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【2026年4月22日】江守哲のコモディティコメント

こんにちは、江守哲です。

( )の価格は前日比
========================
【貴金属市場の市況解説】
金:4711.667(-107.98)<-2.24%>
銀:76.7(-3.21)<-4.01%>
プラチナ:2036.788(-52.22)<-2.5%>
パラジウム:1546.787(-4.71)<-0.3%>

21日の金相場は、米イラン和平協議の先行き不透明感に伴うドル高の進行と、
米長期金利の上昇を受けて続落した。パキスタンの和平協議に向けた準備が難航し、
イランからの正式回答が未着であることに加え、
バンス米副大統領の訪問保留が報じられたことで市場の警戒感が増大した。

加えて、3月の米小売売上高が市場予想を上回る堅調な伸びを示したことが、
FRBによる利下げ期待を後退させ、
金利を生まない資産である金の魅力を押し下げた。

銀相場も金相場の下落に追随し、
金銀比価の調整や投機筋のポジション解消売りの
影響を強く受けて軟調に推移した。

【貴金属のトレード戦略の考え方】
金・銀については、市場参加者の投資期間が短縮化し、
本来の安全資産としての機能が地政学リスク下でも逆行するリスクを
常に考慮する必要がある。投機的な資金流入が価格変動を激しくしているため、
長期的視点での保有であっても短期的な急落に対する
損切りを徹底することが不可欠である。

現在はドル指数および米長期金利と金価格の逆相関が鮮明となっており、
米国の経済指標が市場予想を上回る限りにおいては、
金利上昇圧力が金・銀の重石となる構造が続いている。
したがって、和平交渉の進展や停戦期限の通過といった
地政学的な転換点を待つべきであり、
現在は積極的に買い下がるのではなく、
ボラティリティが高い相場状況に合わせた機動的なデイトレードや、
トレンドの明確化を確認するまでの待機戦略が極めて合理的である。

相場が過熱感から修正局面に入っている現在、
安易なロングポジションは回避し、
米国の金融政策見通しと為替動向に連動した売買に徹するのが最適である。

【非鉄市場の市況解説】
アルミ:3531(-16.5)<-0.47%>
銅:13154.5(-90.5)<-0.68%>
ニッケル:18150(-85)<-0.47%>
亜鉛:3437(+23)<+0.67%>
鉛:1957.5(-16.5)<-0.84%>
COMEX銅:6.0715(-0.035)<-0.57%>

<LME在庫(前日比)>
アルミ:383275トン(-2975トン)
銅:398575トン(+150トン)
ニッケル:278166トン(-420トン)
亜鉛:107525トン(-3475トン)
鉛:273000トン(-625トン)

21日のロンドン金属取引所(LME)では、
銅相場はトランプ米大統領がイランとの停戦延長を
拒否する姿勢を示したことや、公海上での石油タンカー拿捕といった
地政学リスクの高まりを受け、続落した。
終日1万3200ドルから1万3300ドルという狭いレンジ内での低迷が続いた。
経済成長の先行指標とされる銅相場は、
紛争が世界経済を阻害するとの根強い懸念に加え、
ドル指数の0.2%上昇による割高感も重なり、
明確な方向感を見出せずにいる。

さらに中国では、製錬所の減産表明にもかかわらず
3月の銅地金生産量が月間過去最高を記録したことが、
供給過多への警戒感として市場に影響を与えている。

【非鉄金属のトレード戦略の考え方】
銅は、供給面での中国の増産と、マクロ経済および地政学的な
需要不透明感が拮抗している現状を理解した上で、
慎重なポジション管理が求められる。
現在は市場全体が明確なシグナルを待つ膠着状態にあるため、
突発的な地政学リスクによるボラティリティの急増に備えておきたい。
紛争の先行きやウォーシュ氏の公聴会など、
マクロ経済政策の転換点となるニュースが出るまでは、
フルポジションでのトレンドフォローは避けるべきである。

アルミも地政学的な供給不安と世界経済の成長鈍化という
相殺する要因の板挟みとなっており、
明確なブレイクアウトの兆しが出るまでは様子見が合理的である。
特にエネルギー情勢の変化はアルミの製錬コストに直結するため、
原油相場の変動を鏡として監視し、コストプッシュ要因による
価格の押し上げと需要減退による価格の下落をリアルタイムで精査する必要がある。

