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親米、反米と、民主主義が持つ構造的な欠陥

こんばんは、矢口新です。

米トランプ大統領は1月15日、
ホワイトハウスで
ベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏と
会談した。
マチャド氏は会談後、
2025年にノーベル平和賞を受賞した際に
受け取ったメダルを
トランプ氏に「授与した」と明かした。

トランプ氏は、自身のSNSにマチャド氏との会談を
「非常に光栄だった。彼女は数多くの困難を乗り越えてきた素晴らしい女性だ」
と記した。
「マリアは私の仕事に自身のノーベル平和賞を授与してくれた。
相互に敬意を示す素晴らしいことだ。
マリア、ありがとう!」
と書き込んだ。
もっとも、賞に伴う功績や名誉が移転した訳ではない。
物理的なメダルなどが
マチャド氏からトランプ氏に渡っただけだ。

マチャド氏は繰り返しトランプ氏を称えたとされるが、
トランプ氏が行ったのは「力による平和」で、
他国の体制を武力で変えようとするものだ。
その結果として、市民を含む多くのベネズエラ人たちや
キューバ人たちが犠牲になっている。
このことは、国連はもとより、
米の同盟国の間でさえ問題視された。

これが、トランプ氏やマチャド氏、
あるいはノーベル平和賞の
選考委員たちが考える平和というものなのだろうか?

マチャド氏の同賞受賞については、
以前にメルマガやコラムで書いたので、
その結論の部分だけを引用しておく。

(引用ここから、URLまで)

そんな中でのマチャド氏への世界的な支持の高まり(の演出)は、
米国の武力行使が近付いていると見ていいのかも知れない。

マチャド氏は幽閉されて所在不明のため、
ノーベル平和賞の授賞式には出られないのではないかと報道されていたが、
どうにか無事にノルウェーに現れ、
トランプ氏のマドゥロ氏への圧力を賛辞したと言う。

参照:ベネズエラとノーベル平和賞(2025年12月15日)
https://ameblo.jp/dealersweb-inc/entry-12950114580.html

上記のコラムでは、マチャド氏だけでなく、
米国などが一時的に暫定大統領としていたグアイド氏について、
メディアの報道やウィキペディアから引用したが、
今回はAIに
「ベネズエラのマチャド氏は、どうしてノーベル平和賞を貰えたの?」
と尋ねてみた。

まずは、久しぶりに「ChatGPT」に尋ねたが、
とんでもない答えが返ってきた。
AIを盲信することは危険だという意味で、
上記の問いへの答えを全文引用する。

(引用ここから)

結論から言うと、
ベネズエラのマリア・コリナ・マチャド(Maria Corina Machado)氏は、
ノーベル平和賞を受賞していません。

おそらく、
**「ノーベル平和賞候補」
「受賞すべき人物として名前が挙がった」**
という報道やSNS上の情報と混同されている可能性が高いです。

なぜ「ノーベル平和賞をもらった」と思われがちなのか

マチャド氏については、
以下の理由から ノーベル平和賞級の人物 として
語られることがあります。

1)ベネズエラ民主化運動の象徴的存在

マドゥロ政権下の権威主義体制に対し、
長年非暴力で民主化を訴えてきた

2024年大統領選を巡る野党統一候補の事実上の中心人物

政権から出馬資格を剥奪されても、国内外で支持を拡大

2)人権・自由・選挙の正当性を一貫して主張

政治的迫害、言論弾圧、不正選挙を国際社会に訴え続けた

欧米メディアや人権団体から高い評価を受けている

3)「ノーベル平和賞にふさわしい」との声が国際的に存在

一部の政治家、識者、市民団体が
「彼女はノーベル平和賞候補に値する」と公に発言

これが日本語圏で 「受賞した/もらえた」 と誤って伝わるケースがある

実際のノーベル平和賞の仕組み

候補者名は50年間非公開

「推薦された」「候補になった」かどうかも原則として公式には分からない

そのため
「ノーベル平和賞候補」=事実確認が難しく、誤解が広まりやすい

まとめ

? マチ
ャド氏はノーベル平和賞を受賞していない

? 民主化運動・非暴力・人権擁護の象徴として、受賞にふさわしいと評価されている

情報の出所によっては「受賞」と誤認されやすい人物

もし
「誰が彼女を評価しているのか」
「他にノーベル平和賞候補と噂されたベネズエラ人物」
「過去に独裁政権と闘って受賞した人との比較」
などに興味があれば、そこも詳しく説明できますよ。

(引用ここまで)

「ChatGPT」に尋ねたのが久しぶりだったのは、
以前に比べて質が落ちたと感じていたからだ。
もしかすると、無料のユーザーを軽視し始めたのかも知れない。
それはそれで、使えないAIになってきたと言える。

