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【2026年1月26日】江守哲のコモディティコメント

こんにちは、江守哲です。

【貴金属市場の市況解説】
金:4982.57(+46.28)<+0.94%>
銀:102.947(+6.77)<+7.04%>
プラチナ:2767.2(+137.75)<+5.24%>
パラジウム:2010.085(+90.02)<+4.69%>

金:4936.29(+100.12)<+2.07%>
銀:96.188(+2.95)<+3.16%>
プラチナ:2629.45(+146.76)<+5.91%>
パラジウム:1906.25(+66.75)<+3.63%>

22日の金相場は3日続伸し、史上初めて4900ドルの大台を突破して最高値を更新した。
トランプ米大統領がグリーンランド領有を巡る武力行使を否定し、
欧州への追加関税を撤回したものの、デンマーク側が「領土保全」を盾に譲歩を拒否するなど、
北極圏の帰属を巡る火種が依然として燻っていることが安全資産としての金買いを誘った。
また、為替市場でドルが対ユーロで下落したことも、ドル建てで取引される金の割安感を強める要因となった。

2025年7〜9月期の米実質GDP改定値が年率4.4%増と速報値から上方修正され、
11月の個人消費支出(PCE)物価指数も前年同月比2.8%上昇とインフレの粘り強さが示されたが、
経済の力強さとインフレヘッジ需要が金価格の押し上げに寄与した。

銀相場は一時100ドルの大台を超え、過去最高値を大幅に更新した。
金が5000ドルの大関門に迫る中、相対的に割安感が意識されていた銀に爆発的な買いが流入した。
背景には、米国と欧州の外交関係の亀裂に伴う「ドル不信」と安全資産への逃避に加え、
太陽光パネルやEV、AI半導体向けといったグリーン・ハイテク産業での深刻な需給逼迫がある。
特に中国による輸出管理強化の懸念が、実需家によるパニック的な手当て買いを誘発し、
年初来ですでに40%を超える異常な上昇を見せている。

プラチナも3.27%高の2576.90ドルと最高値を塗り替え、
パラジウムも2.40%高と反発するなど、貴金属市場全体に買いが波及した。

ゴールドマン・サックスが2026年末の金価格予想を
1オンス当たり5400ドルへ上方修正したことは、
貴金属市場が「金融資産としての調整局面」を脱し、
中央銀行や機関投資家による「戦略的保有(ストラクチャル・デマンド)」の
ステージへ移行したことを象徴している。

金価格が過去最高値を更新している背景には、
従来の「安全資産」としての役割に加え、
米ドルの信認低下に対するヘッジ(通貨毀損トレード)としての
機能がかつてないほど強まっている実態がある。
ゴールドマンは、2025年に前年比64%という驚異的な上昇を見せた勢いが
2026年も持続すると分析。その主導役は新興国の中央銀行であり、
月平均60トン(年間約720トン)に及ぶ旺盛な買い付けが、
価格の下値を強力に支える構造(フロアの切り上げ)を形成している。

さらに、FRBが年内に合計50ベーシスポイント(0.5%)の利下げを
実施するとの予測に基づき、
金利低下による金ETF(上場投資信託)への資金流入加速が、
価格を5,000ドルの大台からさらに押し上げる二段目のロケットになると見ている。

ロシアの中央銀行が発表した最新データによると、
西側諸国による資産凍結措置を受けているにもかかわらず、
ロシアの金・外貨準備高は資産再評価の影響で7691億ドルという過去最高額を記録した。
この急増の主因は、準備資産の約43%を占める金価格の歴史的な高騰にある。
金価格は2026年に入り、わずか3週間で12%以上上昇し、
1月21日には1オンスあたり4887.82ドルと最高値を更新した。

ロシアはかつてのドル依存から脱却し、
保有資産を金、ユーロ、中国人民元へと分散させてきた。
約3000億ドル相当が欧米で凍結されているものの、
中央銀行は依然としてこれらを報告書上の資産として計上しており、
近年の金価格上昇分が事実上、凍結による損失を補填する形となっている。

一方、国内財政赤字を補填するための売却により、
金現物の保有量自体は7480万オンスと微減したが、
ゴールドマン・サックスが年末の金価格予想を5400ドルへ引き上げるなど、
資産価値のさらなる膨張が見込まれている。

