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相対取引って”怪しい”ですか?

「投資の学校」浅野敏郎
From新宿オフィスのスタジオより

 
本日も少し遅くなり、申し訳ございません。
 

取引所取引という言葉をネットなどで調べると
「全ての取引を取引所に集中させて、
公正な価格の形成を可能にしている取引形態」
などと書いてあり、

一方の相対取引は、
「事業者と投資家など、当事者同士が直接行なう取引形態」
などと書かれています。

 
取引所取引の代表的な市場は株式市場ですが、

日本取引所(旧:東京証券取引所)や
大阪取引所(旧:大阪証券取引所)など、
半ば公的な取引所に会しての取引と、

初めて社名を聞くようないち事業者との相対取引とでは、
取引の信用力が違うような印象があるかもしれません。

 
実は相対取引を代表する外国為替取引ですが、
私の感覚としては、
取引所取引と大きな違いはない気がします。

今日はこの辺りについて、少しお話しようかと思います。

 
——————————————
おはようございます。
今週も早や金曜日がやって参りました。
朝晩はすっかり冷え込むようになりましたね。

久しぶりに秋晴れとなった昨日の朝、
車窓から見えた富士山は7合目辺りまで冠雪していました。

考えてみれば今年もあと一ヶ月と半分・・・
秋というより冬と言う方がふさわしいかもしれません。
——————————————-

 
さて、
ご存知の方も既にいらっしゃるかも知れませんが、
実は私は昔、外国為替市場の一員だった経緯があり、
相対取引が怪しいという感覚は全くありません。

しかし相対市場というと、

本当はもっと安く買えたのに高く買わされないか?とか、
相場より安い価格で売らされるのではないか?など、
一枚も二枚も上手な取引相手の言いなりになってしまいそうな、
ネガティブな響きがあります、かね?

 
相対取引は英語でOver The Counterと言いますが、
為替取引は元々銀行業務ですし、
窓口越しにお客と銀行員が直接取引をする光景が
目に浮かびますね。

銀行の窓口にはTTB/TTSと書かれた両替レートが
公開されていて、お客さんはこのレートで、
半ば自由に売買取引ができます。

 
米ドルの取引を例にとると、

A銀行でドルを取引するお客さんは
売り手もいれば買い手もいて、
大口もいれば小口もいて、その数もたくさんです。

もしあなたがドルを買いたいとき、

A銀行の売り渡し価格が、
B銀行の売り渡し価格より高かった場合、
A銀行ではドルを買いませんよね。

ドルを買いたい近くのお客さんはB銀行へ流れ、
結果、B銀行はドルが不足(ショート)します。

一方、ドルを売りたい人は、
A銀行の方がレートが良いためA銀行に流れ、
A銀行はドルが余剰(ロング)になります。

 
そこでA銀行は、とある市場にドル買い注文を入れ、
B銀行はドル売り注文を入れることになり、
ここに一種の取引所が成立し、
これを銀行間市場になります。

A銀行は113.00円で500万ドルの買い注文を入れ、
B銀行は114.00円で300万ドルの売り注文を入れたとすれば、
銀行間市場には113円買い114円売りの板が立ち
相場が成り立ちます。

 
同様にドルの売り手になったC銀行が
早く500万ドルを売りさばきたいということで
113.75円に売り注文を指せば、
113円買い113.75円売りの板が立つわけですね。

そこへ、
またまた新たに300万ドルの買い手となって現れたD銀行は、
今の売買板の水準を既に知っており、
間の113.50円に買い注文を指したところで、
市場には113.50買い113.75売りの板が立つといった具合です。

 
こうして注文がどんどんせり寄って
例えば今の113.500-113.510という板が立ち、

新たなドルの売り手となって現れたY銀行が、
113.50円のドル買いに対して売り付けてしまえば

買い手D銀行-売り手Y銀行 取引レート:113.50
という取引が成立する、というわけです。

 
こう見れば外国為替市場も、
取引所取引と似ている側面は持っているのですが、

大きな違いは、一般投資家はこの市場には参入できず、
今のところは証拠金取引を通じて
FX事業者と取引するしかないところは、
株式市場など大手機関投資家も一般投資家も
同じ市場で取引する取引所取引市場とは大きく違います。

 
しかしFX市場でも、
結局はFX事業者もカバー先銀行を通じて
外国為替の銀行間市場とつながっていますから、

FX事業者は一般投資家の需給を一旦まとめ、
それを市場に流しているという役目を担っている
ともいえるでしょう。

 
根本の外国為替市場に一般投資家が参入できない
大きな理由として、
取引が成立すると実際には現物を交換しており、

先ほどの取引例で、
「買い手D銀行-売り手Y銀行 取引レート:113.50」
と示した通り、交換する取引相手は誰なのか
という点が重要な取引です。

 
取引所取引である株式市場では、
誰から株式を買おうが誰に売ろうが、
特に問題ではないことからも違いが判るように、

信用が管理されている銀行の通貨交換の相手が
一般投資家になる可能性があっては、
クレジットリスクという点でも容認されるはずもなく
やはり株取引とは意味が違うばかりか、

 
対価を円で支払えば、「ハイ、お仕舞い!」
といった株取引とは違い、
実際の外国為替取引には関連する業務が意外と多く、

その全てを銀行と同じように一般投資家が行なうには、
恐らくコストに見合わない取引になるかもしれません。

 
 
