プロが知っている黄金の魔法
こんばんは。
浅野敏郎です。
あなたはニック先生のことは
ご存知でしょうか。
ニック先生は
元リーマンブラザーズに所属していた
正真正銘のプロディーラーです。
ニック先生の戦略の立て方は、
予め時間帯ごとの相場癖を
定点比較した分析レポートを元に、
現在の時間帯は、順張りと逆張りのどちらが有利か
という結果に従って、実際の値動きに即した判断をしながら
相場に取り組むというスタイルです。
実は以前にニック先生と相場について交わした、
テニスの例え話がツボにはまったので、
今日はその話について、私なりの考えをご紹介いたします。
そこで先ず、皆さんに問いたいことは、
あなたは、プロのトレーダーが勝てる秘訣について、
皆が知らない魔法のような術があると思いますか?
ところで、言うまでもなくテニスには、
フォアハンド、バックハンド、サービス
の3種類の基本的な動作がありますが、
それぞれの動作にもさらに、
トップスピン、スライス、フラット、ドロップ
などのボールさばきがありますね。
基本的な動作がある程度一通りできれば、
確かに試合をすることは可能ですが、
それだけで試合に勝てるほど、
相手も甘くはないでしょう。
実際の試合になれば、
ボールはこちらから打つばかりではなく、
相手から返ってくるわけですし、
その球種や場所はいつも同じではありません。
つまり、
ボールの早さ、回転、着地点などに加えて、
コートの所在地や時々の天候などを考えれば、
生涯でたった1球でも、
全てが全く同じ条件のボールを打つことは
恐らく一度もないでしょうね。
専門的なことは抜きにしても、
こうしたスポーツの話であれば
「そんなことは当たり前!」だと、
きっと誰もが理解するでしょう。
しかし、いざトレードのことになると、
突然のように多くの投資家は、
この時はこうなるといった
「1対1」の黄金パターンを探し始め、
それさえ見つかれば絶対に儲かるはずだ…
という思考回路になるのは本当に不思議です。
魔法のような術を、強いて言うなら…
特に、
相場を始めようとしている方や初心者の方は、
相場のことが良く分からないがために、
プロのトレーダーが儲けられるのは、
自分が知らない、必ず勝てる黄金の魔法がある
と考えてしまうのは仕方ないかもしれません。
しかし、
私のツボをついたニック先生の話を代弁しますと、
ハッキリ申し上げて、
「そういった黄金の魔法は相場に存在しない」
ということです。
ニック先生の戦略の立て方も、
分析レポートこそ参照しますがそれは、
試合の相手の癖や特徴を予め調べたデータ帳と
同じ意味合いであって、
いざ実際の相場と向き合った時、
そのデータが通用しない値動きであれば、
直ぐに取り組むのではなく、
様子を見ながらそのチャンスを我慢して待つ
ことが基本になっているわけです。
従ってもし、
プロのトレーダーが持っている魔法があるとするなら、
相場は常に変化していることを知っていて、
今はダメでも時間が経てばチャンスは必ず来る
という事実も知っているからこそ、
自信をもって待てる…というスキルになりそうです。
恐らく本当のプロが皆さんに教えられることとして、
初心者に対しては、
正しいストロークや球種の打ち方や、
本人に合ったスタイルを見つけてあげることだったり、
中級者に対しては、
間違った打ち方や無理があるフォームを、
直すためのアドバイスをすることが、
正しい形だと思います。
何故なら、
一度も同じボールは来ないハズなのに、
たった一つの売買ルールで
全てが片付くかのような教えには
そもそも無理がありますからね。
どんなボールが、どこへ飛んでくるのか、
それに対処しながらコートで戦うのは皆さんであり、
練習で得た「対応の引き出しが多い方」が、
勝者に近づくのだと思っています。
やってはいけないルールだけはしっかり守り、
変な売買ルールに頼ろうとするメンタルだけは、
そろそろ終わりにしたいですね。
浅野敏郎
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