【貴金属のトレード戦略の考え方】
歴史的な過熱圏にあることを認めつつも、
トレンドに従う強気スタンスを維持すべきである。
短期的には5000ドルの大台到達に伴う利益確定売りの発生が予想されるが、
ドル信認の低下という構造的な要因が解消されない限り、
押し目は絶好の買い場となる。特にボラティリティが極めて高まっているため、
レバレッジを抑えた現物保有や金ETFを通じた長期的なポジション構築が推奨される。

また、金と比較して値動きが激しいプラチナやパラジウムは、
ドルの下落局面でより大きな上昇率を期待できる代替資産として、
ポートフォリオの収益性を高めるための分散先として有効である。

銀は「最も電気伝導率が高い金属」として、AIサーバー、5G通信、
そして太陽光発電パネルに不可欠である。
特に2026年は、世界的な脱炭素化の加速により、
太陽光パネル向けの銀需要が総需要の25%を超える見通しである。
供給側は、銅や亜鉛の副産物としての生産が主であるため、
価格が上がっても急に増産できない「供給の非弾力性」があり、
5年連続の需給赤字が価格を押し上げている。

歴史的に、金価格に対する銀価格の比率は70対1を超えると「銀が割安」、
50対1を下回ると「銀が割高」とされる。
2025年初頭に100対1を超えていたレシオは、
現在50対1付近まで急速に縮小(銀の急騰)しており、
投資資金が「出遅れていた銀」へ一気に流入している。
現在は明らかに銀が割高な水準にあることから、慎重に対処すべきであろう。

一方で、トランプ政権の政策転換やFRB人事の進展次第では、
ドル急反発による価格調整のリスクも内包している。
したがって、ストップロスも念頭に置きつつ、
不測の事態に備えて機動的にキャッシュ比率を調整できる余力を
残しておくことが運用の核心となる。
貴金属市場全体が史上最高値圏にある現在は、
価格そのものよりも「ドル指数」と「実質金利」の動向を主指標に据え、
マクロ環境の変化を敏感に察知する姿勢が求められる。

【非鉄市場の市況解説】
アルミ:3173.5(+36)<+1.15%>
銅:13128.5(+288.5)<+2.25%>
ニッケル:18710(+610)<+3.37%>
亜鉛:3269(+36)<+1.11%>
鉛:2035(+1.5)<+0.07%>
COMEX銅:5.9475(+0.1685)<+2.92%>

<LME在庫(前日比)>
アルミ:507275トン(-2000トン)
銅:171700トン(+3450トン)
ニッケル:283728トン(-768トン)
亜鉛:111500トン(-200トン)
鉛:215175トン(-3250トン)

23日のロンドン金属取引所(LME)の銅相場は上昇した。
一時は1万3182ドルと1週間ぶりの高値を付け、
14日に記録した史上最高値1万3407ドルに迫る勢いを見せている。
この上昇を支えた主因は地政学的緊張に伴うドルの急落であり、
ドルの週間下落率は2025年6月以来約7カ月ぶりの大きさとなる見通しである。

ドル安が他通貨保有者から見た割安感を強めたことに加え、
スズが8.1%急騰し1トン=5万5385ドルの史上最高値を更新したことも市場全体の投資心理を強気に傾けた。
供給面ではチリのマントベルデ鉱山でのストライキによる生産停止が材料視された。

一方で、現物市場の需給は緩みを見せている。
LME現物と3カ月物の価格差(スプレッド)は、
20日の102ドルのプレミアムから23日には74ドルのディスカウントへと転じ、
2025年9月以来約4カ月ぶりの大幅な値引き水準となった。
これは現物の供給が潤沢であることを示唆している。
実際に主要3取引所の合計在庫は90万5069トンと2018年以来の高水準に達しており、
その半分以上がCOMEXの倉庫に保管されている。

最大消費国の中国では、
12月の記録的な増産と価格高騰を背景に輸入意欲が減退しており、
銅プレミアムは2024年半ば以来の低水準である22ドルで停滞している。
政策面では、米政府が1月中旬の重要鉱物調査で関税発動を見送ったことが
安心感を与えているものの、2026年半ばにかけての追加調査の可能性は残されている。

アルミは3160ドルから3175ドルの高値圏で推移し、3年ぶりの高水準を維持した。
この背景には、世界最大の生産国である中国が掲げる
年間4500万トンの生産能力キャップが実質的な供給の壁として機能している事実がある。
中国政府は環境規制とエネルギー効率の向上を厳格に求めており、
新規増設が極めて困難な状況が続いている。
さらに、アルミは「電気の缶詰」と称されるほど製造工程での電力消費が激しく、
エネルギー価格の高騰が直接的に損益分岐点を押し上げている。

