BLOG

投資に役立つ
伝えたいことが毎日ある。

  1. HOME
  2. ブログ
  3. ブログ
  4. フェイクニュースに騙されないために

フェイクニュースに騙されないために

こんばんは、矢口新です。

ロシアによるウクライナ侵攻の
3カ月後の2022年5月に行われ、
ロシア軍の工作によるものとされていた
ノルドストリーム液化天然ガスパイプラインの
破壊の真犯人が先週水曜日に、
ドイツ検察当局が発行した国際逮捕状に基づき、
潜伏先のイタリアで逮捕された。
パイプラインの破壊は、
ウクライナ軍の特殊部隊の高官が
率いる工作員らによるものだった。

バルト海から北海にかけて通る
ノルドストリーム・パイプラインは、
ロシアと西欧とを繋ぐエネルギー供給の大動脈で、
ロシアにとっては外貨獲得の、
西洋にとっては安価で安定した
エネルギー確保の極めて重要な手段だった。

そのために、
ロシアによるウクライナ侵攻後にも
天然ガス供給は他のルート通じたものも含めて続けられ、
ウクライナを通るルートにおいては、
ロシアはウクライナに通行料の支払いまで継続していた。
このことは、
ウクライナでさえ実利のない部分では、
米国のロシア制裁に従っていなかったことを示している。

そのため、
パイプラインの破壊がロシアによるものと報道された時、
私は「あり得ない」とどこかに書いた記憶がある。
どこに書いたかを自分のブログを検索していたら、
当時に書いた以下のブログを発見した。
パイプライン破壊については見つからなかったが、
ロシアによるウクライナ侵攻の事情が図解付きで、
今読んでみてもよく分かるので、
興味のある方々はご覧いただきたい。

参照:ロシアの苦戦と、戦争の壊滅的な拡大懸念(2022-05-30)
https://ameblo.jp/dealersweb-inc/entry-12745498234.html

米国の制裁はロシアと西欧を含む
西側諸国とを分断するものだったが、
西欧はエネルギーが必要だ。ロシアは外貨が必要だ。
そこで、西欧は主にインドを経由することで、
割高となってもロシア産の原油を購入してきた。
つまり、安価で安定したエネルギー供給を
約束するパイプラインの破壊は西欧と
ロシアに大きなダメージを与えるものなので、
ロシアはむしろ破壊を防ぎたい側だったのだ。

一方、パイプラインの破壊でメリットを受けるのは、
ウクライナと米国だ。
今でこそ、西欧はロシアと敵対しウクライナ側だが、
当時はそうでもなかった。
西欧にとってウクライナはロシアと
同じスラブ人の国で、
経済的にはロシアと付き合う方が
メリットが大きかったのだ。
だからこそ、ロシアが2014年にクリミアを奪還した時も、
その後のウクライナ東部諸州のロシア系住民と
ウクライナ系住民との内戦にロシアが
介入したことも黙認してきていた。

そうした状況下で
パイプライン破壊をロシアのせいにすることは、
ウクライナにとっては、
ロシアの非道を強調でき、
ロシアと西欧を経済的に分断できることに加え、
ウクライナ経由パイプラインの重要性を
高めることで通行料の値上げも見込めることになる。

米国にとっては、
近づきすぎていたロシアと西欧との分断、
ロシア制裁の正当性の強調、
世界一の生産量となっていた
米国産エネルギーの西側諸国への販売増だ。
これらはすべてその後実現している。

ここまでパイプライン破壊の
デメリットとメリットがはっきりとしているので、
西欧諸国による調査でさえ、
当初のロシア工作説が否定され、
ウクライナの工作だったことが明らかにされていた。

それにもかかわらず、
逮捕がこの時期まで遅れたのは、
今度はトランプ政権と西欧が分断しつつあるからではないか。
西欧自身が米国からの制裁的な関税攻めにあっているだけでなく、
ロシア原油を購入し西欧に
販売しているインドまで制裁することは、
割高な米原油への更なる依存を
高めることにもなるからではないか。
もはや事実を歪めてまで、
米国とウクライナだけを利する
工作にまで加担する必要がなくなったのだ。

一方で、インドが米国の制裁的な
関税に対して強気なのは、
ロシア、中国などBRICSの仲間だけでなく、
西欧からもサポートが期待できるからかもしれない。

バイデン政権によるロシア制裁は
BRICS加盟国を倍増させ米国の孤立化を促したが、
トランプ政権による聖域なき制裁的な関税は、
ジェノサイドが指摘されているイスラエル支持と相まって、
米国の孤立化を深化させている。
これで最も救われているのは、
米国と覇権を争っている中国かもしれない。

ロシアを仮想敵国とする
NATOの東方への拡大が、
ロシアの国境線ともいえるウクライナにまで達した時、
ロシアの「反撃」が始まった。
ウクライナをクーデターで
親米勢力とした米国はロシア制裁を世界に持ちかけた。

