トヨタの決算から見えたもの
「投資の学校」浅野敏郎
From自宅の寝室より
5月も上旬が経過しようとしていますが、
本邦企業の決算発表期を迎え、
投資家も交えて株式市場関係者は、
落ち着かない日々を過ごしていることと思います。
数日前となる平成30年5月9日、
日本を代表するグローバル企業のトヨタ自動車は、
29年4月から30年3月末の決算発表をしましたね。
しかも意表を突くかのように、ザラバ中に発表するなど、
内容とも相まって一時、急変動を伴いました。
ザラバ中の発表に関してあるネットニュースでは、
今回が初の試みだったとし、
説明会にはメディアのみならず、
機関投資家の出席を認めるなど、
新たな取り組みの一環だったようです。
で、発表された決算報告書ですが、
業績分析などに関して私は概ね無知であるので、
何とも言い難いところですが、
それでも気になった部分と言えば、
次期(30年4月以降分)社内の為替想定レートが、
対ドルは105.00円
対ユーロは130.00円
に設定されていたところです。
今日は株式情報に疎い私でも楽しめる企業決算について
あれこれ勝手に考えてみました。
読み物としてご一読願えると幸いです。
おはようございます。
今週も早や、金曜日がやって参りました。
GW中は夏日が続いたと思いきや、
明けると一転、特にここ数日は、
最高でも10度台中盤まで気温が下がり、
朝晩はエアコンを暖房に切り替えた…
なんていう方々も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
この寒さも今日以降は終わっていき、
再び最高気温が20度を越えるような陽気になるらしく、
一度しまったものの再度引っ張り出してきたカーディガンも、
今度こそは「秋までお休みなさい…」で大丈夫ですかね。
体調にはくれぐれもお気を付けください。
ドル円は105円が本年度の中心値??
さて、決算報告書にあった今期の社内想定レートについて、
特にドル円の105.00というのは私にとってサプライズでした。
一部のメディアでも推測されているように、
円安に想定したものが実際は円高になり円決算が下振れるよりも、
想定より円安で推移することを織り込むことで上振れがあり得る…
ような設定を意図的にした点は否めないでしょう。
あるいは努力目標的な側面も含んでいるのかも知れません。
ただ、3月の末日の東京市場15:00の終値を調べた限りでは、
ドル円が106.18円
ユーロ円が130.78円
でしたから、
期末時点で想定したレートだとするなら確かに、
今現在から見るよりも妥当性を感じます。
現在は5月11日のAM02:00を回った時点で、
ドル円は109.45円
ユーロ円は130.30円
前後であることを考えても、
やはりドル円の想定レートは、
どうしても円高を織り込んでいるような気がします。
自動車メーカーの域を超えている企業
確かにトヨタは自動車メーカーではありますが、
この度の決算書に見える自動車部門の売上高は26.4兆円と、
それだけでも単純に、
小規模な金融機関の取り扱い高に引けをとるものではない…
との想定は充分可能です。
増してや、小規模金融機関との大きな違いは、
トヨタは巨大なグローバル企業であることからも、
各地にいる社員は当然、
地元の景気を肌で感じ取っているわけですし、
その国の金融情勢にも詳しいハズですから、
向こう1年間の社内想定レートに、
まさか大期末の東京時間終値前後をそのまま採用した…
とするにはあまりに雑過ぎると思うのです。
逆にもしそれが事実であれば、
そんないい加減な社内レートではじかれた業績見通しなら、
信憑性も低くなり、株主の信頼は得にくくなるはずですから…。
だとすれば、
金融機関並みに発達した財務を持っている
グローバル企業が示した社内想定レートは、
ある程度の根拠に基づいている、と考える方が自然です。
もちろん、上半期が終わった時点で
社内想定レートは上方や下方に修正される場合もあり、
柔軟的であるのは確かですが、
ドルと円の金利差が更に拡大する可能性が高い中、
31年3月末決算見通しでは減収減益を見込むなど、
単純ではないにせよ、
少なくともトヨタの見通しは、
ドル円相場で大幅な円安は無い…
と断言しているようにも思えませんか?
