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真実と自分たちの生活

毎日のように「値上げ」が報道されている。
報道だけではない。

実際の肌感覚では、
すべての物の値段が恐ろしい勢いで値上がりしている。

政府発表の数値を見ると、
1月の消費者物価指数は前月比+0.5%、前年比+4.3%だった。

生鮮食品を除く食料は前年比+7.4%、食料全体は+7.3%だった。

1月の消費者物価(生鮮食品を除く)コア指数は前年比+4.2%で、
12月の+4.0%から加速した。エネルギー関連は+14.6%だった。
(食料およびエネルギーを除く)コアコア指数は+3.2%と、+3.0%から加速した。

一方で、全国消費者物価指数の先行指数だと見なされる、
2月の東京消費者物価指数は前年比+3.4%と、1月の+4.4%から減速した。

コア指数も+3.3%と、+4.3%から減速した。
とはいえ、政策効果が無ければ前年比+4.5%に加速していたと言われている。

政策効果とは、政府による電気・ガス料金の抑制策で、
エネルギー関連は+5.3%と、+26.0%から大幅に減速した。

電気代は+24.6%から、-1.7%に転じた。
また、GoToで、宿泊料は-5.7%だった。

とはいえ、万年赤字政府によるこの抑制策の財源は借金なので、
別の形で国民が負担することになる。

それでも、日銀の新総裁となる植田和男氏は所信表明で、
「総裁として認められれば政府と密接に連携しながら適切な政策を行い、
一時的でなく、持続的安定的なかたちで物価の安定を実現したい」、
「物価目標の2%実現が見通せることが見込まれる場合には、
金融政策の正常化に踏み出すことができる」と述べた。

つまり、まだ物価目標の2%実現が見通せないでいるらしい。

現実の物価上昇の勢いは凄まじく、
日銀独自の別の尺度である変動の大きな品目を除いた1月の「刈り込み平均値」ですら、
前年比+3.1%だったのだが。

このことは、世界的なインフレの中、
唯一日本だけが超緩和的政策を継続する見通しが濃厚なことを意味している。

もっとも、継続したくても継続できない時期が目前に迫ってはいるのだが。

政府の政策が何であれ、
日銀総裁の見方がどうであろうと、
我々には自分たちの生活がある。

世界にどれほど多くの真実があろうと、
自分たちの生活に勝る真実はないのだ。

これは相場でも同じで、ファンダメンタルズ分析がどうであろうと、
誰が何を言おうと、安く買って高く売れば利益となるが、高く買ったものを安く売ると損失となる。

これに勝る真実はないのだ。

勝者が歴史をつくると言われる。
私が子供の頃の歴史では、
徳川時代を封建制度だとして全否定し、戦前は軍国主義だとして全否定されていた。

そして、真実は1つで、他の見方は勉強不足や歪んだ見方だとされていた。

つまり、徳川幕府を滅ぼしたのは正義で、日本の軍国政府を滅ぼしたのも正義だったのだ。

同じように、イラク戦争は正義の戦いであったはずだが、国連プログラムの直接の担当者はその醜い内幕を暴露した。
参照:バグダッド・スキャンダル(字幕版) 2016年制作

また、第二次世界大戦のドイツの敗北を決定づけた2つの戦い「スターリングラードの戦い」も
「ノルマンディー上陸作戦」も、
ドイツの暗号「エニグマ」の解読なしには有り得なかったことが、
英国の機密文書の50年後の公開で明らかになった。

参照:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(字幕版) 2014年制作

同じようなことが東京大空襲でも明らかにされた。
参照:一夜で12万人死亡の東京大空襲、実は「米軍内の縄張り争い」が原動力だった
https://diamond.jp/articles/-/318610

参照:東京大空襲、直前で「超高高度・昼」から「低空・深夜」の爆撃に変更した理由
https://diamond.jp/articles/-/318681

政府やメディアが語っていることは、過去のことは言うに及ばず、
現在進行中のことですら真実かどうかは分からない。真実が1つであるかどうかも分からない。

相場も全く同じで、数値の解釈はおろか、数値そのものが正しいかどうかも分からない。
それでも、投資運用ができるのは、安く買って高く売れば必ず利益となるからだ。

これがすべてのベースだ。これは、自分たちや自分たちの周りの身近な生活も同じで、
大事なのは皆がつつがなく過ごせることなのだ。

物価上昇は、日銀がどう考えていようと、確実に生活を圧迫しているのだ。

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