BRICS拡大が意味するところ
こんばんは、矢口新です。
2023年8月24日、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)首脳会議は、アルゼンチン、エジプト、イラン、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)6カ国の加盟を決定、議長国南アフリカのラマポーザ大統領が発表した。6カ国は2024年1月1日にBRICSに加わる。
南ア政府筋によると、40カ国以上がBRICS加盟に関心を示し、メキシコなど22カ国が正式に加盟を希望したとされる。
先週、私はこれを米外交政策の失敗だと指摘した。
参照:米外交戦略が歴史的な敗北を迎えた日
https://ameblo.jp/dealersweb-inc/entry-12818030571.html
上記のコラムでは、「BRICSの拡大はバイデン政権の外交の敗北を意味しているが、それでも中ロの勝利を意味するとは言えない。BRICS諸国も、今度加盟する諸国もそれぞれが敵対してきた関係でもあるからだ。いわば、それ以上の勢力に対抗するために、呉越が同舟に乗ったのだ。米国がそうさせたのだとも言える」とした。
私はこれを世界の枠組みを変えかねない、米ソ冷戦終了後最大の出来事だと捉えているが、日本や西側諸国のメディアはどう見ているか、大手新聞の社説などから2、3を全文でご紹介する。大手なのに朝日新聞がないのは有料で読めないからで、他意はない。
読売新聞社説:BRICS拡大 理念なき結集には限界がある
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20230829-OYT1T50218/
共通する政策や理念を欠いたままでは、加盟国をいくら拡大しても、多国間協力体としての存在感を示すことは困難だ。逆に、足並みの乱れが露呈するのではないか。
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカで構成する新興5か国(BRICS)が、南アで首脳会議を開き、加盟国を6か国増やすことを決めた。
サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イラン、エジプト、エチオピア、アルゼンチンが来年1月に加わるという。南米のアルゼンチンを除いた5か国は、中東・アフリカに位置する。
40か国余りが新規加盟に関心を示しているとされる中で、なぜこの6か国を選んだのか。具体的な基準について明確な説明はない。さしあたり、中東の産油国や資源国が加盟することによる経済的利益を期待しているのだろう。
拡大を主導した中国の習近平国家主席は、南アでの記者会見で「新興市場国と発展途上国の連帯と協力」を進めることに強い意欲を示した。新興・途上国を味方に付けて、米欧日の先進国に対抗しようとする狙いは明白だ。
イランは反米を旗印にし、サウジアラビアも米国から距離を置く姿勢が目立っている。BRICS加盟を望む途上国の間で、先進国主導の気候変動対策や、豊かな国と貧しい国の格差が縮まらない現状に不満があるのは事実だ。
だからといって、拡大したBRICSが、中露のもくろみ通りに先進7か国(G7)への対抗軸となり、国際秩序の再編を主導することは考えられない。
G7は、自由、民主主義、法の支配という価値観を共有するが、BRICSは、中露のような強権国家とインド、ブラジルのような民主主義国家が混在している。
インドは米国との安全保障協力も強化している。中国が強引にBRICS拡大を進めれば、インドやブラジルとの不協和音は大きくなっていくはずだ。
中国がBRICS内で影響力を増大させた背景には、ロシアの国際的地位の低下がある。国際刑事裁判所(ICC)から戦争犯罪の疑いで逮捕状が出ているプーチン露大統領は、今回の会議に出席せず、オンラインで参加した。
ブラジルや南アの首脳は、BRICS会議でウクライナでの戦争終結を求めた。9月には、インドで主要20か国・地域(G20)首脳会議がある。ロシアに侵略停止を迫る国際世論を一段と高める場にしなければならない。
日経新聞社説:BRICS拡大を懸念する
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK253FU0V20C23A8000000/
