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【2024年9月4日】江守哲のコモディティコメント

こんにちは、江守哲です。

3日の金相場は、対ユーロでのドル高を嫌気した売りに、続落した。米サプライ管理協会(ISM)が発表した8月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は47.2(前月46.8)に上昇。ただし、市場予想の47.5は下回り、製造業の景況拡大と縮小の分岐点である50を5カ月連続で割り込んだ。米景気先行きに警戒感が広がる中、PMI発表後の為替市場では、ドル高・ユーロ安地合いが進み、ドル建てで取引される金の割高感を嫌った売りが出た。

一方、終盤にかけては値頃感から買い戻しも入りやや下げ幅を縮小した。市場では、6日発表の8月の米雇用統計から足元の雇用情勢の動向を確認し、9月会合での利下げ幅に関する新たな手掛かりを得たいとの思惑が強かった。

金相場は節目の2500ドルを割り込んだ。米金利は低下したものの、リスクオフのドル買いが進んだことが影響したもよう。しかし、その意味では、金は安全資産として買われていないといえる。金はもはやリスク資産との扱いになっている可能性もあるだろう。ただし、この日は20日線の2474ドルでかろうじて下げ止まっている。この水準で下値を形成し、日柄調整が進めば、再び上昇に向かう可能性はある。6日発表の米雇用統計の結果次第で大きく変動する可能性もあり、要注意である。

3日のロンドン金属取引所(LME)の銅相場は下落し、約2週間ぶりの安値を 付けた。世界最大の金属消費国である中国の経済低迷が需要を抑えているとの懸念 が広がった。8996.50ドルと、先月15日以来の安値に沈んだ。最近の中国の指標では、8月の製造業の活動が半年ぶりの低水準に落ち込み、同月の新築住宅価格の伸びも鈍化した。

ゴールドマン・サックスは2日、2025年の銅相場の見通しを大幅 に引き下げ、平均価格を1トン=1万0100ドルと予測。従来予想は1万5000ドルだった。ゴールドマンは「銅の在庫減少とそれに伴う価格上昇は、以前予想していたよりもはるかに遅くなる可能性が高い」との見解を示した。

銅相場は急落した。重要な節目だった200日線の9120ドル、さらに20日線の9091ドルを割り込んでおり、再び下値を試す展開にある。これで288日線の8860ドルも割り込めば、長期的なトレンドも崩れることになる。目先は売られすぎになりつつあるものの、サポート要因がなければ一段安となる可能性も否定できない。世界最大の非鉄消費国である中国の経済が不安定である。世界的な株安が進めば、非鉄相場への悪影響も懸念される。マクロ指標の動向にも要注意といえる。

3日の原油相場は、中国の需要減速懸念を背景に売り込まれ大幅続落した。昨年12月中旬以来、約8カ月半ぶりの安値となった。中国国家統計局が8月31日発表した8月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は4 9.1と、前月から0.3ポイント悪化。景気の拡大・縮小を判断する節目の50割れは4カ月連続。中国メディアの財新とS&Pグローバルが今月2日発表した8月の中国製造業PMIで、外需の強さを示す新規輸出受注は50を割り込んだ。

一連の指標で世界最大の石油輸入国である中国の景気先行き不安が強まり、需要減速懸念が相場を圧迫。投資家のリスク回避姿勢を反映した米欧株安も原油売りにつながり、原油相場は一時70ドル割れに迫った。

東西に分裂状態にあるリビアで、中央銀行人事を巡る双方の「政権」の対立に伴い、国内の大半の油田が閉鎖されているが、国連の仲裁による協議が進展する兆しが出ている。石油生産停止への過度の懸念が後退したため、相場の下押し要因となったもよう。リビア当局代表らは3日、国連を交えた2日の協議後、30日以内に新 しい中銀総裁を任命することで合意した。

ロイターが2日発表した調査によると、8月のOPECの原油生産は前月比日量34万バレル減の2636万バレルと、今年1月以来の低水準となった。OPECプラスの協調減産や自主減産に加え、リビアの政情不安による供給障害が影響した。

原油相場は急落し、直近安値を下回った。売られすぎのゾーンに入っているものの、下値を支える材料は明らかに不足しているといえる。目先ではリビアからの供給懸念もやや後退しており、中東情勢などの不透明感だけでは原油相場を押し上げるには不十分といえる。繰り返すように、世界の石油需要の伸びは今後も鈍化していく。需要が伸びない中で供給面は増産余地がきわめて大きい。潜在的な供給過剰状態にあることを考えると、原油相場が反発に向かうのはかなり厳しいといえる。

3日のコーンは3日続伸。テクニカル主導の買いに加え、米農務省がこの後に作柄悪化を報告するとの見方が買いを誘った。12月限は一時410.00セントと、7月末以来の高値を付け た。米週間輸出検証高(8月23〜29日)で、米国産コーンは96万5292トンと、市場予想のレンジ内だった。アルゼンチンのロサリオ穀物取引所は2日、降雨により、作付けが始まった2024〜 25年度の作物の生育が進む見通しとの報告を発表した。

ブラジルの農業コンサル会社アグルーラルは、同国の主産地である中南部の農家は8月29日時点で、24〜25年度の1期作コーンの作付けについて、全体の8%を終えたと分析。前週は4%だった。コモディティー・ウェザー・グループは3日、米中西部の気温は高めで、早霜の懸念は 限定的と説明。しかし、オハイオ川および米中西部の北西域を中心に、20〜25%のコーンが長引く雨不足にさらされている。

大豆は3日続伸。輸出需要が確認されたほか、中国がカナダ産の菜種輸入を巡り、反ダンピング調査を始める計画との報が相場を押し上げたという。市場参加者らは、これが大豆など他の油実を求める前兆になり得ると受け止めた。11月限は一時1024.50セントと、8月7日以来の高値を付けた。米週間輸出検証高(8月23〜29日)で、米国産大豆は49万6860トンとなり、市場予想レンジの上限近くだった。

米農務省は3日、中国向けに2024〜25年度渡しの米大豆13万2000トンの民間輸出があったことを確認した。前週の同国向け販売は3例目。ストーンXは2日、雨不足により、ブラジルの農家の大豆作付けが難しくなる可能性があると指摘した。コモディティー・ウェザー・グループは3日、オハイオ川および米中西部の北西域を中心に、20〜25%の大豆が長引く雨不足にさらされていると説明した。

小麦は5日続伸。EU産小麦の減産とロシア産 の収穫量に対する懸念が残る中、テクニカル要因による買いが入った。 8月29日までの米週間輸出検証高は57万7944トン。市場予想通りだった。欧州委員会が3日発表したデータによると、2024〜25年度が始まった7月 1日〜9月1日のEUの軟質小麦輸出高は438万トンだった。前年同期は566 万トン。

ウクライナ農務相は3日、国内の農家は25年の収穫に向けて、2万7700ヘクタール分の冬小麦を作付けしたと発表した。同農務相はまた、24〜25年度の7月〜6月シーズンの小麦輸出上限を162 0万トンとすることで貿易業者や農業協会と合意したと公表した。

コーンは大幅続伸となり、20日線の377セントから上放れた。これで50日線391セントを超えると、地合いは一気に好転する可能性がある。これまで供給過剰懸念で売られてきたが、徐々に地合いが変わってきたように見える。大豆も続伸し、地合いが好転し始めている。もっとも、買われすぎになっており、50日線の994セントを超えられないと、再び売られる可能性もある。小麦は大幅高で、50日線の542セントを超えた。買われすぎになっているが、持続的な動きになるかを注視しておく。

なお、投資判断はご自身の責任で行ってください。

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