招聘コーチと、押しかけ役員
こんばんは、矢口新です。
先月ジョージアで行われたフェンシングの世界選手権で、
男子エペの加納虹輝選手が優勝した。男子エペは団体でも初制覇を果たし、
同選手は2冠を達成した。加えて2024~25年シーズンで、
男子エペは3度目の年間王者に輝いた。
また、女子サーブルの江村美咲選手も世界ランキングの年間1位に輝いた。
男子エペのヘッドコーチはアレクサンドル・ゴルバチュク氏、
男女サーブルのヘッドコーチはリー・ウッチェ氏で、
前者はウクライナ、後者は韓国からの招聘コーチだ。
日本のフェンシングはウクライナやフランスからコーチを招いたことで、
世界レベルに達したと言われている。
フェンシングに限らず、外国からコーチを招いたことで世界レベルに達し、
メダルにも繋がったスポーツ種目が数多いことは、皆さんもご存じだろう。
一方、日本企業の役員報酬ランキングのトップ5には外国人が3人いる。
それぞれの年間報酬額は20億円を超え、トップは50億円に迫っている。
それぞれが報酬面ではその企業のトップだが、スポーツの招聘コーチらと違い、
それらの企業を一流に育てたというより、
既に一流となっていた企業に後からやってきた人たちだ。
日本企業は1990年代初頭まで、5年連続で世界一の競争力だと言われていた。
それにも関わらず、その体質は時代遅れで海外に学ぶ必要があるとして、
外国の資本や人材を積極的に受け入れてきた。
外から来た人材は元からいた人材より優遇されより大きな権限も得たことで、
その企業を一流に押し上げた社員たちの少なからずの人材は外国企業に去った。
そして、そうした人材らは多くの場合、外国企業の競争力を高めることに貢献した。
丁度、スポーツの招聘コーチらのように。
1990年当時、外国人の日本株の保有比率は数%だった。
それが今は30%を超えている。それに伴って、外国人の役員も増え、
高額な報酬を得るようにもなった。
しかし、競争力は1位から38位にまで低下した。
それらの役員は何をしに来たのだろうか。
多くのスポーツの分野で、日本が世界レベルに達することが出来たのは、
グローバル化のおかげだとも言える。
一方、同じグローバル化で、
日本企業の競争力は世界レベルから取り残されるようになった。
何を間違えたのだろうか?

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