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1+1=1 さて何のこと??

こんにちは、
投資の学校の浅野敏郎です。

算数の世界では「1+1=2」だけが正解で、
それ以外の回答は不正解です。

ここを曲げると何でもアリ…ということになり、
ありとあらゆる公式や定理が無になってしまいますね。

私たちが投資を行う際、
かなりの部分で頼りにしているのが、
チャート分析ですがその多くも、
原則は数学を用いた計算によって導かれるため
1+1=2というこの理論に則っています。

しかし金融相場にはもともと、
このような絶対的な答えがある訳ではなく

例えテクニカル指標が
買いを示していても相場は下がり
売りを示していても相場は上がる
ことは、既に皆さんも経験があるでしょうし、

利上げした通貨が売り込まれるといった矛盾?も
実際には珍しいことではありません。

実は、その典型ともいえる相場がつい先週末の
2022年11月10日から11日にかけて発生しました。

日本時間10日の夜に発表されたアメリカのCPI
いわゆる消費者物価指数が、
前回値や予想値を下回る結果となり

物価上昇を抑えるための利上げのペースが弱まる
との観測からドルが売られた

ということになっています。

この局面だけを切り取れば確かに一理ありますが、
急に利下げに転じたならまだしも、

利上げの幅が狭くなったとしても
基本的にあと数回は利上げをする可能性が高い中で、
米ドルと日本円の金利差はまだ拡大中だと言えます。

それなのに
ペースが弱まるかもしれないという思惑だけで、
ドル円相場が146円から先週末安値の138円台まで
ドルが売られるというのは、
何か他に理由があると考えた方が無難です。

もちろん、本当の答えは仕掛けた者のみぞ知る…
ということになりますが恐らく、

政府介入以降の揉み合いでも
ドルの買い持ちが積み上がっていたところ

145.00という以前の神田シーリングから
神田ボトムとされていた水準が決壊した
ことも一因となって
ドルの買い持ちポジションの投げが入った上に、

介入前の上昇相場で積み上がった
買い持ちのストップロスが次々と引っ掛かり
このような事態になった
というのが、おおよその実体でしょう。

つまり今の日本の状況は
・エネルギー価格の高止まり
・貿易収支の大幅赤字
・日米金利差の拡大傾向
といった円安条件は一切変わっていないにも関わらず、

それらを根拠に上昇(ドル買い円売り)していた相場が、
一気に急落に転じたわけで、

このことこそ、
正に今回は米CPIがきっかけとなって
1+1+1=3が1+1+1=1にもなった瞬間でした。

加えて11日金曜日のアメリカ10年債利回りは
下げ止まったままだったにも関わらず

当日の戻り高値から見れば
更に4円以上もドル売りが進んだ事実を踏まえると
もはや計算や理論上の「正解」は機能していませんでした。

では、こうした局面ではどう考えれば良かったか?
というとですが、

どうか、こうしたファンダメンタル的な見方を忌み嫌い、
果ては投資自体を全面的に否定する…
ことだけは、どうか止めておいて欲しいのです。

そのうえで、1+1+1=3という正解は
これはこれで一つの「理想形」として
自分の中に持っていても問題はありません。

重要なのは、
「そうならないということは…」といったような
もう一歩先の展開を想定する力を
身に付けると良いのかもしれない、ということです。

手っ取り早い対処としては確かに
ロスカットを必ず設定することで可能になりますが、
何も考えずに機械的にロスカットを置いていると
本当の思考力はなかなかつきにくいでしょう。

よく言われるように「経験値を積み重ねる」
という本当の意味は
この一歩先の展開を想定する力を養うことに
他ならないと思っており、

いわゆる「ダマシ」といって
諦めるしかなかった相場に対しても
ある程度は対処できると確信している次第です。

浅野敏郎

P.S.
例えば11月11日のドル円安値である138.46円水準以下
138円台は一旦下げ止まる可能性は十分あります。
この先の下値には、目ぼしいサポートが重なり始めるため、
新たに売り崩すには別の材料が必要と考えるのが
現時点での「理想形」です。

一方もし割り込んだ場合は、そうならなかったことになり、
ということは、売る事情がまだ相当残っている
と考えるのが妥当です。

再びドル高相場に乗り込むためには、
先ずは底打ちを待つことが今は一番重要なことでしょう。
今回の投稿がご理解いただければ幸いです

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