私が現役だった当時、
大手地方銀行ですら50万ドル前後の取引が、
たまに持ち込まれる程度だったことからも、

積極的に取引してコストがかさむより
必要最小限の取引で済ましたほうが現実的だったことは
大体は想像できますね。

それが今、いとも簡単に
一般投資家が外国為替を取引できるのは、
新しいFX市場という仕組みによることは確かであり、

その担い手であるFX事業者の素行と、
相対取引そのものの仕組みとは別の問題であると
言っておきましょう。

 
 
浅野敏郎

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  • コメント ( 5 )

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  1. 乾坤一擲

    「相対取引」怪しいです。Σ(-᷅_-᷄๑)昔、電光掲示板の前で群れていた殺気立ったオジサマたちの群れを思い出します。その場から離れようとしない。「オイ、仕事に行けよ」と思ったものです。最近の掲示板の前には人影すらなく、、、そのうちなくなるのではないかしら。寂しいから残しておいてほしいけど。

    • 浅野敏郎

      乾坤一擲さま、
      いよいよ寒くなりましたね。まだまだ絶好調な気温ですか?
      私は少し動きが鈍くなりごろの気温です。(ここ数年、冷え性気味です・・・)

      相対が怪しい・・・って、これは群がる方々が怪しいわけで・・・(汗)
      変化球での切り返し、さすがです!!

      実際には見てないですが、中国の取引所の光景って
      もっとスゴイらしいですね。まるで、場外馬券場のような殺気だそうです。
      怪しいを通り越して、恐怖です・・・

      東京証券取引所から「場立ち」が消えて電光掲示板になり、
      日本取引所という名称に変わって東京証券取引所の名前がなくなり、
      確かに寂しいものがあります。

      バブルの時はそれだけ、一般人が相場に関与していて、
      今のバブルモドキは、作られた相場で 一般人はさほど関与していない
      ということなのでしょうね。

      「・・・その場から離れようとしない。「オイ、仕事に行けよ」と思ったものです。・・・」
      ウケましたwww
      ホント、そうでしたよね。私はまだ小僧でしたからタネ銭もなく、投資での恩恵は皆無でしたから、
      彼らはただの「通行の邪魔者」だったと思った記憶がよみがえりました。

      また、コメントをお待ちしております。
      有難うございました!!!

      浅野敏郎

  2. 田中忠夫

    いつも楽しく拝読させて頂いております。
    お尋ねです。株価の波動に関して、高値、安値が出来て、波動方向が変わっていく、これは分かります。
    さらに、「重要な、高値、安値が出来て、トレンドが変わっていく」ような気がしています。
    この、重要な高値・安値の定義というか見つけ方、がよくわかりません。以前に、朝の先生のコメントで、
    分かりやすくご説明頂いた記憶がありますが、ノートに書き留めていなくて探し中です。
    恐縮ですが、いつ頃の、どんなコメントだったか、当該部分の探し方も合わせてお教えくださいませんか。

    • 浅野敏郎

      田中忠夫様、

      ご照会、有難うございます。
      過去の原稿の件、少々お時間をください。
      テーマと内容が直結しない場合もあって、特定には時間がかかりそうです。
      確かに、重要な高値安値の話は記憶にありますので、探してみます。

      重要な高値・安値の見つけ方ですが、
      もちろん、これらは後から判るものです。ただ、長期足1本1本の高値安値は大方、重要です。
      例えば年足の高値安値は今年なら年初来高値・安値ですよね。
      月足でも週足でも概ね同じようなことがいえます。もし当該週足が前週の内側に孕んでいましたら
      当然、前週足の高値安値が重要・・・といった具合です。

      で、それが連なってくると・・・ですが、
      4本の週足はおよそ22本の日足で成り立っていますから、日足で見れば上下動をします。
      ただ、今が下落局面であっても、その一つ前の上昇波動を見れば、
      そこにはやはり高値安値がありますから、この高値安値はやはり重要だということになります。

      よく、トンボやトウバなどと呼ばれる、ヒゲが長く実体が薄い足がトレンド転換を示唆するといいます。
      あながち間違いではないのですが、区切る時間が変わればそのような値動きは日常茶飯事ですから、
      1点や1本の足が本当のトレンドに影響したという考えはあまりおススメできませんし、
      実際にあったとしても、では何ポイント反転したらトレンド転換と言うのか?
      という疑問と概ね同意ではないでしょうか。

      ですから、たとえ日足で出現したとしても週足に影響がなければ、一過性の値動きと何ら違いはないですね。

      つまり、何足をご自身の基準に置くかで、目先の重要な高値安値は違ってきますが、
      より長い足の高値安値、その波動の高値安値は長期にわたり相場に影響しますから、
      たとえ1時間足がご自身の基準でも、日足、週足程度の高値安値を確認し、
      たまに月足で根底にある天底を確認する作業は、非常に重要です。

      このようにお話しているうちに、幾つか記事の目星がつきました。
      詳しくさかのぼって見ますので少々お時間を頂きたく、よろしく御願い致します。

      コメント、ありがとうございました。

      浅野敏郎

    • 浅野敏郎

      田中忠夫様、

      随分間が空いてしまいました。
      的を得ているかどうか微妙ですが、
      高値安値のお話をしたものを幾つか見繕ってみました。
      改めて読み直すと、同じことしか言ってませんね。
      意外と、そんなものかも知れません。

      ご参照ください。

      https://toushi-gp.jp/archives/6193

      https://toushi-gp.jp/archives/5731

      https://toushi-gp.jp/archives/5523

      https://toushi-gp.jp/archives/5467

      https://toushi-gp.jp/archives/5031

      https://toushi-gp.jp/archives/3719

      https://toushi-gp.jp/archives/2293

      浅野敏郎

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