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金融所得課税の強化は必要か?

岸田文雄首相は就任7日目、肝煎りと思われた金融所得課税の強化をあっさり「当面考えない」と軌道修正した。自民党総裁選では格差是正につなげる分配政策の財源と位置づけ、就任会見でも「選択肢の一つ」としていた割にあっけない幕引き。朝令暮改に追い込まれた一因には、急速に多様化が進む「今どき投資家」への理解の欠如がある。「『株をやる』のは金持ち」といった旧態依然とした認識では、膨らむ将来不安に立ち向かうため投資を武器に活路を切り開こうとしている新しい投資家層の息吹を殺してしまいかねない。

参照:金融所得課税が見逃した胎動 投資家=金持ちの短絡

財務省トップが政治家のバラマキ政策論を批判するほど、政治家たちは痛んだ経済を何とかテコ入れしようと、それぞれに持論を展開している。

一方で、誰もがこのままの財政では続かないとの認識から、財源の確保を考えている。ほとんどの野党が経済刺激策として消費税の減税を掲げて(立憲民主党「時限的に消費税5%」、共産党「消費税5%」、日本維新の会「2年を目安に消費税5%」、国民民主党「経済が回復するまで消費税5%」、れいわ新選組「最大3カ月のステイホーム期間中消費税ゼロ」、社民党「3年間消費税ゼロ」)いる一方で、財政を考慮すれば、消費税撤廃まで掲げるところはないようだ。

つまり、消費税が景気を悪化させることは共通の認識なのだが、社会保障費を含む財源を考えると、撤廃という選択肢はないと言うことだ。

ところが、データを見る限り、消費税の導入こそが、景気悪化はもちろんのことを、財政まで悪化させたのだ。

「1988年度の税収は50.8兆円で、税収に消費税が加わった1989年度から2019年度までの31年間の平均税収は50.7兆円」だった。このことは、消費税以外の税収が減ったために、総税収も減ったことを意味している。

また、「2020年度の税収が60.8兆円で、うち21兆円が消費税収」なので、2020年度の消費税抜きの税収は40兆円足らずで、1988年度よりも2割り以上も少ないということなのだ。

この辺りの解説は、データを示したいので拙著に譲る。電子本の買取りなら500円、読み放題プランなら「Kindle Unlimitedは、Amazonが提供する、サブスクリプション(月額課金制)の本読み放題サービスです。 対象の本が月額980円で、いつでもどこでも読み放題になります。 Kindle端末だけでなく、iPhoneやAndroid端末、パソコンから読むことができます」で、同書を読むことができる。

参照:日本が幸せになれるシステム・65のグラフデータで学ぶ、年金・医療制度の守り方(著者:矢口 新、Kindle Edition)

さて、拙著でも解説しているが、日本は税収がまったく足りない。とはいえ、「金融所得課税の強化」のように、投資に活路を見出そうと、頑張っている人たちを追い詰めるのは間違いだ。

例えば、「8月の現金給与総額は前年比0.7%増の27万4987円だった。7月の修正値0.6%増から加速した。正規労働者が1.4%増の35万6287円だった一方、パートタイム労働者は1.7%減の9万5912円と差がみられた。所定内給与が0.2%増の24万4437円、所定外給与は6.5%増の1万7784円と、11.6%増から減速した。」

また、「国民年金の年金保険料を40年間全額納付した場合の、65歳からもらえる老齢基礎年金は、2021年度時点で年額78万0900円、月額にすると約6万5000円です。しかし、未納期間があるためにこの全額を受け取れない高齢者が既に半数いて、現在64歳以下のその予備軍がコロナ以降に急増中です。」

これらは非正規雇用が全雇用の4割以上を占め、高齢者世帯の51.1%が公的年金収入だけで生活していることを鑑みれば、身近なことなのだ。

その人たちが、例えば100万円を元手に、年間100%のリターンで100万円の金融所得がある時、20%の課税では飽き足らずに、増税するというのは間違いだ。何故なら、手取り80万円が、25%の課税で75万円になるだけでも、追い詰められる人々が大勢いるからだ。

高所得者は増税されても追い詰められないのだから、もっと単純に全所得に累進課税すればいい。1988年度までの税制では、日本経済は十分に成長できていたので、素晴らしい前例とできるはずだ。

それでは本日の出来高急増銘柄です。

<講師プロフィール>

矢口新(やぐち あらた)

1954年生まれ。
金融業界の第一線で30年以上にわたり活躍し続け、
プロディーラーにも師と仰がれる天才ディーラー。

東京・ニューヨーク、ロンドンと世界3大金融市場で活躍し、
さらには為替、債券、株のすべてに関わるという
非常に稀有なキャリアを持つ。

相場を動かすプロの裏の裏まで知り尽くしており、
投資を真剣に学びたいという意欲ある方々との交流にも熱心。

■ 本日の出来高急増銘柄

※上昇銘柄の推奨などではありません。

※投資の学校の全講師の手法に使える、
 銘柄選びの考え方です。

なぜ、
出来高急増銘柄が注目なのか、その理由と、
本銘柄を抽出した根拠はこちら。
https://youtu.be/xAVWjxMIq4c

売買の際には、ご自身でチャート分析、
ファンダメンタルズ分析を行っていただき、
売買をする際には自己責任にてお願いします。

【1】ベイカレントコンサルティング(6532)
株価(終値):41,900
日付:10月18日
売買代金(千円):46,679,280

【2】キヤノン(7751)
株価(終値):2,840
日付:10月18日
売買代金(千円):17,106,880

【3】マネーフォワード(3994)
株価(終値):7,190
日付:10月18日
売買代金(千円):12,683,280

【4】マツキヨココカラ&カンパニー(3088)
株価(終値):5,280
日付:10月18日
売買代金(千円):8,882,576

【5】川崎重工業(7012)
株価(終値):-
日付:10月18日
売買代金(千円):-

*ランキングは売買代金の
 総額に基づく順位を示したものです。

*この銘柄一覧は、
 特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

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