消費増税よりも恐い、社会保険料の引き上げ
日本の人口は2008年の1億2808万人でピークをつけた。
その後は減少が続いており、2050年代には1億人を割り込み、
2100年までに5000万人台となると予測されている。
人口減少の大きな要因は出生率の低下で、合計特殊出生率は1970年代半ば以降、
人口維持に必要な2.1を下回り続けている。
結婚した夫婦が持つ子供の数は、
2010年以降2人を割り込んで減少傾向にある。
そこで、政府は少子化対策に取り組んでいるが、
日本政府は膨大な財政赤字を計上しているので、
年間5兆円弱(総税収の7%以上)とも試算される財源をどうするかで紛糾している。
また、政府が赤字を続けている結果、公的債務残高は1200兆円を超え、
GDP比では263%と世界で突出した借金を抱えることになった。
ここで少子化が進めば、国民1人当たりの国の借金が急増していくことになる。
ちなみに残高では世界一の米政府の公的債務残高は31兆ドルを突破しているが、
GDP比では128%と日本の半分もない。
米国の公的債務がGDP比100%を超えたのは2012年だが、
日本の公的債務は経済成長が止まった1997年に100%を超え、以降は増え続けてきた。
私は経済減速、それに伴う税収減を1989年度からの税制改革に見ているが、1997年度の消費税率5%への引き上げからはマイナス成長となり、税収も消費増税なのに急減した。そのため、社会保障費の財源にも不足するようになり、社会保険料の引き上げ、年金給付などのサービス低下が続いてきた。
参照:日本が幸せになれるシステム・65のグラフデータで学ぶ、年金・医療制度の守り方(著者:矢口 新、ペーパーバック版)
参照:日本が幸せになれるシステム問題集・日本経済の病巣を明らかにするための57問(著者:矢口 新、Kindle Edition)
岸田政権は少子化対策の財源として社会保険料を充てることを検討していると報道された。買い物の度に負担増を感じる消費増税に比べ、給与から天引きされる保険料の引き上げは負担増を感じにくいために、国民の反発が小さいとの思惑があるようだ。
また、医療保険などの社会保険でまかなうのは、出生率が上向き、保険料を支払う人が増えれば、社会保障制度の持続性が高まり、被保険者のためにもなるとの論理だと言われている。しかし、これは社会保険料負担が景気減速や少子化に繋がってきた過去を鑑みれば、根拠のない倒錯した論理だと言わざるを得ない。
社会保険料の多くは現在、子育て世帯を含めた現役世代が納めている。子育て関連の給付としてある程度は戻ってくるとはいえ、一気に負担が増せば影響は大きく、子育て以前の婚姻率低下の要因にもなり得るのだ。
過去において、消費増税は例外なくその後の景気後退に繋がってきた。しかし、「買い物の度に負担増を感じる消費増税に比べ、給与から天引きされる保険料の引き上げ」は、消費増税以上に経済成長に悪影響を与える可能性がある。何故なら、社会保険料の負担は、日々の消費以上に選択肢がないからだ。
社会保険料の引き上げは、可処分所得減少による消費低迷、景気減速に加え、増加中と言われる社保倒産を加速させる可能性がある。それによって社会保障制度を支える世代が弱体化し、支えられる側が増加する懸念がある。結果的に、少子化がさらに加速するという、過去数十年と同じ轍を踏む可能性が高まることになるのだ。
社会保険料の値上げは、しかたないのかなと思います。
高齢となり、年金を頂戴している身としましては、家さえあれば年金と合わせて生活に困るという事もありません。
お友達と時々話します。
若い方のお蔭で、生活できている。若い方は子供を育てたりお勤めをし乍ら、お金がいくらあっても足りないが、我々の為に
保険料を払ってくれている。
頭が下がるわねと。
消費税に関しては、始まった時、コンビを経営しておりました。
これには、言いたい事ばかりです。
お役人たちがどこまで理解してやっているのか腹立たしい限りです。
やはり未来に子供の声が聞こえない。
この事を解決しなければ先には進めない。
そう思います。
国は税金で成り立っている。と思っている人がどの位いるのでしょうか。
稼いで払わなければとはおもいます。