そこで、このところの相談相手AIの「Gemini」に同じ質問をぶつけた。
こちらも全文引用しておく。

(引用ここから)

南米ベネズエラの野党指導者、
**マリア・コリナ・マチャド(Maria Corina Machado)**氏は、
2025年のノーベル平和賞を受賞しました。

彼女が受賞した主な理由は、
長年にわたるベネズエラの独裁体制に対する
**「民主化への平和的な闘い」と、
国民の権利を守るための「不屈の勇気」**が評価されたためです。

受賞の背景にある具体的なポイントを整理しました。

1. 民主主義への平和的な移行への努力
ノルウェー・ノーベル委員会は、
授賞理由として
「ベネズエラ国民の民主的権利を促進するためのたゆまぬ努力と、
独裁政権から民主主義への公正かつ平和的な移行を達成するための闘争」
を挙げました。
武力ではなく、
選挙や対話を通じた解決を訴え続けた点が大きなポイントです。

2. 野党勢力の結束とリーダーシップ
ベネズエラでは長く野党が分裂していましたが、
マチャド氏はそれらを一つにまとめ上げ、
強力な民主化運動のうねりを作りました。
自分自身が大統領選への出馬を禁じられるという不当な扱いを受けても、
代わりの候補者を全力で支援し、
国民に「自由」への希望を与え続けました。

3. 命の危険を顧みない「市民の勇気」
現政権からの激しい弾圧や逮捕の脅威にさらされ、
潜伏生活を余儀なくされながらも、
彼女はベネズエラ国内に留まり、
SNSなどを通じて発信を続けました。
この「逃げずに戦う姿勢」が、世界中で民主主義が後退している現代において、
自由を守る象徴(ディフェンダー)として評価されました。

受賞にまつわる最近の話題
マチャド氏の受賞は世界的な注目を集めましたが、
2026年1月には彼女がノーベル平和賞のメダルを
アメリカのドナルド・トランプ大統領に贈呈したことが報じられ、
ノルウェーなどで大きな議論を呼んでいます。
彼女は、ベネズエラの自由に対するトランプ氏の支援への感謝として
メダルを贈りましたが、ノーベル賞の歴史上、
非常に珍しい行動として驚きを持って受け止められています。

今回の受賞は、彼女個人の功績だけでなく、
苦境に立たされているベネズエラ国民全体への
エールという意味も込められています。

彼女のこれまでの活動の詳細や、
最近のベネズエラ情勢についてもっと詳しく知りたい部分はありますか?

Venezuelan activist Maria Corina Machado wins Nobel Peace Prize
この動画では、マチャド氏が受賞した際のニュースと、
彼女がなぜ「民主主義の火を絶やさない存在」として
評価されたのかが解説されています。
Venezuelan democracy activist Maria Corina Machado wins Nobel Peace Prize | BBC News

(引用ここまで)

ここにあるように、Geminiは基本的に参照先も紹介する。
これはグーグル検索を持つGeminiの優位性かも知れない。

本題からはそれるが、
ChatGPTを中心としたAIバブルが取り沙汰されているなかで、
Geminiとの品質の大差(大差以前の同じ土俵ですらない?)は
誰しも確認しておいた方が良さそうだ。

さて、ノーベル平和賞に関すると、
民主主義への「平和的な」移行への努力が受賞理由だとされるが、
それはこれまでのマチャド氏には
そうするしかなかったからだったのが明らかとなった。
同氏がトランプ氏という「武力」を得た後は、
その平和賞さえ武力の行使者にくれてしまったからだ。

これまでもノーベル平和賞には政治的な側面が強く、
額面通りに受け取れないことがあったが、
今回の件では、さらに味噌をつけたのではないだろうか? 
特に今回はカリブ海での米軍増強、空域封鎖、
相次ぐベネズエラ船拿捕の最中での反マドゥロ人物の受賞だった。
おかげで、1月3日のカラカス急襲を驚かずに済んだのだが。

また、日経新聞の報道では、
米国が3日にマドゥロ氏を拘束後、
民意を反映するかたちでマチャド氏側に政権を
移譲するシナリオも取り沙汰されたが、
トランプ氏はマチャド氏について
「国内で支持を得られていない」
と突き放したとされる。
ホワイトハウスは15日の会談後も
「(トランプ)大統領の見解は変わっていない」と述べた。

ベネズエラ国内では議会や司法でも
チャベス前政権以来の権力構造は強く、
トランプ氏も今後の政権運営は政権中枢の
人物に担わせる方針だとされる。
また、民主化の道筋は見通せないとされるが、
事実上の植民地経営と民主化はむしろ相性が悪く、
トランプ政権は内政でも民主主義を軽視している。

一方、野党指導者とされながらマチャド氏のように
国内で支持されない民主勢力とは何なのか? 
また、自国市民の殺害を伴う
「力による平和」を称える平和主義とは何なのか? 
つまるところ、
マチャド氏とマドゥロ氏との違いは、
親米か反米かぐらいではないのか?