製造原価におけるエネルギーコストの比率は極めて高く、
電力価格の変動がそのまま供給サイドの制約に直結する。
需要面では、電気自動車(EV)の軽量化需要や再生可能エネルギー・インフラ、
さらには熱伝導性に優れたアルミを多用するAIデータセンターの建設ラッシュが強力な下支えとなっている。

2026年第1四半期の日本向け対LMEプレミアム(MJP)が
前四半期比126%増の195ドルまで急騰した事象は、
アジア圏における現物需給の逼迫を如実に物語っている。
地政学的な文脈では、ロシア産アルミへの制約や関税障壁の強化が
サプライチェーンの分断を招き、地域ごとの価格差を拡大させている。

【非鉄金属のトレード戦略の考え方】
現在はマクロ要因による押し上げと実需の緩みが衝突する局面であり、
史上最高値圏での追随買いはリスクが高いと判断する。
ドルの動向が価格を下支えしているものの、
現物スプレッドのディスカウント転換と過去最高水準の在庫は、
価格の調整圧力が強まっているシグナルである。
したがって、現在は積極的なロング(買い)ポジションを構築する時期ではなく、
地政学リスクに伴うドル安の継続性を見極めつつ、利益確定を優先すべき局面である。

特に中国の需要回復の兆しが見えない中では、
1万3000ドル台を維持できるか否かを慎重に見極める必要がある。
新規に参入する場合は、価格が在庫増を嫌気して調整し、
スプレッドが再び引き締まるタイミングを待つのが賢明である。
同時に、史上最高値を更新したスズの極端な強気相場が他金属へ波及する可能性を注視し、
ボラティリティの拡大に備えた資産配分が求められる。

アルミについては、供給不足を背景とした価格上昇シナリオと、
中国による海外投資(インドネシア等)に伴う供給増シナリオの対立を注視すべきである。
ゴールドマン・サックスなどは2026年末に向けて1トン=2350ドルまでの調整を予測する一方で、
UBSなどは3200ドルを超える高値更新を見込むなど、専門家の間でも見解が大きく割れている。

したがって、単純な価格上昇への期待だけでなく、
炭素排出量の少ない「グリーン・アルミニウム」への投資や、
地域プレミアムの変動を利用した現物連動型ETF(JJAL等)への分散投資が有効となる。
個別銘柄では、自前の水力発電設備を持ち
エネルギーコスト競争力に優れたリオ・ティントやアルコアのような大手生産者に注目しつつ、
ボラティリティの拡大に備えて取引を行うことが2026年の定石である。

【エネルギー市場の市況解説】
WTI原油:61.07(+1.71)<+2.88%>
ブレント原油:65.88(+1.82)<+2.84%>
RBOBガソリン:1.851(+0.0338)<+1.86%>
ヒーティングオイル:2.4285(+0.0617)<+2.61%>
天然ガス:5.275(+0.23)<+4.56%>

23日のNY原油相場は、イラン情勢の緊迫化と供給網の遮断リスクを背景に反発した。
米財務省が同日、イランの反政府デモ弾圧を理由に、
同国産石油の輸送に関わる9隻の船舶と8つの関連企業へ
新たな制裁を科したことが直接の買い材料となった。これに先立ちトランプ大統領は、
空母艦隊をイランへ派遣し軍事攻撃も辞さない強硬姿勢を表明しており、
中東からのエネルギー供給が物理的に停滞するとの懸念が市場を支配している。

供給不安は中東にとどまらず、
カザフスタンの世界最大級テンギス油田でも発電施設の火災により生産が停止している。
復旧には少なくとも1週間から10日を要すると見られ、
日量数十万バレル規模の供給減が意識された。
また、為替市場でのドル安進行がドル建てコモディティに割安感をもたらしたことも原油高を後押しした。

一方、中国によるロシア産原油の輸入拡大は、
西側諸国の制裁強化に伴うグローバルな供給網の再編を象徴する動きとなっている。
LSEGおよびケプラーの暫定データによれば、
中国は2026年1月に海上輸送で日量約150万バレルのロシア産原油を受け取る見通しであり、
これは前月(2025年12月)の日量110万バレルから大幅な増加となる。
特に、ロシア西部の港から出荷されるウラル原油の輸入量は日量40万5000バレルに達し、
約2年半ぶりの高水準を記録する見込みである。