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカで構成するBRICSは南アで開いた首脳会議で、新規加盟による拡大を決めた。グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国の声を代弁する場として存在感を高める狙いがある。こうした動きが世界の対立や分断を深める展開が懸念される。
新たに加盟が決まったのはイラン、サウジアラビア、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、アラブ首長国連邦(UAE)。6カ国のうち実に5つが中東アフリカに位置する。米国の指導力がおとろえた地域で影響力を広げたい中国の意図がにじむ。イランの加盟はBRICSの反欧米的な性格を強める懸念がある。
BRICSには共通する理念も政策もない。「主要先進国が主導する既存秩序を揺さぶる」といった脅威論には誇張がある。加盟国が増えれば組織として足並みをそろえるのはさらに難しいだろう。
ただ、中ロの権威主義陣営にとっては多くの途上国を味方につけ、米国が覇権を維持する負担を重くするだけでも成果となる。日米欧は、途上国がBRICSのような組織に引かれる理由やその意味を考えるべきだ。
主に先進国が出した温暖化ガスが引き起こした気候変動問題で、途上国は無理な脱炭素政策や負担の重い適応を強いられている。先進国は新型コロナウイルス対策で露骨なワクチンの囲い込みをみせ、経済危機が訪れると保護主義的な自国優先策を加速させた。
先進国の偽善や二重基準をめぐる途上国の不満を謙虚に受け止め、より公正で透明な秩序づくりに力を入れる必要がある。
BRICSが加盟国に人権状況の改善や民主化を求めることはない。それが多くの途上国を動かす要因になっているのは確かだ。
だが日米欧はBRICSと途上国指導者の歓心を買うような態度を競うべきではない。法の支配や自由な競争こそが持続的な発展をもたらすとして、価値を共有する努力を続ける必要がある。
英フィナンシャルタイムズ:BRICS、「恨み」が共通軸 権威に憧れや承認欲求も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB285AQ0Y3A820C2000000/
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ(BRICS)によるサミット(首脳会議)が8月下旬、南アフリカで開催された(編集注、サウジアラビアやイランなど6カ国が新たにBRICSに参加することが決まった)。これらの非西側諸国をまとめている理念、あるいは戦略的な利益はあるのだろうか。
会議に参加した国の顔ぶれは民主主義国(インド)、独裁国家(中国)、政教分離を徹底した世俗国家(ブラジル)、政教一致国家(サウジアラビア)、豊かな国(アラブ首長国連邦=UAE)、貧しい国(エチオピア)、旧帝国(ロシア)、旧植民地(アルジェリア)と多様だ。
最初の2カ国はヒマラヤ山脈の国境沿いで時折、互いに戦闘が起きることで知られる。参加国の中で領土が最も広いロシアと中国は、マルクス主義の解釈をめぐって冷戦中に対立した。
これほどまとまりを欠いた国の集まりが、「国家連合」になりうるのだろうか。BRICSはすでに公式サミットを15回開催しているが、それだけの回数を経て合意できた世界観はどういうものなのだろうか。
米国流の自由市場主義の枠組み「ワシントン・コンセンサス」はその名を冠する米ワシントンでさえ人気を失っているが、少なくともその概念は説明できる。
BRICS、またはグローバルサウス(南半球を中心とする途上国)はどのような枠組みを標榜しているのだろうか。もし自由貿易に積極的でない場合、世界最大の輸出大国である中国は参加国としてこの問題にどのような立場を取るのか。
いずれの問いも適切な答えは見つからないはずだ。なぜなら、多様なBRICSの国を結びつけている共通点があるとすれば、それは「恨み」だからだ。西側の優位に対する怒り、過去の屈辱に対する鬱憤だ。そして、政治と人生を突き動かす力として、恨みはあまりにも過小評価されている。
膨大なエネルギーを生み出すとされる核融合に取り組んでいる物理学者には失礼かもしれないが、活用可能となった場合に宇宙で最も強力なエネルギー源があるとすれば、それは人間の恨みだと筆者は考える。
