相場といえど、今ばかり見ていると危険です!
「投資の学校」浅野敏郎
From 自宅の寝室より
配信が遅くなりました、お詫び申し上げます。
さて、私が小学3年生の夏、父の仕事の関係で
実は広島県から北海道へと転居した経験があります。
本州では、どんどん蒸気機関車が姿を消す中、
北海道はまだまだ普通に活躍していて、
それだけでも魔法の国へ来たかのように、
毎日が興奮ものだったことを覚えています。
中でも、二重連結や三重連結の列車に出くわすと、
興奮は最高潮でしたね。
そのほか一風変わったけん引方法として、
何故か後ろ向きだったり、
わざわざ列車の最後尾から押している場合もあり、
不思議に思った記憶があります。
こうした機関車の走らせ方には、
きっと何か意味があるのでしょうが、
列車を進める限りでは特に問題ないかもしれません。
チャート分析においても、
相場が一方的に上昇や下落を継続している場合、
わざわざ分析手法を持ち出して、
相場の方向性を分析する必要はありませんが、
相場が少しでも反転したり、
揉み合い始めるとついつい不安になり、
チャート分析を持ち出しては、
こうなったから上昇だ、ああなったから下落だ、
などと言い始めたりします。
チャート分析の多くは本来、
「相場が上昇している場合はこうなる」というように
相場の状態を示しているに過ぎないのですが、
相場初心者の多くは、
「分析がこうなっているから上昇相場だ」という
大きな勘違いから売買行動に踏み出すことが
少なくありません。
実はチャート分析においては、
機関車が先頭で引っ張っているのか、
最後尾から押しているのかで、
意味が大きく異なる場合がありますから
注意が必要です。
おはようございます。
今週も早や金曜日がやって参りました。
十何日間という歴史的連騰で沸いた日経平均株価でしたが、
先週の木曜に反落してから、5日続落となりました。
それも昨日は大きく反発し一旦は下げ止まって見えますが
時間的に考えると、十何日連騰した相場は、
その時間分は下げ圧力がかかりやすくなりますから、
少なくとも暫くは、乱高下する可能性を
想定しておくべきかもしれません。
移動線の宿命を利用して次の動きを想定しよう
今日は前書きが長くなりましたので、
簡潔に結論を書きましょう。
移動平均線に代表される移動線とは、
ある期間の値動きを何らかの数値で示してつなげた線で、
その期間の平均値をつなげたのが移動平均線です。
20日間をある期間とすれば、
今日の数値を含めて過去20日間の平均値が
今日の移動平均値になりますが、
明日になれば一番古い数値は20日間の対象から外れ
その代わりに明日の数値が平均する対象に加わります。
同様に一目均衡表の転換線や基準線も
9日間の半値と、26日間の半値をつなげた移動線ですが、
一目均衡表のこうした半値移動線は、
対象期間の高値と安値を更新しない限りは水平となり、
更新した際にはそちらの方向へ必ず動きます。
したがって
終値が決まるまで再計算ができない移動平均線に比べて、
線が動くか動かないかを簡単に判断できます。
半値移動線も、
高値と安値の対象期間が決まっていますから
例えば今日の転換線に使う、
今日から過去9日目の高値安値は、
明日になれば対象外です。
そう考えると、
9日前の値動きが大幅に上昇していた場合、
この日の低い安値は明日になれば転換線の対象外となり、
あした高値を更新しなくても、
転換線は大きく上昇してくることは誰でも判りますね。
もしこの状態の相場が本当に上昇相場であれば、
こうして急上昇する転換線から離れようと、
明日は上昇する可能性がある…という考え方ができます。
つまり、
移動線は必ず、対象から外れるデータがありますから、
大きく影響が出るタイミングを予め想定できる
メリットがあるわけですね。
もちろん、
同じ考え方を移動平均線に当てはめることも
十分可能ですが、
特に乱高下するような相場では、
平均値が定まりにくいことを考えれば、
半値移動線である一目均衡表の方が数段、
判断しやすい側面はあるように思います。
いずれにしても移動線は、
今日の値動きで変化する場合と、
対象期間から外れるデータの影響で変化する場合がある
というポイントを理解するだけで見方が大きく変わり、
タイミングの取り方も変わってくるはずです。
移動線を列車に例えれば、
同じ進んでいる列車でも、
機関車が先頭で引っ張っている場合と、
最後尾から押している場合の2通りがあり、
移動線にダマされないためには、両方を見ておく必要がある
ということでした、是非ご参考ください。
浅野敏郎
<編集部のおすすめ>
移動平均線は究めた
ボリンジャーバンドもマスターした
RSIとは何なのか
MACDの売買シグナルも読めている
なのにどうして収益が思うように上がらないのか?
それは、こうしたテクニカル分析のほとんどが
値動きの結果から導かれるので、
結局は、値動きの後を追っていることと同じ
になってしまうからです。
ではどうすればよいのか??
一通りのテクニカルをマスターした経験者にこそ、
是非触れていただきたい相場の見方が
ここにまだ残されています。
それは、
相場参加者として背負った宿命こそが
相場変動を作っているという、
当然であるにも関わらず、
これまで発想もしなかった相場理論であり、
実は一般投資家が一番有利な立場にあることを
教えてくれています。
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(?_?)後ろから押す機関車があるとは‼
初めて知りました。
最近、終値に惑わされ続けている私には大いなるヒントでございます(‘◇’)ゞ
一目で素振りしてみようかしら。。。
乾坤一擲さま、こんにちは!
引っ張るだけで十分な速度が得られるのであれば、
後押しは不要ですが、
先頭から牽引するだけではパワーが足りない場合など
急なのぼり坂がある局面で、
補助的に加勢することが多いようですね。
まさに相場と同じで、自分で上がりきれない場合、
安値や低い終値が切りあがることで、
相場が後ろから押される可能性がある、ということです。
相場の場合、物理的な力が加わるわけではありませんが、
こうした観点でチャートを見てみると、
予測という準備ができる場合が、多々あるように思います。
ぜひ、ご参考ください。