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金融・財政正常化での投資先

こんばんは、矢口新です。

先週は米、ユーロ圏、英、独、仏の株価指数が揃って
過去最高値を更新した。

某新聞の見出しには「会社の保守的予想が重荷に」とあった。
記事の内容は読んでいないが、重い理由はそれだけではない。

例えば、2020年3月にコロナ・ショックと行動制限で日本株は暴落した。

しかし事態が悪化し、「会社が総悲観」だった
4月、5月、6月と日経平均は反発した。

7月の終値は前月比で下げたが、安値は切り上げてハラミ線となった。

その後、8月、9月と上伸。10月は終値こそ前月比で下げたが、
高値安値共に切り上げた。以降は翌年3月まで上伸した。

その結果、コロナ・ショックと行動制限に改善の兆しが見えないままに、
日経平均は20年4月初めの1万8000円台から、
21年3月末の2万9000円台にまで上昇した。

2020年度の1年間、日本経済の悪化や会社の超悲観予想が
日本株の「重荷に」ならなかったのは何故か? 
日銀と年金が買ったからだ。今はどうか?

先週、日銀の植田総裁は衆院財務金融委員会で、
日銀が買い入れたETFを処分する際は
「時価をベースにすることになる」との考えを示した。

処分を含む今後の取り扱いについては
「少し時間をかけて検討する必要がある」とした。

つまり、強力な買い手であった日銀が、
今後は売り手に回ることが決まっている。

日本株市場で、2014年の最大の買い手は年金だった。15年から20年までは日銀だった。21年から23年は事業法人だ。一方、24年以降、日銀は売り手となる。年金は基本的に日本株が下がれば買うが、上がれば売ってくる。事業法人は買い手であり続けるが、気になる動向も見えている。

あずさ監査法人が3月末までに開示されたプライム企業1650社のコーポレートガバナンス報告書を集計した。1348社が上場する政策保有株を保有し、うち1095社が削減方針を打ち出した。プライム企業の7割に当たる。2023年1-12月期に政策保有株を売却した企業793社より4割多い。

また、金融庁の指導により損保4社は合わせて6兆円以上の政策保有株を売ってくる。メガバンク3行も10兆円を売る。そういう状況では生保もどうなるか分からない。

新NISAで、個人に積み立て投資を推奨している一方で、どうにもちぐはぐな政策だとしか思えない。日本株は、仮に会社が楽観的予想となっても、「政策が重荷」ではないのか?

  • コメント ( 1 )

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  1. 工藤憲一

    i何時もいつも有難う御座います。
    読ませていただき心よりお礼申し上げます。

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