Mr. Friday
こんばんは、
水上紀行です。
翌週初の相場展開を自分に有利に持っていくことを意図して、
金曜の引け値を作ろうと投機筋がニューヨーク時間の午後4時台、
特にニューヨーククローズ直前の午後4時台後半に、
直接銀行に大口のプライスを聞いてきて、プライスを叩いてきました。
その注文に対して毎回プライスを出す同僚の台湾系アメリカ人ディーラーが、
そのお客さんのことを、「Mr. Friday(ミスター フライデー)」と呼んでいました。
よくあの時間帯に、
嫌な顔もせずにプライスを出してくれたものです。
私達のチームは、実にニューヨークらしく、
”Melting Pot”(人種のるつぼ)で、WASP(※ワスプ)、アイルランド系、
ドイツ系、ルーマニア系、ユダヤ系、ベネズエラ系、中国本土系、香港系、
台湾系、韓国系のアメリカ人達と日本人で構成されていました。
WASPのやつは、海軍一家の出で、親戚から、
「おまえ、(為替ディーラーなんてわけの分からないものやっていて)大丈夫か?」
とよく聞かれると言っていました。
彼の曾お爺さんは、ペリー提督とともに日本に来航したそうで、
実家には江戸幕府から曾お爺さんに送られた品が家宝としてあるそうでした。
この話を聞いて、
とんだところで日本史に触れたもんだと思いました。
どれも懐かしい思い出です。
(※)WASP(ワスプ):ホワイト(W)、アングロ(A)・サクソン(S)、プロテスタント(P)の略で、英国系白人で宗教はプロテスタントという米国の保守本流エリート層を呼びます。
水上紀行
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