もう一つ言うと、
ユーロのテーパリングも噂ほど現実的なものではない…
のかもしれませんね。
浅野敏郎
<<編集部よりおススメ>>
チャート分析と言うとどうしても、
どのインジケーターが使えるか?
何のサブチャートをどうアレンジすれば
最大の利益が得られるか?
などといった、聖杯探しに陥りがちです。
インジケーターだけでも、
基本的なもので数十種類以上あり、
独自の理論でアレンジされた個人的な変種を合わせると、
もはや無限に存在するような世の中になりました。
ところが、そもそものインジケーターが
何を意味しているのかも理解せず、
その組み合わせや数値を変えることしか、
頭にない傾向があるように思います。
そうなる前に是非一度、
チャート分析の基礎とは何なのか、
徹底してみることをおススメします。
そうすれば、例え移動平均線1つをとっても、
本当の応用の仕方が理解でき、
そこから派生した多くのインジケーターの理解も
強く深くなる、というものです。
まずは無駄な時間も多額なコストも使うことなく、
最高にシンプルな移動平均線の理解を深めて、
最短で安定した収益が狙える投資家を、
志してみてはいかがでしょうか?
急がば回れ!
正にこのためにあるような言葉です。
↓↓↓
詳細はこちらをご覧ください
◆◆◆投資の学校・LINE@登録募集中!◆◆◆
LINE@限定の特別なお知らせを配信しています。
ご登録はこちらからお願いします!!
↓
LINE@の詳細をチェックする
社内想定レート…トヨタさんのように業績がレートに左右される企業にとっては死活問題なんですね。
円高に見積もっていらっしゃるφ(..)メモメモ相当強気。。。
それとも海外の工場があるからそんなに影響ないさ…とでも?
「ドル円は105円が本年度の中心値??」
だったとしたら、円でもってる方がゆくゆくお得なのかしら( `ー´)ノ
とついつい現状に甘んじてしまいたくなる私が…
襁 さま、
コメントありがとうございます。
お答えしようと思ったのですが、
睡魔のせいで桁の扱いに自信がありません。
明日、編集という形で検算しながらお答え致します。
いずれにしても105円でやりくりする目標を立てた訳ですから、
110円で推移している現在、
今から手にする外貨は即、円転でもウハウハということになりますね。
あした、続きを追記致します。
浅野敏郎
襁 さま、
追記です。
本日現在、ユーロ円は130円台後半、
ドル円は110円台後半ですから、いまのところ明らかに想定レートの105円は、
円高を想定していたことになります。
詳細な事情はさすがに分かるわけもありませんが、
105円でも業績を残せるような努力をしよう!という意味もあるかと思いますが、
売上高を減収としている点、やはり何らかのリスクを織り込んでいる可能性は
否定できません。
中心レート=想定レートかは、何ともいえないですし、
105円以上での推移を予想している可能性はありそうです。
売上が20兆円として、1ドル100円なら全てがドルとして2000億ドル
為替が1円違うと、1円×2000億ドル=2000億円のギャップが生まれますね(驚愕)!
海外収益は全てではありませんし、内、ユーロの%がありますから、
2000億円は言いすぎだとしても、
この時点で100%予約を済ましてしまっても、充分な利益の上乗せになるかもですね。
ただ、ものをつくっている企業の為替手当ては、手仕舞いという行為はありません。
なので、極論を言えば、105円以上なら幾らで売っても、
全てが収益という形ですが、
我々がドルのショートポジションを持つ場合、
買戻しが前提ですから、企業のスタンスがこうだから、ショートでも安心・・・
という訳にはいきません、よね。
売りにせよ、買いにせよ、実需が強いのは、片道の売買字体が決済を意味しますから、
その後の相場には基本的に無関心でいられる点でしょうか。
ただ、言い換えれば これだけ大きなインパクトがあるわけですから、
雑に決めた想定レートでは無いという点、悩ましい展開ですね。
また、コメントをお待ちしております。
浅野