この背景には、これまでロシア産原油の主要な買い手であったインドやトルコが、
制裁リスクを嫌気して購入を削減した事実がある。
インドの輸入量は、2025年平均の日量130万バレルから12月には100万バレルを割り込み、
2026年1月も同水準での推移が予想されている。

特に、インド最大の買い手であるリライアンス・インダストリーズが、
EU向けの石油製品輸出を維持するためにロシア産原油の受け入れを停止したことが大きな転換点となった。
トルコも同様に輸入を削減しており、
これらの「浮いた」原油が中国へと振り向けられている。

NY天然ガス相場は、今後2週間に予想される全米規模の記録的な寒波による暖房需要の急増と、
寒冷地でのガス井凍結(フリーズオフ)に伴う生産減から4日続伸した。
2月きりの価格は100万BTU当たり527.5セントまで上昇し、
この1週間で68%超という歴史的な暴騰を記録している。

米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが23日公表した同日までの
1週間の国内石油掘削リグ稼働数は前週比1基増の411基となった。
天然ガスは前週と変わらずの122基。

【エネルギーのトレード戦略の考え方】
原油相場は、地政学的プレミアムが乗った現在の高値圏での
追随買いには慎重であるべきだが、
短期的には「イベント・ドリブン型」の強気姿勢を維持せざるを得ない。
原油に関しては、イランへの制裁強化や艦隊の到着が迫る中で
ボラティリティの拡大が予想されるため、
65ドル付近までの上値余地を想定した対処が不可欠である。

ただし、構造的な供給過剰懸念や中国の需要停滞という大局を考慮すれば、
緊張緩和の兆しが見えた瞬間に価格が急落するリスクがある。
したがって、現物保有よりも、ニュースフローに即応できる機動的なポジション管理を優先し、
利益確定の指値を細かく設定する防衛的アプローチが求められる。

天然ガスについては、寒波という一時的な要因で1週間に7割近く上昇した過熱感を警戒すべきである。
予報が平年並みの気温へ修正された途端に価格が急反落する「天候ラリー」の終焉リスクが高まっており、
新規のロングポジション構築は避けるべき局面にある。
むしろ、利益確定売りを進めつつ、暖房需要のピークアウトを見越したショートの機会を伺うか、
在庫統計の引き出し幅が予想を下回るタイミングでの調整を待つのが定石である。

2026年のエネルギー市場は、
トランプ政権の「予測不能な外交」と「異常気象」が重なる極めて難度の高い局面にあるため、
資産の一定割合を現金で保持し、
ショック時の押し目買いに備える余力を残しておくことが運用の核心となる。

【農産物市場の市況解説】
コーン:430.5(+6.5)<+1.53%>
大豆:1067.75(+3.75)<+0.35%>
小麦:529.5(+14)<+2.72%>
大豆ミール:299.9(+3.7)<+1.25%>
大豆油:53.99(+0.21)<+0.39%>

ココア:4201(-268)<-6%>
綿花:63.81(-0.07)<-0.11%>
コーヒー:350.9(+3.2)<+0.92%>
砂糖:14.73(-0.23)<-1.54%>

シカゴコーン3月限は、好調な輸出成約高と原油相場の上昇を背景に続伸し、
1ブッシェル=430.50セントで取引を終えた。
米農務省が発表した週間輸出成約高は400万トンに達し、
市場予想の上限である310万トンを大幅に上回ったことが強い買い材料となった。
また、アルゼンチン南部での乾燥した天候による生育懸念も相場を押し上げている。

大豆3月限も同様に反発し、1067.75セントとなった。
南米産との激しい販売競争に直面しているものの、
中国からの需要期待とアルゼンチンの天候不順が下支えとなった。

小麦は米国とロシアを襲った寒波への警戒感に加え、
ドル安が追い風となり529.50セントまで続伸した。
米国南部では嵐による水分補給が期待される一方で、
雪よけのない地域での低温被害が懸念されているが、
世界的な供給自体は依然として潤沢な状況にある。

NYココアは記録的な暴落を見せ、4201ドルまで急落した。
一時は2年ぶりの安値となる4054ドルを付け、
週間での下落率は17%に達している。
最大生産国であるコートジボワールを中心に、
需要不足から在庫が積み上がっていることが深刻な下押し圧力となった。

