値動きを観察し、値動きに反応せよ
From:矢口 新
昨日26日の為替市場は、ドル円では1円超の下落を記録しました。
これは、米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表、
日銀政策決定会合を控えていること、
さらに原油価格や株価の下落など、
様々な要因が絡み合った結果、ドルは105円台を割り込みました。
これからFOMCの政策金利発表、日銀政策決定会合の発表は行われますが、
経済指標の発表により相場は大きく動くことがありますので、
今週はこの2つの発表は、注目していただきたいと思います。
そして、経済指標の発表と同様に
相場が大きな動きする要因として、要人発言があります。
先週21日に日銀の黒田東彦総裁の発言により、円相場は乱高下しました。
英BBCラジオのインタビューで、“ヘリコプターマネー”実施の可能性も必要性もないと述べたことをきっかけに、ドル円は高値から2円超の大幅下落を記録しました。
この、“ヘリコプターマネー”なる経済政策が
一体どのような政策かご存じだろうか?
ヘリコプターマネーとは、
政府が上空を飛ぶヘリコプターから国民に対して
現金をばらまくことを意味しており、
つまりは国民にお金を配り
消費意欲を喚起させ、消費や投資が増えることで
デフレからの脱却を狙った政策です。
ヘリコプターマネーは、平時では行われない、
いわば劇薬のような政策ですが
今の日本経済は、経済政策の選択肢の一つとして
取り上げられる状態であるということです。
今回の黒田総裁の発言は、
ヘリマネ政策が実施されるのではないかと
市場に憶測が広がっていたなかで、
「ヘリコプターマネー実施の可能性も必要性もない」という
黒田総裁の発言が大幅下落を招いたということです。
今後もこのような要人発言の前後は
相場が大きく動く可能性はありますので
経済指標の発表同様に注意が必要です。
これらの大幅下落によって
利益を上げた人、
損失を出した人がいらっしゃるでしょう。
このような経済指標の発表や
要人発言の前後では
今回のような価格変動が発生しやすく、
またスプレッドも広がることがあります。
急激な価格変動やスプレッドが広がることで、
自分の思い通りの価格では売買できないということになりますので、
本来なら利食いのはずの売買が
損失で終わってしまうこともあります。
万が一、その時に大きなポジションを持っていると
資金を大きく失うだけではなく、
精神的にも大きなダメージを受けてしまいます。
そのため、私は経済発表や要人発言といったイベントの前後は
急激な価格変動の可能性を念頭に置き、
ポジションを軽くしておき、
イベント終了後の値動きを見て買い乗せ、
ドテン売りなど臨機応変に対応するべきだと考えています。
なぜなら、相場で最も信頼できる情報は
値動きそのものだからです。
他のあるゆるすべてのことは、値動きに集約されて、
その結果として損益が発生します。
ファンダメンタルズ的に、テクニカル的に、
あるいは他のすべての観点から「良い物件」でも、
値動きがなければ損益は発生しません。
個人投資家として、
経済ニュースにアンテナを張り、
そこから得られる情報も
一定の価値はあります。
ですが、相場で最も信頼できる情報は
値動きにあります。
相場では、初めに値動きありき、であり、
最終的にも値動きなのです。
― 矢口 新
大変楽しみにしています。今日もよいお話をありがとうございました。
水谷弘太郎さん
コメントありがとうございます。
今週のFOMCと日銀政策政策決定会合の発表はぜひチェックしてください。
くれぐれもポジションの調整にはご注意くださいね。
先生方皆さん 要人発言を注意とアドバイスをいただきますが 一般人が いち早く情報を入手できるサイトはありますでしょうか?
よろしくお願いします
k・kさん
コメントありがとうございます。
プロのディーラーより早く情報を手に入れるのは
不可能に近いでしょう。
やはり、一般投資家は情報による値動きを確認し、
その値動きに対し、臨機応変に対応しながら
利益を狙うことをおすすめしています。
日銀会合で前会は2回程対策されなかったので円高の今なにか対策されると思いますが今回も見送りとなるのでしょうか?
若虎さん
コメントありがとうございます。
サプライズな発表がされる可能性もゼロではありませんので、
発表結果をしっかりと確認し、発表後の値動きを見てから
ご自身の動きを判断することが大事になります。
矢口先生に言われると身が引き締まります。
今夜も見送ります。
大きく動いている割には見送ったり、乗り遅れたり、怖気づいたり、駄目な私です。
バンビさん
コメントありがとうございます。
自分自身でしっかりと値動きを見極め、エントリーするだけの根拠があればエントリーしても構いませんが、ただ値動きが大きいからエントリーしたいという程度であるのなら、見送るという選択は賢明な判断です。ただ、トレーダーとして成長するためには、訓練は必要ですので、売買する根拠が自分のなかであれば、積極的に実践していただきたいと思います。
暖かいご指導ありがとうございました。
努力します。
投資の学校の一期から聞かせていただいてます( ´ ▽ ` )ノ
いつもながら深いおはなしありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m
徳田克彦さん
コメントありがとうございます。
ブログをご覧いただきありがとうございます。
今後も毎週何か気付きを得ていただけるよう、
このブログを通じてお伝えします。
よろしくお願いします。
お返事ありがとうございます。
毎週楽しみにしています。
これからもよろしくおねがいします。