哲学者のニーチェは恨み(ルサンチマン)が世界を動かしていると論じた(ニーチェは第1次世界大戦の敗北で募った恨みがナチスドイツの台頭へとつながり、同胞のドイツ人を暴挙に駆り立てたことは見届けられなかった)。
ソ連時代から縮小した帝国となりルサンチマンを抱えていることを知らずして、現代ロシアは理解できない。
アウトサイダーとしてのコンプレックス
地政学から個人へ視点を移すと、恨みはさらに多くのことを引き起こしてきた。例えば、多くのポピュリスト(大衆迎合主義者)の指導者が、相対的にアウトサイダーといえる存在であることに注目すべきだ。
こうした指導者は大抵の基準に照らせば恵まれてきたが、「仲間」だとみられたい層からは疎んじられてきたと感じてきた。
英国の欧州連合(EU)離脱を先導した英リフォームUK党(旧ブレグジット党)のファラージ党首は、元証券ブローカーだが大卒ではなく、英議会選挙で7回落選し笑われてきた。
ジョンソン元英首相は名門のイートン校、オックスフォード大学を卒業しエリート然としているように見えるが、上流階級でもなければ金持ちでもない。
フランスの極右政治家、マリーヌ・ルペン氏は父親の地盤を世襲したが、同国のエリート官僚養成校を卒業していない。
そして、究極の事例がトランプ前米大統領だ。ニューヨーク中心部から離れた地区出身の成り上がりで、おしゃれな上流階級からはセンスの悪さと日焼けした肌をバカにされてきた。
こうしたパターンは少なくともウォーターゲート事件で辞任したニクソン元米大統領までさかのぼる。平等をうたっていながら階級意識が強い米国において、彼もまた心ない冗談のネタにされてきた。
学生時代には、仲間の上流階級のエリートをひどく恨むあまり、のけ者や負け組のための独自の社交クラブを立ち上げた(大学におけるBRICSのようなものか)。
ポピュリストの右派が生き生きとするのは、実はイデオロギー的な対立を巡ってではない。コンプレックスともいえる、本物または架空の上流社会へのいら立ちで盛り上がる。
表面的には、トランプ前大統領と中国ほど似ても似つかない2つの存在はない。前者は後者に商業的な対決を宣言し、そうすることで世界の21世紀の針路を変えた。
だが、リンゴも惑星も同じ運動の法則が作用するように、感情が同じであれば人間と国民国家も同じように動く。前大統領と中国はともに、自分は尊敬されるべき対象から認められていないと感じている。
西側諸国のエリートはこの感情をなかなか理解できないだろう。自尊心が傷つくようなことはほとんどなかったからだ。
BRICSという言葉そのものが矛盾
恨みは憎しみと同じではない。憎む人は、憎しみの対象と一切関わりを持ちたくない(国際テロ組織アルカイダの西側に対する態度を思い浮かべるといい)。
対照的に、恨む人は恨んでいる対象に半ば興味を持っている。ファラージ氏は明確に、罵詈(ばり)雑言を浴びせるエスタブリッシュメント(支配層)から承認されたいと思っている。
同様に、BRICS諸国のエリート層はロシア人に限らず、英ロンドン、南仏コートダジュールの高級保養地、フランスとイタリアの高級品、米国の大学をよく利用する。
ロシアのウクライナ侵攻に関する世界的な世論調査から判断すると、世界の大部分は西側のことを傲慢で偽善的だと考えている。一方で、西側は世界の大部分の人が移住したいと思っている場所でもある。
西側に対するこの矛盾した態度は、BRICSという名前の起源をみてもわかる。
あれだけ盛大に南アでサミットを開催し、主要7カ国(G7)に対抗するための議論を重ねてきたにもかかわらず、その名付け親は英国人で、当時、米投資銀行ゴールドマン・サックスのエコノミストだったジム・オニール氏だ。
By Janan Ganesh
(2023年8月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)
私がこれを米外交戦略の敗北だとするのは、米国の制裁外交を公然と形骸化させたからだ。多くの加盟希望国の中からイランを選んだのはそれを強調するためで、今後のイラン制裁は世界的なものではないとの意思表示となった。
また、かつての親米国家の代表格のサウジやUAEが加わり、米国に従わないエジプトも加わったのは、アラブの結束は米制裁よりも強いという意思表示だ。アラブ連盟は今年に入ってシリアも再加盟させた。つまり、BRICSはアラブを組み込んだ。
エチオピアはアフリカからもう1カ国、アルゼンチンは南米からもう1カ国で、共に困窮している両国を見捨てないとの国際機関としての役割を意識したものではないか?