NYコーヒーは堅調に推移した。アラビカ種は350.90セントへ上昇し、
ロブスタ種も4142ドルへと反発した。
最大生産国ベトナムの農家が、低水準な国内価格での販売を控えて供給を絞っていることが主因であり、
旧正月(テト)を前にした例年の売り急ぎが見られない異例の事態となっている。

NY砂糖は、ブラジルでの生産コスト高騰に伴う投資縮小の動きはあるものの、
価格下落を嫌気した売りが優勢となり、14.73セントと3日ぶりに反落した。

【農産物市場のトレード戦略の考え方】
農産物市場では、セクター間での明暗を分ける要因が「天候リスク」から「実需と在庫のバランス」へと移行している点に注目すべきである。

穀物市場においては、
アルゼンチンの乾燥や米ロの寒波といった供給懸念を背景とした短期的な買いが有効であるが、
小麦に見られるように「世界的な供給潤沢」という大局を忘れてはならない。
コーンについては、好調な輸出と原油高の相乗効果が期待できるため、
押し目買いの好機と言える。特にコーンは作付け意欲の回復という
将来的な供給増リスクを孕んでいるため、
期近物での機動的なトレードが不可欠であろう。

大豆は、南米ブラジルでの記録的な豊作観測と供給過剰懸念を背景に、
強い下押し圧力にさらされている。
ブラジル農業省や民間調査機関の最新予測では、2025/26年度のブラジル産大豆の生産量は
過去最高の1億7800万トンから1億8000万トン規模に達すると見込まれている。
現在はブラジル北部での収穫が先行して進んでおり、
一部に遅れはあるものの、南部での乾燥した天候による作柄への影響を十分に補う供給量となる公算が高い。

中国による米国産大豆の調達は、依然として米中間の地政学リスクに翻弄されている。
2026年1月20日時点で、
中国はトランプ政権との約束であった1200万トンの短期購入目標を達成したと報じられているが、
2026年から2028年にかけて毎年少なくとも2500万トンを購入するという
長期的な合意の履行については不透明感が拭えない。

2025年における中国の大豆輸入シェアは、
米国産が24年の21%から15%へと大幅に低下したのに対し、
ブラジル産は73.6%へと上昇しており、
中国の「脱・米国産大豆」の構造的な動きが鮮明となっている。
この米中対立の激化と輸出の伸び悩みにより、
米国の農家所得は通常の半分程度まで激減し、壊滅的な打撃を受けている。

米政府が打ち出した農家救済策は、
生産コストの高騰や販売価格の低迷による損失を補填するには不十分であり、
将来的な収益性の確保が困難となっている。こうした経営環境の悪化を受けて、
米中西部の農家の間では、次期作付けにおいて相対的に需要が底堅く、
バイオ燃料(エタノール)需要の拡大が期待できるコーンへの転換を
検討する動きが強まっている点には要注意であろう

大豆に対しては戻り売りを基本とする弱気スタンスが有効である。
ブラジル産の本格的な収穫期入りを控え、在庫積み増しによる価格調整が続くと予想される。
一方で、大豆からコーンへの作付けシフトが進めば、将来的にコーンの供給過剰を招くリスクがある。
したがって、現在は「大豆売り・コーン買い」のスプレッド取引から、
長期的にはコーンの作付面積の拡大に伴う価格下落を見越したポジション構築へと移行する、機動的な資産配分が求められる。

また、トランプ政権下の通商政策がもたらすボラティリティに対応するため、
輸出成約高の週次データを注視し、政治的ニュースによる一時的な急騰局面は絶好の売り場として捉えるべきである。。

ソフトコモディティにおいては、極端な弱気相場にあるココアと、
供給制限が続くコーヒーで対照的なアプローチが求められる。
ココアは在庫過剰が解消されるまで下値を模索する展開が続くため、
安易な逆張りは避け、価格が安定するまで静観するのが賢明である。

コーヒー、特にロブスタ種はベトナムの供給管理という構造的な要因が価格を下支えしており、
テト明けの供給動向を見極めるまでは強気スタンスを維持できる。
ただし、NYコーヒーについては、しっかりとトレンドを見極めたうえで対処すべきだろう。

砂糖については生産コストが底値の支持線として機能する可能性が高いため、
14セント台前半での長期的なポジション構築を検討する価値がある。
総じて、ドル安の継続性を前提としつつ、在庫統計と産地の気象予報を組み合わせた、
イベント・ドリブン型の戦略が2026年の収益最大化の核心となる。

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