しかし、賛同したのは
日本や西欧などの米の同盟国に限られたため、
制裁はロシアだけでなく、
米と米同盟国たちの世界的な存在感を低下させた。
また、米同盟国らはロシアに対する(これまでは秘めていた?)
敵意をむき出しにしてしまったので、
ロシアと軍事的にも対立する可能性を高めることにも繋がった。

同朋国と戦っているロシアもまた、
旧同盟国らの支持を失いつつある。
ロシアが失ったものも大きい。
私見では、もはや日本や西欧は
ロシアと真の友好関係は築けない。

そこに米国で政権が変わり、
「Make America Great Again(MAGA)」の
スローガンのもと、トランプ政権は同盟国らに対しても
聖域なき制裁的な関税を適用することになった。
これは米国と付き合うことは非常に
「高くつく」ことを認識させられることにもなった。

孤立化を進める米国と付き合うことは、
今後さらに「高くつく」ことを
覚悟しなければならない事態となっている。
私見では、米中など覇権を競う国以外に、
より信頼できる国々との
友好関係を深めることが急務だとみている。

フェイクニュースとは何か? 
ロシアとウクライナは実際に戦闘を行っているだけでなく、
激しく情報戦を戦っている。
ロシアやウクライナを支援する同盟国らも同様に、
情報戦に加担している。
つまり、どの国の政府も旧日本の
大本営発表同様の発表を行っている。
これは公的なフェイクニュースだと言っていい。

メディアは自身で行った取材と共に、
そうした大本営発表同様のフェイクニュースも報道している。
このことは、自分自身で取材する能力のない
メディアはフェイクニュースでも
事実のように報道していることを示唆している。

政府の発表自体も変遷する。
トランプ政権になって、
保健福祉省長官はワクチン懐疑派の
ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏に変わった。
同氏は環境弁護士として活動し、
環境保護団体の創設などを経て、
現在は「Make America Healthy Again(MAHA)」の
スローガンのもと、ワクチン政策の見直し、
食品医薬品局の利益相反是正、
疾病対策センター助言委員の刷新、
ワクチンが原因とされる自閉症に関わる
データ分析政策などを進めている。

バイデン政権時代、
同氏の「アンチワクチン」発言は
フェイクニュースだとされていたが、
現在は米政府の正式見解だとなっている。

政府の見解は歴史の書き換えにも及ぶ。
勝者は敗者の歴史を否定し、
勝者の都合のいいように書き換える。
維新や革命、戦争の後にはほぼ決まって価値観が反転する。
その意味では、フェイクニュースを事実のように
広める最も大きな勢力は時の政府や覇権国だ。

こうしたフェイクニュースに騙されないためには、
より多くのフェイクニュースに
触れることだ。
ネットのフェイクニュースだけを排除すれば、
時の政府や覇権国の
フェイクニュースだけに染まることになる。

すべてのものには因果関係がある。
より多くのものに触れ、
多くのことを味わい体験し、
フェイクニュースだとされるているものでも、
自分の知識、体験などから判断する。
そして、自分の常識からして
辻褄の合わないものはフェイクかも知れないと疑ってみる。

そうしても自分に騙されるのは
もはや仕方がないが、
他人に簡単に騙されるのは癪ではないか?

  • コメント ( 1 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. Winston

    矢口先生、いつもありがとうございます!
    ご無沙汰しております。

    特にコロナ騒動以降のこの5~6年は、テレビ新聞のオールドメディアやYahooやMSNなども含む極左メディア、および政府・経済界・医療ビジネス、芸能人や有名人やホラ吹き専門家・・・等々その他多数、世界中多方面分野の極左グローバリストによるフェイク情報がひどいものですね。
    また、大物投資家や有名トレーダーにも極左支持やグローバリストが多いですね。エセ情報ばかり流して・・・やつらは旧USAIDあたりから報奨金でも貰ってるのでしょうかね?!笑

    反面、トランプやその陣営、イーロンマスクやロバートケネディJrなどが世界の闇を暴き出して、とても痛快ですね(日本はまだまだだいぶ周回遅れですが、少しずつ目覚める国民も・・・参政党の大躍進を見守ってます!)

    いろいろな情報を閲覧しておりますが、プーチンは信念がある人格者ですね。
    親日だし、まるで上杉謙信のような武将とかぶるように思えます。
    対してゼレンスキーは安っぽい芸人上がりの道化師ですからね・・・これはボケ老人バイデン含む西側の連中には使いやすい操り人形ですよねw

    今の時代、オールドメディアや極左グローバリストどもがフェイクだと伝えることこそ真実・事実ですね。
    やつらは事実をフェイクだとし、思考停止した人民を誘導したい方に向けようとする魂胆が見え見えですね。
    しかも国内ではフェイクを流している輩がSNS規制などしようと・・・

    まずは極左グローバリストが掲げるファクトチェックをファクトチェックしないとダメな世の中ですねw

CAPTCHA


主要指標

最近の記事