森を見て木を見よ
「投資の学校」浅野敏郎
From 新宿オフィスの編集室より
今日のタイトルは、
相場格言として良く言われる言葉ですが、
短期売買が一層、盛んになりつつある今日この頃、
次第に耳にしなくなった気がします。
今日はこの格言の意味を今一度、
噛みしめたいと思います。
おはようございます。
今週も早や、金曜日がやって参りました。
トランプ大統領就任演説から
1週間が経とうとしているわけですが、
意外と方向感なく推移していますね。
と言っても、
2~3円の値幅で右往左往する相場ですから、
振り回されないように気をつけたいところです。
森や木を例えてみると・・・
いつかのブログにも書いた記憶がありますが、
私はスキーが大好きで、
小学4年生に初めて経験してから、
6年前まで毎年一回は必ず雪山に行っていました。
しかし、
福島原発が危機的な状況になって、
春スキーを取りやめたのが、
行かなくなったきっかけとなり、
気が付いてみると、
それからもう6年目の冬になってしまいました。
私の子供がまだ小さかった頃は、
滑っているところを
ムービーカメラで撮影するのが、
楽しみの一つでしたが、
スキーを滑っている人間を
ムービーカメラで撮影するのは
意外と難しいのはご存知でしょうか??
引いて撮影すると、
誰がどこにいるのか認識はしやすいのですが、
それではあまりに小さく、
かといって寄って撮影すると、
直ぐに見失ってしまい、
暫くの間、全く別の人を撮影していた…
なんてことは良くありましたね。
この話を例え話に落とし込むとすれば、
引いた状態で撮影しているのが、
森を見ることになり、
寄って撮影している状態が、
木を見ることになりそうです。
つまり、
森全体を遠くからまず見渡したうえで、
例えば
沢山の果実をつけている柿の木の位置を確認し、
そこから狙った木に向かってゆけば、
確実にその柿の木にたどり着けるという訳です。
しかし、早く果実を手にしたいからと、
いきなり森に踏み込んでいっても、
もしかすると、その柿の木は見つけられない、
かもしれませんよね。
それでは、この状況を
具体的に相場に当てはめると、
どんな場面と一致してくるでしょうか。
観察するチャート足の数が違うと・・・!
チャートを見る際に気をつけたいのが、
見ている足の数です。
例えば、このチャートを見た場合、
チャート(1):TradingViewUSDJPY_hourly
恐らくそのほとんどの人は、
上昇相場と判断し、
次にとる行動はいつ買うか、
ということになると思います。
しかし次のチャートはどうでしょうか。
チャート(2):TradingViewUSDJPY_hourly
これは同じチャートを少し縮めて、
もう少し過去まで表示したものですが、
これを見る限り、
単なる行って来いの相場に留まっており、
揉み合い相場の可能性を疑う余地がありそうです。
戻り売りには絶好のチャンスにも見えますね。
では次のチャートはどうでしょう??
チャート(3):TradingViewUSDJPY_hourly
これもやはり同じチャートを更に縮小して、
もっと過去からの様子を表示しただけです。
現在の反発は結構な強さを見せていますが、
大きな流れは下落相場であり、
今は調整の戻し相場だと判断する人も、
そこそこは、いらっしゃると思います。
もうお分かりだとは思いますが、
この比較では、
最初のチャートが「木」に相当し、
最後のチャートが「森」にあたります。
つまり、
同じ通貨ペアと同じ1時間足で
現状の相場を把握するにしても、
過去の情報量の違いで、
上昇相場から揉み合い相場、そして
最後には下落相場と、
全ての相場状態を網羅してしまうという、
非常に悩ましい結果になりました。
(添付のチャートで、、
(2)と(3)の右端を点線で囲みましたが、
この部分が
最初のチャート(1)と一致する部分です。)
実はこうした状況は、
もっと短期足を見ると常に存在し、
我々を混乱に巻き込むのです。
対処方法
実は、
こうした状況を冷静に判断すること
こそがチャート分析だと思うのですが、
でも残念ながら100%確実な回答は存在しない
というのも事実です。
しかし、
常日頃から上位足を見る癖をつけたり、
可能な限り過去をさかのぼることで、
現在の価格が
過去にどのような反応や動きを見せたかを
確認するだけでも、
現在の狭いチャート表示だけでは見えない力が
見えてくる場合があります。
例えば今日の事例を紐解くと、
チャート:TradingViewUSDJPY_hourly
トランプ相場で118円台の高値へと上昇する際、
最後に踏みあがる前に、
それなりに密に揉み合った水準が、
赤い帯で示した115.00~115.50の価格帯で、
その後の反落相場でも2度下値を支えて、
小反発した水準と一致します。
だとすれば、最初にチャート(1)で示した上昇過程でも、
この水準では上値が重いかもしれないという予測は、
十分可能だったことになり、
あえて、あの高値から買ってゆくという選択は、
厳しいことが分かります。
そして、
こうした予測を実際にチェックするために、
移動平均線やRSIなどの分析ツールがある、
と考えるのが、
少しでも精度を上げるコツだと思っています。
本日提案したような分析は、
多少、面倒くさい話かもしれませんが、
私は、相場分析も一般の労働と同じだと思っており、
勤勉に働けば、
その分の報酬は手にできると信じています。
浅野敏郎
P.S.
