マーケットはタフな世界
こんばんは、水上紀行です。
月初、期初、年初など新しい期の始まり時は、
どうしても「さあ行くぞ」と力が入ってしまうものです。
しかし、そういうどさくさに紛れて他人を巻き込み、
仕掛けた本人はさっさと利食って逃げることも、
マーケットではよくあることですので、十分注意する必要があります。
このように噂を流しておいてそのどさくさに紛れて火事場泥棒をするもの、
あるいは他人のポジションの偏りを嗅ぎつけて締め上げて利食おうとするものなど、
マーケットにはタフ(きつい)な連中が結構います。
マーケットを見ていますと、
特にデイトレ中心のロンドン勢にその傾向があります。
そうした連中の横やりをかいくぐって利益を出していくためには、
相手が状況に応じて、どういう手に出てくるか、
そしてそれに基づいてどういったポジションを持っているかといったことを読むことが、
大変重要だと思います。
まさに、
相手の身になって考えることを習慣づけることが大切です。
ところで、タフ(tough)という言葉は、
ロンドンにいてわかったのですが、日本で使う場合のニュアンスとは違います。
そのきっかけは、ロンドンのディーリングルームの女性アシスタントが
気が利く上にとても元気だったので、「あなたはタフだね」と言ったら、
「私のどこがタフなの?」と詰問されたことで気づきました。
日本では、「頑丈」とか「強い」といったポジティブな印象があるのですが、
ロンドンでは「きつい」というシビアに近いニュアンスで使っていて、
その後ニューヨークでもロンドンと同じように使われていることを知りました。
ですから、ロンドン・ニューヨークがタフなマーケットだと言えば、
単に活発なマーケットというのではなく、
もっと手段を択ばないシビアなマーケットだとご理解ください。
<講師プロフィール>
水上紀行(みずかみ のりゆき)
バーニャマーケットフォーカスト代表。
1978年三和銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行。
1983年よりロンドンや東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。
東京外国為替市場で「三和の水上」の名を轟かせる。
1995年より外資系銀行において為替ディーラー及び外国為替部長などの要職を経て、
現在は、外国為替ストラテジストとして雑誌、テレビ、ラジオなどで活躍中
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