日本が世界に誇れる活躍
こんばんは、矢口新です。
「聞こえない」、「聞こえにくい」選手たちのオリンピック、
東京デフリンピックが26日に東京体育館で閉幕した。
今大会の競技種目は、陸上、バドミントン、
バスケットボール、ビーチバレーボール、ボウリング、
自転車競技(ロード、MTB)、サッカー、ゴルフ、
ハンドボール、柔道、空手、オリエンテーリング、
射撃、水泳、卓球、テコンドー、テニス、バレーボール、
レスリング(フリースタイル、グレコローマン)の21競技。
日本選手団は金16、銀12、銅23と計51個のメダルを獲得し、
ブラジルで開催された前回大会の30個を上回って史上最多となった。
日本選手の金メダルは以下の7競技で16個。
陸上、山田真樹選手(400m)、遠山莉生選手(ハンマー投)、湯上剛輝選手(円盤投)、佐々木琢磨選手、坂田翔悟選手、冨永幸佑選手、岡本隼選手(4×100mリレー)、足立祥史選手、村田悠祐選手、荒谷太智選手、山田真樹選手(4×400mリレー)。
バドミントン、矢ケ部紋可選手、矢ケ部真衣選手(女子ダブルス)、
沼倉昌明選手、太田歩選手、永石泰寛選手、森本悠生選手、
沼倉千紘選手、矢ケ部紋可選手、片山結愛選手、矢ケ部真衣選手(混合団体戦)
水泳:
茨隆太郎選手(200m自由形)、
茨隆太郎選手(200m個人メドレー)、
茨隆太郎選手(400m個人メドレー)
空手:
森健司選手(男子個人形)、森こころ選手(女子団体形)、
湯澤葵選手、金子陽音選手(女子団体形)、
小倉涼選手(女子個人組手61㎏級)。
テニス:
菰方里菜選手、鈴木梨子選手(女子ダブルス)。
バレーボール/女子。
バスケットボール/女子。
競泳男子で3個の金メダルを手にした茨隆太郎選手は
7種目で表彰台に上がった。通算獲得メダルは26個で、
これまでの日本勢最多、卓球男子の幾島政幸選手の
通算21個を超えた。
陸上の山田真樹選手は400メートルと
1600メートルリレーで2冠。
400メートルでは自身のデフ日本記録を更新した。
空手女子の個人組手61キロ級では小倉涼選手が2連覇を達成した。
また、バレーボール女子は2大会ぶりの頂点、
バスケットボール女子は前回覇者の米国に
1点差で競り勝って金メダルに輝いた。
銀メダルと銅メダルは競技名だけ紹介する。
選手名は下記の参照に挙げたメダリスト一覧からご覧いただきたい。
銀メダル:
バドミントン/男子ダブルス、
陸上/男子ハンマー投、男子200m、男子800m、
水泳/女子50m平泳ぎ、男子400m自由形、男子100mバタフライ、男子200mバタフライ、
テニス/女子ダブルス、
卓球/女子団体戦、
サッカー/男子、女子。
銅メダル:
柔道/女子52kg級、女子70kg級、男子73㎏級、
男子81㎏級、男子90㎏級、男子100㎏級、男子団体、
陸上/男子100m、男子ハンマー投、男子棒高跳、
卓球/女子ダブルス、
自転車/男子個人ロードレース、
レスリング/男子グレコローマン130kg、
テコンドー/女子プムセ、
空手/女子個人形、男子個人組手60㎏級、
水泳/女子100m平泳ぎ、女子200m平泳ぎ、
女子4×100mメドレーリレー、男子50m背泳ぎ、
男子4×100mメドレーリレー、
卓球/男子団体戦、
テニス/女子シングルス
参照:メダリスト一覧
世界経済が拡大する中、日本経済は1997年から基本的に成長を止め、
国際競争力が下げ続けていることを鑑みれば、
グローバル化は日本経済に恩恵よりも、
弊害の方が大きかったという見方ができる。
特に、この期間の地方経済の衰退を見れば、
グローバル化は何が何でも進めるべきものだとは到底思えない。
とはいえ、スポーツの分野ではグローバル化の
恩恵は大きいと見ていいかもしれない。
これまでにも、いくつかの競技では日本人の
スーパープレーヤーがいるにはいたが、
このところは野球やサッカー、ボクシング、女子ゴルフなどで、
多くの日本人プレーヤーたちが活躍している。
つまり、選手層の底上げが起きているのだ。
また、外国人指導者が日本人選手を強くしているケースも数多い。
外国人プレーヤーの受け入れ面では、先日、
大相撲で初のウクライナ出身の大関が誕生した。
新大関安青錦(あおにしき)は過去1年67勝23敗で、
すべて2桁の勝ち星と、安定感では横綱大の里に次ぐもの。
また、スピードと粘り強さを兼ね備えた低い体勢からの
真っ向勝負は玄人受けするものだ。初土俵から
所要14場所での大関昇進は年6場所制が定着した昭和33年以降、
大学出身などの幕下付け出しを除いて最速。現在21歳8カ月。
外国人力士の先駆者はハワイ、マウイ島出身の高見山だと思うが、
外国人力士たちの登場で、相撲は確かに面白くなった。
特にモンゴル人力士が増えてからは、
格闘技としての魅力が格段に高まった。
今の若い人たちは「注射相撲」という表現を
聞いたことがあるだろうか?
八百長取組の意味だ。注射相撲が横行していた頃は、
15日間の最終日千秋楽を7勝7敗で迎えた力士は
相当の確率で勝ち越していた。
この星勘定のやり取りに金銭が絡んでいたかどうかは知らないが、
白星の貸し借りは当たり前のように行われていた。
一種の関取互助会のようなものだったのだ。
当時の若乃花、貴乃花の若貴兄弟は注射相撲をしない
ガチンコ力士だったので、互助会でスタミナを維持できている
他の力士たちと、擦り切れるような真剣勝負を連日重ねる必要があった。
真剣勝負は格闘技としてもスポーツとしても当たり前のことなのに、
それでは怪我をする、選手寿命が縮まると心配する声すらあったのだ。
グローバル化で相撲は変わった。
真剣勝負が当たり前となったことで、
相撲の極意と言われる「押せば押せ」の
意味がよく分かる取組が増えてきた。
私は日本経済が絶頂期を迎える前後20年ほどのうち
半分の約10年を海外で過ごした。
世界の経済メディアの中心に日本が常にいた頃を知っているので、
今の存在感の薄れた日本を寂しく思っている。
また、故郷の地方都市も地方都市なりに
栄えていたのが嘘のような寂しさだ。
しかし、グローバル化で交流が増えた
スポーツ選手たちの活躍を見ていると、
グローバル化も悪くない。
日本人もまだまだ活躍していると思うことができる。
特に、デフリンピックように弱い部分を持つ選手たちが大活躍できるのは、
当人たちだけでなく、周りも誇っていいのではないかと感じている。
コロナ渦以降、安青錦の故郷ウクライナをはじめ、
世界の環境が悪化している中で、日本が世界に本当に
誇れる活躍ではないかと思っている。

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