上記のコラムについての私見は述べない。そもそも、こうした人たちが描いてくれていた世界の印象をBRICSの拡大がぶち壊したと見ているからだ。仮にBRICSの拡大が5年前だったならば、あまり意味のないものだったかも知れない。
こうした人たちが描くウクライナ侵攻後の世界の印象では、ロシアは孤立しているというものだった。プーチン政権は内部矛盾で崩壊しつつあり(プーチンは狂人だともされた)、米国主導の制裁がそれを促しているとされていた。
また、数十年来制裁されているイランが崩壊するのは時間の問題かのような印象だったが、ウクライナ侵攻後は存在感を高め、今年にはサウジと国交回復し、今回はBRICSに加わることになる。同じように長期間制裁を受けていて立ちいかないはずの北朝鮮も着実に核武装を強化し続けている。
こうしたBRICSの拡大が教えてくれたのは、ロシアもイランも孤立を深めるどころか、ウクライナ侵攻後に仲間を増やしていることだ。また、この3年間にアフリカでは先週のガボンを含め6つの親米政権が倒れた。
つまり、孤立し始めたのは米国の方なのだ。これは日本人のウクライナ戦争の見方が偏っていたことを強く示唆している。またこれは、米国に従っていれば安全で安心だという神話の崩壊でもあるのだ。
当事国を除いては、ウクライナ戦争の最も大きな被害者は米国の同盟国だ。ドイツを例に挙げれば、安全・安心・安価なエネルギー源を確保するために国をあげて長年にわたってロシアと築き上げた天然ガスの供給網を廃棄させられた。そして、それを担当してきた元の首相は非国民扱いされた。その結果、インフレ率は高騰し、その経済にかつての欧州を牽引してきた面影はない。
他の西欧諸国も似たり寄ったりで、そのために多くの国が政情不安にも陥っている。そして、天然ガスは米国から輸入し、ロシア原油はインド経由で購入している。ウクライナ戦争で潤っているのは、軍需産業なのだ。
BRICS拡大が教えてくれるのは、日本の報道がかつての大本営発表に近づいてきていることだ。日本は過小評価しているが、中国の一帯一路構想の参加国は150カ国以上で、世界の4分の3を超える。また、日本はエネルギーのほとんど、食料の大半を輸入に頼っている。このことは自給率を高める試みだけでは不十分で、BRICS相手には戦えないことを意味している。
そこで、先週のコラムでは以下のように述べた。
「メンバーを見る限り、BRICSの結合は緩い。緩いがより強大な力に対しては、発言力が増すことになる。今後の世界情勢を鑑みれば、同盟国に強い犠牲を強いる米国追随の外交を考え直す必要があるかも知れない。日米安全保障条約やクワッドを維持したままで、BRICSへの加盟申請も、日本外交の選択肢として浮上したのではないか?」
そして、その安保条約についてもこれを機会に見直すことも重要だろう。今の日米関係は、日本人の自尊心が酷く傷つけられるだけでなく、危険極まりないものからだ。関連コラムを現代メディアから一部だけ引用するので、是非とも全文を読んで頂きたい。
(引用ここから、URLまで)
「本書の第1章と第2章では、それぞれの章の最後で、私たちが知らないうちに結ばれていた、左のようなとんでもない法律や密約についてご説明しました。
○ 米軍による日本の空の支配を正当化する『航空法の適用除外条項』(第一章)
○ 米軍の日本全土における治外法権を正当化する『日米合同委員会での密約』(第二章)」
「日本が旧安保条約のなかの、もっとも重要な『第1条』で認めたその特権とは、アメリカが米軍を、
『日本国内およびその周辺に』
『配備する権利』
だったということです」
「私たち日本人はそのあたりの感覚がほとんど麻痺してしまっているのですが、世界の常識からいえば、そもそも自国のなかに外国軍が駐留しているということ自体が完全に異常な状態であって、本来ならそれだけでもう独立国とはいえません。
