市場の洗礼
こんばんは、
水上紀行です。
新しい中央銀行総裁や財務相などが決まると、
市場がお手並み拝見とばかりに、挑んでくることがあります。
あのマエストロと呼ばれ、後年市場関係者の尊敬を集めた
グリーンスパン(当時)FRB議長ですら、着任2ヶ月目にして、
ブラックマンデーと呼ばれる株の大暴落という市場の洗礼を受けました。
大暴落のきっかけは、ドイツのブンデスバンク(中銀)が
インフレ懸念から利上げをしようとしたのに対して、
米国側が、ドイツに利上げ撤回を求めたことから、
市場は米独の不協和音に不安を持ち暴走したためでした。
しかし、グリーンスパン議長は、間髪入れずに、
市場に大量の流動性を供給したことから、被害を最小限にとどめ、
そして、市場から羨望のまなざしを一手に受けることになりました。
その後、グリーンスパン議長は、前もって、
市場にこれからやろうとしていることについて説明して、
市場の理解を求めることに腐心しました。
このため、市場の暴走は、
グリースパン議長任期中は影を潜めていました。
しかし、リーマンショックに至るころ米財務長官だったポールソン氏は、
市場への根回しもないままに、突然場当たり的な政策を何度も発表したことから、
マーケットは驚きそして怯え、暴走することになりました。
このように、通貨当局の対応ひとつで、市場は従順にもなれば、
凶暴にもなりますので、まずは当局が市場に語りかける姿勢が必要だと思います。
水上紀行
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