銅もアルミも、現在の需給バランスは不確実性が極めて高いため、
ポートフォリオ全体のリスク許容度を超えた投資を避け、
和平交渉の期限通過後にトレンドが明確化してから順張りで参入する姿勢が、
最も負けにくい戦略となる。

【エネルギー市場の市況解説】
WTI原油:89.67(+0.06)<+0.07%>
ブレント原油:99.29(+3.81)<+3.99%>
RBOBガソリン:3.2098(+0.093)<+2.98%>
ヒーティングオイル:3.7288(+0.1879)<+5.31%>
天然ガス:2.697(+0.008)<+0.3%>

21日のNY原油相場は、米イラン間の停戦延長を巡る
不透明感とホルムズ海峡の事実上の封鎖継続を背景に続伸した。
パキスタン政府による仲介努力が続く一方、
イランからの正式回答が停滞し、トランプ米大統領が
停戦期限を22日夜と設定して延長に否定的な姿勢を示したことで、
紛争長期化への警戒感が強まった。
また、ロシアのドローン攻撃によるドルジバ・パイプラインの復旧遅延が、
欧州における深刻なジェット燃料不足を引き起こすとの懸念も相場を下支えしている。

NY天然ガス相場は、ここ数週間の国内生産減少に加え、
米国の液化天然ガス(LNG)輸出プラントへの供給量が
過去最高に近い水準で推移していることを材料視し、
5営業日続伸した。市場では平均生産量が過去15日間で
日量約3.9十億立方フィート(bcfd)減少し、
11週間ぶりの低水準である108.2bcfdまで落ち込んでいる一方、
4月の主要LNGターミナルへの配送量は日量18.9bcfdに上昇しており、
供給引き締まりへの思惑が価格を下支えしている。

【エネルギーのトレード戦略の考え方】
WTI原油は、中東の地政学リスクが価格形成の決定的な
ドライバーとなっている現状を深く認識すべきである。
ホルムズ海峡が実質的に封鎖され、エネルギー供給網が
遮断されている環境下では、停戦交渉が完全に決裂した場合に
価格が一段と跳ね上がる「紛争プレミアム」を考慮する必要がある。

したがって、押し目買いのスタンスを維持することが
基本戦略となるが、交渉期限である22日夜に向けて
ニュースヘッドラインに対する市場の反応が激しくなるため、
ストップロス注文の徹底と、ポジションサイズを抑えたリスク管理が不可欠である。

交渉が期限内に合意へ向かえば、
織り込み済みのリスクが剥落して急落するリスクもあるため、
ポジションを固定せず、交渉の進捗に応じて機動的に
利益確定や損切りを行う短期回転売買が最も合理的である。
また、長期的には供給懸念が根深いため、
押し目では着実に買い下がる姿勢が推奨されるが、
ファンダメンタルズのみならず地政学的な
トリガーを注視した慎重な運用が求められる局面である。

天然ガスは、需給の引き締まりを背景にした
上昇トレンドを維持しつつも、高水準な在庫という
構造的な上値抵抗を常に念頭に置く必要がある。
4月17日時点の在庫水準は5年平均を約7%上回っており、
春先の暖かな天候による電力需要の低迷が続けば、
さらなる在庫積み増しが価格の重石となる。
現在は生産減少と輸出好調が相場を支えているものの、
米国中西部で予報されている暖気の影響で需要が低迷するリスクがある。

したがって、短期的なボラティリティを狙った順張りは有効だが、
在庫データが需給緩和を示唆する場合には即座に利益を確定し、
ポジションをフラットに戻す機動的な運用が不可欠である。
天候不順や生産停止などの突発的なサプライズがない限りは、
急激な価格高騰を追うのではなく、
下値を固めながらレンジ相場の上限を目指す慎重なスタンスが賢明である。

【農産物市場の市況解説】
コーン:462(+1.75)<+0.38%>
大豆:1190.5(+8.75)<+0.74%>
小麦:613.5(+7.5)<+1.24%>
大豆ミール:321.3(+0.1)<+0.03%>
大豆油:71.64(+2.34)<+3.38%>

