10年前の後悔、それは…
「投資の学校」 浅野 敏郎
From オフィスの撮影スタジオより
今年のプロ野球は、
広島カープの25年ぶりセリーグ優勝が目前ですね!
昨日の試合では決められませんでしたが、
マジックを1に減らし、
カープファンにとっては、
ソワソワ・ドキドキする毎日が暫く続きそうです。
おはようございます。
今週も金曜日がやって参りました。
広島カープは25年前に
優勝という素晴らしい経験をしましたが、
10年ほど前の私は、
今でも後悔するような、苦い経験をしました。
それは…、
FX取引を希望していた、ある投資初心者を、
見放してしまったという事実です。
金利差が収益になるという甘い罠
当時の私は、小さなFX会社で営業する傍ら、
対面での投資相談という業務も行っていました。
そんなある日、私と同じ年頃のご婦人の来社を受け、
相談に応じた記憶が今も鮮明に残っています。
彼女は母子家庭の母親で、
ご子息が大学への進学を希望しており、
たまたま入った数千万円の遺産を
FXのドル円取引に投資して
生活費をねん出したいのだが…
といった相談内容でした。
データ出処:FedPrimeRate.com
添付のグラフからもわかるように、
実は当時のドル金利は、2003年に最低を付けて以降、
数年間は金利が急上昇に転じた時期でした。
FX取引には特有の副産物があり、
通貨ペアという2種類の通貨のうち
より高金利通貨を買うことで、
低金利通貨との金利差で得られる事業者収益を
投資家に還元する「スワップ金利」という仕組みがあります。
今でも、スワップ金利を狙って
豪ドル円やトルコリラ円、南ランド円などの取引が
一部の投資家に人気がありますが、
既に低金利政策に入っていた当時の日本円には
金利がほとんどなかった一方で、
ドル金利がこれだけ急上昇し、
金利差だけで一時、5%に近い時期もありましたから
ドル円取引が、スワップ金利目的になっていた当時の風潮も
仕方なかったかもしれません。
このような状況で、
相場が下落した際の差損リスクを説明しても、
受け入れられにくい話だったのは、
彼女に限ったことではありませんが、
投資資金の全額を取引してスワップ金利を得たいとする
あまりにも、かたくなな彼女を、
自社のお客様として迎え入れることが
当時の私にはできませんでした。
結果的にそのご婦人は、
違う会社に向かって去って行かれましたが、
私の行動は結局、危なっかしいその方を、
突き放してしまったことになります。
その後の相場を見れば、
2011年には75円台を付けるなど、
ドル買い取引が絶望的な状況になったことは
誰もが知っている事実です。
今考えれば、あえて自社に迎え入れ、
理解していただくまで説明すべきだった…
と後悔しています。
相場取引の基本は価格差狙いであるべき
取引の目的が、
スワップ狙いであろうが
相場が上がると考えた取引であろうが、
当時高金利だったドルを買う取引を見る限り、
違いはありません。
しかし、金利差が主な目的だった場合、
相場が下落した際の判断は、
値動きを狙った場合より、
明らかに遅れてしまうでしょう。
なぜなら、
ドルを売り払ってしまった時点で
金利差を受け取れなくなるからです。
ただ、2016年の現在は幸か不幸か、
ドルと円の金利差はほとんどなく、
取引する方向に思惑が入り込む余地(バイアス)はありません。
昨今の相場が方向感なく、
ちょっとしたニュースで乱高下しやすいのも、
もしかするとここに原因があるかもしれませんが、
売買に対して、中立でいられる取引感覚は、
例え金利差がある程度あったとしても
とても重要な感覚ですから、
どうか忘れないようにしていただきたいと思います。
浅野敏郎
P.S.