万一やむをえず駐留させるときでも、ギリギリまで外国軍の権利を条文でしばっておかなければ、国家としての主権が侵害されかねない。そうした非常に危険な状態だということを、そもそもよく認識しておく必要があります。
そのことは、第二次大戦以前はアメリカの本当の植民地だったフィリピンが、戦後、アメリカとどのような取り決めにもとづいて基地を提供していたかを見れば、すぐにわかるのです。
1947年に結ばれた『米比軍事基地協定』(1991年に失効)には、米軍がフィリピン国内に基地を置いていいのは次の23ヵ所であると、その場所がすべて具体的に明記されているからです。
ところが日本の場合は、特定の場所を基地として提供する取り決めではなく、どこにでも米軍を『配備』できることになっている。これを『全土基地方式』といいます」
「たとえば日本の首都圏には、横田、座間、厚木、横須賀と、沖縄なみの巨大な米軍基地が、首都東京を取り囲むように四つも存在しています。
そしてそれらの基地の上空は、太平洋の洋上から『横田空域』によってすべて覆われています。
ですから米軍とその関係者は、日本政府からいっさいチェックを受けることなく、いつでも首都圏の米軍基地に降り立つことができるのです。
しかも到着後、米軍基地からフェンスの外に出て日本に『入国』するときも、日本側のチェックは一切ありません。なので、たとえば横田基地に到着した米軍関係者が軍用ヘリを使えば、東京のど真ん中にある六本木の軍事ヘリポートまで、わずか二十数分で飛んでいくことができるのです。
つまり米軍やその関係者にとって、日本は『国境が存在しない国』ということなのです。そして『旧安保条約・第1条』に書かれた『米軍を日本国内およびその周辺に配備する権利』とは、米軍が『日本の国境を越えて自由に軍事行動できる権利』という意味だったのです!」
「それがどれだけ異常な特権であるかに気づいたのは、2003年に勃発したイラク戦争の後、アメリカとイラクがむすんだ『イラク・アメリカ地位協定』(2008年)の条文を読んでいたときのことでした。
2003年3月にアメリカと開戦したものの、ほとんど戦闘らしい戦闘もないまま、わずか1ヵ月で全土を占領されてしまったイラク。しかしそのイラクが敗戦後のアメリカとの交渉では素晴らしい粘り腰を発揮し、アメリカが提案してきた地位協定の草案に、なんと110ヵ所もの訂正を求めていたのです。
なかでも、もっとも大きな訂正のひとつが、
『イラクに駐留する米軍が、イラクの国境を越えて周辺国を攻撃することを禁じる』
という条文を、新たに加えたことでした」
「戦争で一方的にボロ負けしたあと、崩壊した国家のなかでそうした『主権国家としての正論』をアメリカに堂々とぶつけ、しかも了承させたイラクの外交官たちに大きな拍手を送りたいと思います」
参照:日本が渡してしまった「ヤバすぎる特権」…なんとアメリカ軍にとって、日本は「国境が存在しない国」だった!
https://gendai.media/articles/-/113597
関連:なぜアメリカ軍は「日本人」だけ軽視するのか…その「衝撃的な理由」
https://gendai.media/articles/-/113590
それでも私は米国と敵対したいとは思わない。民主主義の代表ともいえる米国と、日本が民主主義的でより対等な関係を築きたいだけだ。何故なら、私のこうした発言がBRICSや新加盟国のどこで、どこまで許されるかの確信が持てないからだ。消去法で選ぶならば、やはり日本は米国側を選ぶべきだと思う。
とはいえ、BRICSの拡大は、大国に抑圧されている国にとっては福音かも知れない。大国に対する発言力を高めるために活かせるかも知れない。それを日本には関係がない話だと思う方々には、もう一度、現代メディアからの上記引用文を読んで頂きたいものだ。
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