損切貧乏要因2…ATRの盲点
「投資の学校」浅野敏郎
From 自宅の書斎より
先週号では、リスクリワードの盲点ということでお伝えしましたが、
付け加えるべきことが一つありました。
損失の額を予め決めておくというのは一理あります。
もちろん、エントリー価格に近すぎると損切ばかりが付きやすくなるのは、ご理解いただけるところだと思いますが、
問題は利益サイドを予め決めるというのは、実はトレード目的の意義を半減させかねません。
狭い値幅で上下するような相場付きでは、もしかするとRR比率に近い収益性になるかもしれないのですが、
ある程度のトレンドがポジションと同じ方向に発生した場合や、偶然遭遇したブレークアウトが同じ方向だった場合、目標利益の数倍を手にできるチャンスを自ら閉じてしまうことになり、
総資産をワンステップ引き上げたり、連敗の穴を一気に戻す機会を放棄していることになります。
手法によっては、こうしたラッキーを狙ってできることではありませんが、だからこそ、うまく乗れた際はこうしたラッキーを活かしきりたいところです。
ということで補足が長くなりましたが、今週はATRの盲点について推測してみます。
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おはようございます。
今週も早や金曜日がやって参りました。
そして…
新年度が始まりましたね!!
期末のドル円は一波乱あるかと思いましたが、
午前中09:00から輸入が先に入りいったんは終了し、
ロンドンフィックスに向けて午後23:00から今度は輸出が入った印象でした。
ただ、どちらも110円台の上下に終わり、早めに手当てが進んでいたと噂がった輸出は額も少なかったのか、午前中に上げた分を下げきれず、4月1日に至る…というところでしょうか。
過去12か月間にあった酸いも甘いも、ここで一旦気持ちだけでもリセットして、出直すタイミングとしては最高です。
「どうして、あそこで売ってしまったのか?」
「なぜ、あそこを買えなかったのだろう?」
それぞれ皆様も悲喜交々かと思いますが、すべてはご自身が下した判断ですから、これほど単純明快な話はありません。
ここにこそ、いわゆる「自己責任」の真髄があるわけですが、言い換えれば自身の判断一つで収益機会を生み出せる道がここにはある…というのが、
トレードを含めた投資全般の魅力であります。
2021年度も引き続き、よろしくお願いいたします。
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ATRとは何か?
アベレージ・トゥルー・レンジ(Average True Range)とは、ギャップを含めた当該足の高値安値をトゥルー・レンジとし、過去数本分のTRをその数本分で平均したものです。
理論的には、これから始まる新たな1本がどれだけ変動する可能性があるか、の指標にはなりますが、
平均する足の本数が多くなれば、過去の影響に左右される割合が高くなるので、現在は全く変動していなくても、ATRが急に上昇したり、直近数本が動いているのに、さほど数値が上がらなかったり、という平均値理論特有の矛盾も持っています。
ATRは損切の目安になるか?
まれに、損切の水準をATRに求めるケースがあるようですが、
本来ATRはご存じのように、ボラティリティ指標なので例えば、数値が低下して張り付いているということは、相場は収束していることを意味し、近々変動しだす可能性が高まっている状態とも言えます。
そんな場面において、下がりきったATRの値を損切に用いるとした場合、動き出した際には簡単に飲み込まれる値幅に損切を置くことになり、収束期間が長くなればなるほど、何度も簡単に損切に遭いやすいと言えます。
ただ、本格的に動き出した際は、入る方向を間違えたことが早めにわかるため、直ちに方向転換できればまだ間に合う可能性は残る一方で、
そんな近い損切が付かなかったとすれば、取り組んだ方向は、目先合っていたことにもなります。
いずれにしても、過去のとある平均的な変動値が、これから新たに始まる足の値幅に当てはまる可能性はと言うと、チャートで検証してみればその精度については懐疑的にならざるを得ず、裏を返せばその値幅を損切に用いるのは個人的に厳しいところです。
一つ言えることは、ATRをどのように利用するか、例えば1ATRなのか2ATRなのかで、掛かり方が異なり、深い値を用いればいわゆる損切貧乏にはなりにくい一方で、むやみに深い損切は成立した際には大きな損失となるのは事実です。
始点と終点での損切は異なる
相場は「上げと下げの二通り(確率は50%)」という考え方がありますが、揉み合いという重要な相場があることを忘れてはいけません。
理想の相場として、揉み合いを挟んで方向を継続するか反転するかという型があります。
一方で、目立った揉み合いもなく、急伸しているトレンドが急反転する場合が稀にありますが、それを回避するのは相当難しい話で、恐らくどんなテクニカル指標を用いても予め対処できる方法はないかもしれません。
実は、揉み合いを挟んだ後に方向が出るという前者は、その損切の対処は始点の立場であり、揉み合い相場が自身のポジションと反対方向に放れたら損切る、のが一つの定理であるのに対して、
後者は終点の立場での損切と言えそうです。
つまり、トレンドの終わりは必ず直近での最高値や最安値になりますから、事前の想定はしにくく、強いて言うなら、直近に切り上げたり切り下げたりした高値や安値から、何%逆行した時点でいったんは逃げる、といった手法程度しかありえない、という認識を持っています。
いずれにしても、トレンドのピークで逃げるのは、偶然を除いて基本的に不可能であるなかで、最後に捨てざるを得ないこの値幅を、いかにして少なくするのかが、利確が難しいとされる所以なのです。
次週は、この一定割合による損切について、考えたいと思います。
浅野敏郎
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