これまで、相場先生の無料講座のご紹介を幾度か致しましたが、
2日前の9月7日に、待望の3時間目が公開されました。
相場先生は、
さすがに株職人と言われるだけあって、
実体験がベースにある分、
売買に対する考え方が非常に納得しやすく、
私も感銘を受けています。
また、1時間目から一貫した相場先生のメッセージである
「一回の売買で勝ちにいかない」という考え方は、
私も大いに賛同します。
今年の広島カープのように、
いつか来る大きなチャンスをつかむためには、
とにかく大きな損失は避け、
生き延びることが先決ですが、
一回の売買で勝ちにいこうとすると、
どうしても大きな取引額になりがちで、
それが大損失の元になりかねません。
では、「一回の売買で勝ちにいかない」とは
具体的にどういうことなのか…。
今なら公開済の1時間目から3時間目まで
一気に視聴できる機会でもありますが、
公開期間には期限があります。
この週末は期限内になりますから、
是非一度、初めからご覧になることをお勧めします。
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浅野先生の25年程前のご記憶のコメントを拝読して、そのご婦人をその時点では、誰も救えなかったと考えます。そのご婦人の状況を正確に把握しておりませんが、似た様なケースは相当数存在すると考えます。例えば、相続が典型的なケースであり、代が変われば国に15~20%程度の税金を納めなければなりません。土地等の不動産がメインであれば、当該の不動産を継続して保有することは困難です。兄弟等他に相続人が存在すれば価値の分割も避けられず、余程の現金を別に持っていなければ、引き継いだ資産を一度現金化してその上で、振り分けを行わなければなりません。このご婦人の場合を考えると、お金の出何所は保険金か相続であり、ご子息の大学入学から結婚等の支出(成人する息子を親が面倒を見るべきかの議論はありますが、)ご自身の老後の備えも考えると、数千万との大きな金額であろうとも少々不安に感じるのが人間の性だと思います。尚、重複した推定ではありますが、ご婦人の挙動を推察するに、この手にした資産は自分で稼いだお金とはお見受けできません。自力で稼いだお金でないが故に、有効的な使い方の判断さえ謝るケースが多いと考えます。不確かな思い込みに瞑想もします。残念ながら、欲に絆され迷走する人間を誰も救う事など不可能であり、唯一の脱却は自覚しかなかったと考えます。彼女は、新しく舞い込んだ状況に、地に着いた思考で開眼出来なかった。他人が、気を病む事は、思い上がりであると私は考えます。
ズメさま、
先生などとは滅相もございません。
ご丁寧なコメント、
叱咤激励ととらせていただきました、
ありがとうございます。
私はかのご家庭が今、
どんな形であれ、
幸せに過ごされていればそれでよいです。
そう考えると、
金利があった時代は、
リスクなくプラスアルファ
が返ってくるという、
ある意味それだけで
幸せな時期だったのでしょうね。
それが、今は
低金利を通り越して、マイナス金利の時代。
当学校の矢口先生が強調されているように、
これは個人資産の国家による浸食ですし、
公的資金が一般企業の大株主になるなど
私企業が国有化される事態になろうとは
想像もしませんでした。
個人的には株式市場が硬直する心配をしています。
いろいろな意味で、
私たちは試されているのでしょうが、
奇をてらった政策の
実験台にだけはなりたくないものですね。
思い出しました・・・
某航空会社J社の株が100円を僅かに切った時、絶対に潰れるハズはない!と思い現金100万の束を近くの証券会社に持って行き、応対してくれた年配の担当者にJ社株の購入をお願いしたことがありました。
その担当者さん曰く、買うのは止めときなさい!。で、購入は諦め100万は引き出した銀行でもう一度預け直しました。
その後のJ社株が紙くずになったのを、講師のブログで鮮明に思い出しました!
“お金が絡む世界で、絶対!と云うことは存在しない”
気持ちを新たに取引に参加したいと思います。
ワイオーさま、
J社の件、良いご担当者に巡り合いましたね。
その後、同じ社名で復活し、
何もなかったように営業しているというのも、
被害者にとっては、キツネにつままれたような
お気持ちでしょう。
株取引はこういうことも事実としてありますから、
リスクとしていつも、織り込む必要がありますね。
ただ、株の場合は、こうしたジャンクを拾って
万が一に掛ける手法もあるらしく、
投資という観点から離れて、
例えば初めから紙になることを前提に、
宝くじを買うつもりであれば、
それもありかなと個人的には思いますが…。
個人の金融資産、どうぞ大切になさってください。
こんにちは。
毎度お世話様になります。
よんで学ぶ事が楽しいですね。
つきましては、スワップ取引について
もっと詳しいテキスト等とか別の資料が
ありますならばおしえていただけませんか。
これからも宜しくお願い申し上げます。
ごくろうさまでした。ありがとうございます。
敬 句
ボクショウキチ
ボクショウキチさま、
コメントをありがとうございました。
私のブログでも、
何かを学んでいただけるということは、
大変うれしく思います。
スワップ取引ですか…
私も詳しい資料はあまり存じ上げません。
スワップ取引にはいろいろありますが、
FX取引のスワップは、
いわゆる、フォワード取引の一種類で、
トムネと呼ばれるものです。
明日の理論値で取引し、
既に決まっている明後日の理論値で、
必ず同じ相手と
反対売買をするという決まりの取引です。
(抽象的で恐縮です)
スワップの語源は、
同じ相手と同じ通貨と対価を
一時的に交換する
ところが由来でしょうね。
スワップは取引が成立した時点で、
全ての取引レートが予め決まるという、
特徴があります。
FXもそうですが為替取引では、
買い取引は買った通貨を貸している
売り取引は売った通貨を借りている
と考えると金利イメージが
つきやすいかもしれません。
詳細はまたいつか機会があれば。
それまでに私ももう一度、勉強しておきます。