資金10万円で250万円分の取引…の怪

「投資の学校」浅野敏郎
From 自宅の書斎より

＜配信が遅くなりましたことをお詫びいたします＞

 
投資に興味を持たれた方が、
比較的早い段階で耳にする言葉の中に、
「レバレッジ」
があると思います。

本日のタイトルにもあるように、
10万円の投資資金を預けるだけで、
250万円分の取引ができる…
と聞いただけで、

怪しさ200％

となる気持ちは理解できます。

 
レバレッジという言葉を
ネットで調べても
「テコの原理」程度の解説しかなく、

相場とどのように関係するのか、
分ったものではありません。

今となっては「差金決済」という言葉は
投資の世界から葬られた観もありますが、
ここがキーワードになりますので
今一度、確認してみたいと思います。

————————————

おはようございます。
今週も早や金曜日がやって参りました。

7月に入って今さら梅雨本番…
というべきか、
関東地方では梅雨らしい
シトシト雨が続いています。

こんな平和な雨が降る一方で、
ゲリラ豪雨といいますか、
梅雨の雨とは程遠い、

真夏の夕立のような
暴力的な雨が降っている地域もある…
とのこと。

いずれにしても、皆様のご無事を
思わずにはいられません。

———————————–

さて、レバレッジについては
過去にも幾度か形を変えて
述べてみた記憶があります。

ワードとしては、
少し色あせた観もありますが、
だからこそ今一度、
そのカラクリをしっかりと
書いてみようと思います。

 
10万円の資金で、
250万円分の取引ができる…
という表現がマズイと思うのですが、

実は世の中にはレバレッジを効かせた
ビジネスが、
意外と沢山あると思います。
例えば住居の賃貸なども
視点を変えれば立派な
レバレッジ取引です。

 
ある一戸建ての家が5000万円として
そこに住むためには今、
手元に5000万円ないと無理か？
といえば、そうでもありません。

頭金なしで
月々10万円のローンが組めれば
ローンの初月は
10万円で5000万円相当の取引を
したことになり、
そのレバレッジは実に500倍
ということになります。

10年後、何らかの理由で売却するとしても、
もし4000万円で売却できれば、
10年間の返済が1200万円ですから、
200万円の収益になりますし、

たとえ売買益が出なくても、
1200万円で10年間も5000万円の家に
住めたのは事実ですから、
それだけでも
レバレッジ効果があったと言えるでしょう。

 
この例からも分かるように、
相場投機のような
結局は決済が前提である取引は、

決済した際の差額が赤字だったときに、
その差額さえ支払うことが出来れば、
取引額が幾らなのかは基本的に関係なく、

レバレッジが効く金融取引はつまり、
資金の貸借にほかありません。

確かに差金決済というと
取引額とは直接関係が無くなるため、
過剰取引になりやすく、
取引額に対する割合で
証拠金を預ける制度にはなっていますが、

証拠金とは、
損失が出た際に補填するための金銭を
予め預けておく資金
という本来の意味から迫れば自ずと
相場が変動する値幅から
取引額も決まってくるはずですね。

したがって本来、
ボラティリティが高い相場の証拠金は
高くなって当然なのですが、
そうでもない実態が余計に
怪しさにつながっている…
のかもしれません。

 
最後に、
ローンの例と相場取引との違いは、
時間（期間）であるとも言えますが逆に、
だからこそ相場においても
時間とリスクは非常に重要な関係にあり、

この部分をコントロールせずに
値幅だけでリスクを管理しようとすると
最終的には、損切貧乏になってしまう可能性が
高くなるのだと考えています。

 
 
浅野敏郎

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