イグジットが難しい理由を考えてみる~メンタル編
「投資の学校」浅野敏郎
From 自宅の書斎より
先週は更新できず、大変失礼いたしました。
さて、直近の数回にわたり「相場は起承転結でできている」との想定に立ってご一緒に考えて参りました。
初めからレンジ取引を前提にしていなければ、エントリーはトレンドの始まりで開始し、イグジットはトレンドの終わりで手仕舞うことになりますが、イグジットはそれなりに難しいという認識が一般的だと思います。
前回号ではその理由について、簡単に触れましたが、今週から暫くは可能な限り踏み込んでみたいと思います。
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おはようございます。
今週も早や、金曜日がやって参りました。
さて先日、テレビの報道系番組でビットコイン相場を説明するようなコーナーを偶然目にしました。僅か1年前には10,000ドル前後だった相場が、わずか1年足らずで一時、65,000ドルまで上昇したあと、ここへきて一時32,000ドルまで下げるなど、危ない乱高下が続いている相場について、その要因をいくつか挙げていました。
詳細は聞き流しましたが、報道らしい説明としては、コロナ収束方向を受けて米経済が立ち直り、金融緩和策の解除に向けた思惑や、マイニングに掛かる電気消費が環境対策に反する部分を指摘していたと記憶しています。
コーナー全体の主旨としては一応、暗号資産に対する注意喚起だったと理解しましたが、中心はテスラ社CEOのイーロン・マスク氏の言動が乱高下の一因…的な内容だったという印象です。
そもそもですが、暗号資産を購入した際にその事実を公表すること自体、購入額が巨額だったこともあって相場操縦に近い側面があり言動はかなりグレーでした。ただ、この際の急騰は参加者の多くが歓迎すべきものでしたが、テスラ社製品の購入に暗号資産が使えるとした発表を撤回したことによる急落は、被害者を多数生む結果になったのでしょう。
ただ元々が危うい市場だったことに加え、最近顕著になったハッカー集団による企業脅迫で、求められる身代金決済が主に暗号資産であることを踏まえれば、当局が監視や規制を強化するだろう道筋は見えていましたし、恐らくグレーな発表以降は当局も、CEOに対する対策を進めていたに違いありません。
最終的にはこうした圧力が撤回発表につながったのかもしれませんが、このことを発表すれば相場が暴落するとの予想はCEOならできているはずですから、私なら発表前に売り抜けるでしょう。
いずれにしても、発行額に上限を設けて価値の維持を図っていた暗号資産ですが、結局はそれが仇となって巨額の売買には脆い面をさらしたわけで、元々危うい市場を再確認した格好になったのは皮肉でした。
メンタルの難しさ
前置きが長くなりました。
イグジットが難しい一つの大きな理由として、個人的にはメンタルの部分が強いと思います。
メンタルというよりは「欲」と言った方が近い気もしますが、要するに、過去に「早く手仕舞い過ぎた…」という経験が先に立ち、「もう少し我慢すれば、さらに利益が取れる」といった心情です。
一方で、「このまま一気に下げてしまったらどうしよう…」といった恐怖心が、常に入り乱れるため、相場動向に一喜一憂しがちということから、難しさが生まれるのだと思います。
ではこの「早過ぎた手仕舞い」について、確かに後から見れば早過ぎたわけですが、手仕舞った時は恐らく、何らかの意識があったに違いありません。それはもしかすると前述の恐怖心や、暫く相場を見られない事情によるかも知れません。
ただ、手仕舞いにも明確な根拠がありさえすれば、一旦は手仕舞っても、もしかするともう一度、入り直すことも可能だと考えます。
口惜しい結果にならない方法
例えば、
高値AかBを越えた時点で「承」の開始と判断し、実際に越えたタイミングで買いエントリーをしたとします。
その後、相場は勢いよく上昇し陽線が続いたあと、初めての陰線を作った以降は少し不安定に推移する中、現在は2本目の陰線が決まった状態とします。この時点でもし、次の足で下値を更新するなら、一旦は手仕舞おうという根拠さえ持っていれば、行動はしやすいものです。
と同時に、例え手仕舞いになったとしても、再度上昇するようなら、もう一度入り直すというビジョンも必要です。
ここで言う再上昇の意味については、既にお分かりだと思いますが、高値更新のタイミング…でしたね。
更に踏み込むと、この調整がどこまで下押しすると、再上昇の期待は薄くなる…という目安を同時に持っておくことも重要で、もし再上昇しなければ、「あのカットは正解だった」と割り切ることもできるでしょう。
絶対にやってはいけない対処は、恐怖心などの根拠がない手仕舞いで、これは次につながらず、経験値としても積み上がりません。なぜなら、恐らくこうした手仕舞いには次への対処を持ち合わせていないため、再上昇のタイミングでは恐怖心が残って追いかけられないばかりか、
もう一段の上昇に発展しようものなら、口惜しさだけが倍増することになって記憶に残ってしまい、本格的に反転するような危ない局面に後々遭遇しても、「今度は手仕舞わない」といった最悪の行動につながりかねないからです。
少し横道にそれましたがその後結果は、
結局一旦はストップに掛かりますが、ここまでの高値だったCを越えるタイミングで入り直せることになりますし、もしこのまま下落すれば「転」と「結」が同時に発生したことになり、改めて仕切り直せばよいのです。
何度も繰り返しますが、先に掛かった手仕舞いは損失の確定(ストップロス)ではなく、利益の確定(ストッププロフィット)ですから、メンタル的には「口惜しい」というよりも「勿体なかったな」という範囲で収まる可能性もあり、将来的に出くわすだろう大転換の際にも、同様な行動をとりやすいのでないか、と考えます。
言い換えるとこのシナリオの大前提は、かの手仕舞いがストップロスではない、というのがミソになりますが、だからこそ、
そのためには「承」の早い段階でエントリーする必要があり、私が言う処の「揉み合いは宝の山」たる所以なのです。
最後に
2枚目のチャートの段階で、初期のストップロスは最低でも持値(エントリーした価格)あたりに引き上げておくのが良いかと思います。
そして、ここで使用したチャートは週足のポンド円ですから、足一本の値幅はかなりのモノになります。
もちろん、日足で見れば更に細かい上下が無数にあると思いますが、ラスボス(ゲームで最後に登場する最強の敵)とも言える最後のチャートポイントのAと、一種の確認材料でもあったBに気付けたのは週足だったからとも言えそうです。
というのも日足を見ていて、この間の値動きを俯瞰してみようという発想が恐らく、難しいのではないかと思います。
確かに、実際のトレードで週足を使い切るのはなかなか難しいのは事実ですが、普段から確認する癖だけでもつけておけば、日足以下では見えにくかったポイントを把握できる場合も多々ありますから、是非お勧めしたい分析行動だと思います。
浅野敏郎
P.S.
次回はテクニカル的な難しさを掘り下げてみたいと思いますが、正直なところ、最も難しいパターンは「それが分れば苦労しない」というテーマであることをご了承いただいた上で、お待ちいただければ幸いです。
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もう少し冴えない相場が続く?
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来るべき相場に備えて今が勉強の時間であり、
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2020年は確かに相場に恵まれましたが、
そういう相場は永遠に続きません。
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