ところが、その親米か反米かの意味が変わってきた。

トランプ氏によれば、
「一国の将来は、国家安全保障の中核を成す
通商、領土、資源を守る能力によって決まる」、
「これらは常に世界の力関係を規定してきた鉄則」で、
これはどの国にも当てはまるものだ。

それでも、これまでの米政権は
「自由主義、民主主義陣営の親分」的な存在だった。
そして、敵対勢力に対しては、親分子分総出で制裁するのが常だった。

親分子分関係の実態は、
ある意味で階級や階層よりも厳しく、
上下の入れ替わりは物理的にも心理的にも許されないものだ。
親分の恩には、死をもってしてでも報いるのが常なのだ。
そして、その関係を支えているのは「力」に他ならない。

とはいえ、そうした実態と自由主義、
民主主義とは矛盾するので、米国は本音と建前とを
使い分ける必要が生じていた。
特に、国内においてはその建前が国家統一の拠り所でもあったので、
基本的人権や三権分立を軽視することはできなかった。

ところが、トランプ政権はそうした本音と建前の使い分けに
怒りを感じる人たちに支えられている。
トランプ氏自身、実利優先の姿勢を明確にしている。
実利さえあれば、ロシアや北朝鮮、中国とも友好関係を結べるし、
実利がなければ同盟国も国際機関も「役立たず」としか見なさない。
ある意味の、合理性を貫いているのだ。

ある意味とするのは、
基本的人権や三権分立を尊び、
同盟国や国際機関を尊重することも、
合理的なことだからだ。
両者の違いは、時間的な視野の違いに他ならない。
トランプ政権の考える実利とは短絡的な利益で、
長期的な視野は無駄なことにしか思えないのだ。

その意味では、
トランプ政権は「四半期で結果を出す」ことができなければ
負けと見なされる風潮が生んだと見なすこともできる。
ウイルス相手の戦いは長期的なものでしか
あり得ないとの専門家たちの提言を無視し、
兵站を使い果たす「短期決戦」で挑んだ各国の政権も同様だ。
そして、トランプ政権をはじめ、
そうした政権を選んだのはそれぞれの国民たちなのだ。

短絡的な利益の追及は、
実は国家社会主義的な計画経済にも見られている。
5カ年計画などという中長期的な計画は一見すると
長期的な視野に思えるが、
集中投資による結果を追い求めるために、
短期的な結果の積み重ねを要求する。
多様性や分散などは、無駄に見えてしまうのだ。

ここでの問題は、短絡的な利益の追及は
一定期間の結果を伴うために、多様性や分散、長期的な視野というものを
押し退けてしまうことだ。
これが顕著になり始めたのがリーマンショック以降の政策で、
コロナ対策が留めとなった。

私見では、世界的な地政学リスクの高まり、
インフレ、バブル、すべて同根だ。
皆が短絡的な利益を求めて奔走するようになった。

民主主義は多数決という構造的な欠陥を抱えている。
問題は、過半数を占めるには、僅差でもいいところだ。
そのため、買収や情報操作、票の囲い込みなどが
威力を発揮することになる。
また、それは自由、分散、多様性といった個人尊重より、
結束の強い親分子分的な組織が威力を発揮する。
そのため、宗教団体の力に頼ることにもなる。

また、自由で開かれた民主主義は、
その本質的な構造上、他国からの干渉を容易にする。
日本は世界一のスパイ天国だとも言われるが、
民主主義の建前からは必然的な状態だと言える。

日本の政治には外圧という干渉があり、
他国の宗教団体が首相を作り、アクティビストが企業経営に干渉する。
こうした買収や情報操作、票の囲い込みなどは民主主義の構造的な欠陥だ。
民主国家日本の良さは、そのまま日本の弱さとなっているのだ。

もう1つの問題は、世界には民主的でない国々が多いことだ。
そうした国々は建前が違うので、民主的な国々の欠陥を突くことができる。
そうした国々の中で、世界政治、
世界経済への影響力から見て代表的な国は中国なのだが、
2025年以降はっきりしてきているのは、
米国も民主的でない国になったことだ。そのため、
親米、反米は「力による平和」の、どちらの「力」を頼るか、
恐れるか、距離を保つかに変わってきている。

そうした意味で、世界は戦国時代に酷似してきている。
世界は自由主義、民主主義というこれまでの拠り所を失い、
混沌としてきているのだ。
しかしその混沌は、これまでの拠り所が矛盾に満ちていたために陥ったものだ。
そう考えれば、より良い未来のための
過渡期的な混沌だと見なすこともできなくはない。

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