な論争です。

 
 
あと3銭届かずに天底を取り損ねた…とか、
2銭下落が浅ければストップに掛からずに済んだ…

という経験は、今後も続くでしょうが、
どうにかして、こうした不運は少なくしていきたいですね。

そのためには指値などは使わずに、
実際の値動きを見極めて、
自分の判断でエントリーすること。

 
そして、その時には同時に損切の水準が決まっているべき
なのです。

損切は必要経費…
そう考えれば、必要最小限の経費で
如何に有利なエントリーができるか?

だけに集中したいものです。

 
もっと具体的に知りたい方はこちらのページを一度、
読んでみてください。
↓↓↓
https://fx-school.net/lp/tpa_special/

 
 
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  • コメント ( 2 )

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  1. DGTG

    いつも楽しく、読ませていただいています。
    内向的なので、あまり、コメントはしない方なのですが、今回はおっしゃるとおりと共感しております。
    FXは小さな元手で、適切なリスクをとりながらリターンを求める、元手が10万円単位でもはじめることのできる手軽なトレードだと思います。
    このまま、商品先物のようになってしまわなければいいのですが。

  2. 浅野敏郎

    DGTG様、

    コメント有難うございました。
    共感いただき、有難うございます。

    商品市場の歴史とは根本的に異なりますが、
    もしレバレッジが10倍になった場合、
    事業者は相当統廃合される・・・と思います。

    FXはそれでなくても1通貨あたりの損益は、
    ドル円で銭の単位ですから、そもそもある程度は多額、
    (といっても数十万や数百万は特殊ですが、)
    の取引をしないと現実的な収支が発生しませんからね。

    少ない元手でも確かに取引できるわけですから、
    相場のエントリーモデルとしては非常に良い市場なはずですね。

    レバレッジが低下=事業へ預託する余計な資金が増大
    するだけで、投資家側にとって、良い側面は殆ど皆無です。
    事業者側は、スイスショックや、ポンドショックのような、
    レートがすっ飛ぶ事態になっても、
    損金を回収できないというリスクは大きく低減しますね。

    なので、ある意味では健全になるのは確かですが、
    明らかに取り扱い量は減りますから、
    結局は収益が上がらず、自分の首が絞まるというジレンマも抱えていますね。

    政府はそこまでしても、為替市場へ一般投資家が参加しにくい地合を作り、
    どうしてもNISAへと誘導したいのかも知れません。

    また、是非コメントをお待ちしていますね。
    有難うございました。

    浅野

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