分析ツールが表示されているチャートに慣れると、
何も表示されていないチャートは、
余りに頼りなく見えるかもしれません。
しかし、
何もないからこそ、何かを見つけようとする
着眼点が実は非常に重要です。
その上で、
正しい分析手法を学ぶことができれば、
短時間で、相場の理解度は確実なものになるでしょう。
数ある分析手法のなかでも、
移動平均線は非常にベーシックかつ
応用範囲も広い分析知識です。
では移動平均線をマスターすると、
どんなことができるようになるのか??
その要点は、
是非こちらの詳細ページでご確認ください。
http://toushi-school.net/page/?page_id=4656
森を見て木を見るというのが最近の自分のチャートの見方が悪かったことが実感できました。ありがとうございます。
伊東 厚様、
コメントありがとうございます。
地図などもそうですね。
(あ、こちらの方が皆さん、しっくりされたかも
しれませんね)
今は場所をお知らせするのにも、
WEB上の地図ページのURLを添付するだけで、
自由に拡大縮小、上下左右に動かすことができ、
路地などでも、電波が届く限り、
ほぼ確実にたどり着くことができますが、
表示エリアが小さい場合、拡大すると逆に探しにくい…
なんていうこともありますね。
ましてや相場となると、今の取引レートが一体、
高いのか安いのか、
どっちに向いているのかは、
ある程度、引いてから見ないと、
なかなか判断できないと思います。
そんな時は一旦、全体図が分かるところまで、
縮小してから、徐々に拡大した方が、
かえって近道になるケースが多いのではないでしょうか。
視点が違うと、全く逆に見えることがあるのは、
本文でも触れましたが、
一致して見えた時に出動し、
食い違っている場合は様子を見る、、、
というのも一手かもしれませんね。
またのコメントをお待ちしています、
ありがとうございました。
実際のチャートも絡めての説明、とても分かりやすかったです。
ありがとうございました。
ぷりちゃん様、
コメント、ありがとうございます!
過去を振り返りすぎると、
今度はもっと大きな上昇相場が見えてきたりして、
悩ましい限りです。
でも、水準がそもそも違う場合、
その水準に近づくまでは気にする必要はなく、
そうなっていたという事実を
知っているかどうか…
というだけで、きっと役に立つステージはあると思いますね。
また、コメントをお待ちしています。
浅野
森を見て木を見る…
思い出すのは運動会のビデオ撮影。
「あの辺」と思っていきなりズームで撮ると場所が分からなくなる。
探しているうちに競技が終わって呆然…
落ち着いて俯瞰しよう…
トランプさんの無茶ぶりを見ているとまだまだ木は振り回されそうですね。
半丁トレーダー様、
毎度、コメントをありがとうございます。
『運動会撮影あるある』
私も経験しました。子供の小学校運動会でした。
同じ背格好に、同じ赤白帽・・・・
もはや親イジメですよね(笑)!
トランプ大統領…どうなんでしょうね。
就任したらもう少しは、おとなしくなる
と思っていましたが…。
ハネムーン期間をおう歌し過ぎですね!!
木が大きく揺れる程度なら、まだよいのですが、
森がざわつき始めるには至らないことを
願うばかりです。
日本のことを考えると、
やはり円安相場を期待すべきですが、
先ずは2月10日、
安倍晋三 首相 得意技の外交手腕やいかに!
またのコメントをお待ちしています。
浅野