最近気になったチャート
こんにちは!戸松信博です!
今年は私、金や銀にとっても注目しています!
金価格は金利が付かないため、
金利が上昇すると魅力薄れて下がると言われます。
実は金価格が連動するのは名目上の金利でなく、
物価を調整した後の「実質金利」となります。
従って金利が上昇しても、
それ以上に物価が上昇すれば実質金利は下がり、
金価格は相対的に魅力高まって上昇しやすくなります。
物価がないも同然だった時代にはあまり意識されませんでしたが、
これからは物価調整後という概念が重要になります。
最近気になったチャートがこちらです。
上は実質金利を表す米物価連動債の30年物の利回りと金価格(ETFで代用)を比べたものです。10年物より30年国債の方が金との連動性は高くなります。18年終盤からの超低金利と低い物価環境によって、実質金利はマイナス圏にまで低下していきました。これによって金価格は過去最高値を更新して大幅上昇しました。
21年の実質金利は上げたり下げたりでしたが、超金融緩和のピーク時でそれ以上に下がらなくなり、金価格は調整気味に横ばいとなりました。
そして22年初めにウクライナ侵攻が起き、この時は金利でなく有事の金として反応して急騰しましたが、春ごろから本格的な調整に入りました。FRBが利上げに入り、しかも急速利上げによって一気に実質金利がプラス転換したからです。しかし良く調べると、実質金利がこれほど大きく上昇した割に、金価格の下げは限定的でした。本来ならもっと下がらなければならないところを、実質金利に対して割高ともいえる水準で踏みとどまっていたのです。
なお現在物価連動債利回りは1.50%を少し上回るところですが、これは今現在の高いインフレ率でなく、30年間に想定される平均的な物価上昇率を1.5%程度上回る金利になっているということです。
現在米国の利上げペースが緩んでいますが、物価も緩やかに伸び鈍化し、実質金利はこれ以上上がらなくなりました。勿論今後どれくらい利上げするか、インフレは落ち着くかどうかの2つの要因によって実質金利は変わっていきますが、金価格はこれ以上の実質金利上昇はないとみて上がり始めている様子です。
昨年はエネルギーや銅、食品価格など実需品の物価上昇が話題となりましたが、投資品である金の価格は上がりませんでした。このあと物価・金利が高止まりするなら、徐々に金に買いが集まる可能性があると考えます。
戸松先生、有益な情報提供ありがとうございます。
先日、SAXOBKを視聴させて頂きました。
米国10年債の『実質利回り』を確認するのですね。
本日は金ETFが大幅に下落してますが、もっと下げたところで、さらに買い増しできたらと思います。