ココア:3308(-87)<-2.56%>
綿花:80.86(+0.82)<+1.02%>
コーヒー:282.65(-5.1)<-1.77%>
砂糖:13.72(+0.08)<+0.59%>

21日のコーンは続伸。原油相場がトランプ大統領の
強硬発言を受けて一時5%上昇したことに加え、
米中西部での降雨予報による農作業遅延懸念が相場を支えた。
米農務省によると19日時点の作付け進捗率は11%であり、
コロンビア向けや仕向け地不明分を含めた輸出成約も確認されている。

大豆は反発。コーンと同様の気象要因に加え、
バイオディーゼル原料である大豆油先物が原油高を背景に
3.5%急騰したことが大豆相場全体を押し上げた。
19日時点の作付け進捗率は12%と5年平均の5%を
大きく上回るペースで推移しているものの、
週後半の降雨予報が停滞リスクとして意識されている。

小麦は続伸。原油価格の上昇に加え、
米農務省の週間報告で冬小麦の良好・優良比率が前週の34%から30%へと低下し、
市場予想を大きく下回ったことが決定的な押し上げ要因となった。

NYココアは、先週発表された需要データを受けた調整が続き、
反落した。地域別の圧砕量データではアジアが予想を上回ったものの、
欧州が壊滅的な数字となったことが相場の重石となっている。

NYコーヒーは、ブラジルの豊作予報を背景にした
農家の販売手控えがあるものの、
利益確定の売りに押され、反落した。

NY砂糖は、原油価格の午後の反発に連動し続伸した。
世界的な砂糖価格が生産コストを割り込んでいることから、
生産者がエタノール生産へシフトする動きが下値を支えている。

【農産物市場のトレード戦略の考え方】
コーンは、原油高がエタノール需要を通じて
価格を押し上げる構造が継続しているため、
中東情勢の緊迫化が続く限りは強気姿勢が正当化される。
ただし、作付けの遅延懸念が既に価格に織り込まれつつあるため、
今後の気象予報が乾燥傾向に振れた場合の
利益確定売りには十分な警戒が必要である。

大豆は、大豆油の力強い動きに着目し、
エネルギーセクターとの連動性が高い大豆のロングが有効であろう。
一方で、作付け進捗が順調であることは供給面での懸念を和らげるため、
天候リスクが解消された際には需給緩和が重石となりやすいことを
念頭に置くべきである。

小麦は、生産環境の悪化が明確となっているため、
調整局面での押し目買いが有効であろう。
地政学リスクと作柄悪化という二重の買い材料が揃っている状況下では、
短期的な下押しを恐れず強気スタンスを維持すべきだが、
紛争情勢の急展開による市場全体の流動性低下リスクには常に注意を払う必要がある。

農産物相場全体として、
地政学リスクに起因する原油価格のボラティリティが
最大の価格変動要因となっているため、
常にエネルギー市場のヘッドラインを監視し、
機動的にリスクオフのポジションを取れる柔軟な運用が求められる。

ココアは、欧州の需要減退がすでに相場に織り込まれており、
今年後半の回復見通しが支援材料となるため、
目先の調整局面は押し目買いの好機と捉えたい。
ただし、需要回復の足取りが重い場合は停滞が長引くため、
安易なロングポジションは避け、
欧州の圧砕データが改善の兆しを見せるまでは
小口でのエントリーに留めるのが賢明である。

コーヒーは、農家の販売手控えが需給を引き締める構造は継続しているため、
今回の下落は一時的なものと判断し、
押し目買いで対応する方針が有効である。
一方で、ブラジルの収穫が本格化して
供給量が増加するタイミングでは急落の可能性があるため、
天候リスクや収穫状況に関する最新情報を注視し、
リスク管理を徹底する必要がある。

砂糖は、原油価格と強い相関関係にあるため、
エネルギーセクターの動向を鏡として監視することが必須である。
生産コスト以下の安値圏ではエタノール需要が価格の
防波堤として機能するため、下値抵抗力は強い。
したがって、原油相場が上昇基調にある限りは強気姿勢を維持し、
生産コスト割れという需給の不均衡を利用した
中長期的な買い持ち戦略も検討に値しよう。

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