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(矢口新)プーチンの行動は正当化できるか?

こんばんは、矢口新です。

世界は皆で集まってロシアを責め、
政府、民間を問わずロシアを制裁しています。

また、ロシアやベラルーシのスポーツ選手や芸術家、
一般人たちも世界的な「いじめ」にあっている一方で、
ロシア国内からも戦争反対の声が聞こえてきます。

しかし、世界は米国がウクライナを
NATOに加盟させようとしていたことも知っています。

米国の立場は、我々が目にしているメディアの報道、
イラクやアフガニスタンで行ってきた現実、
アサンジやスノーデンが暴いてきた「国家機密」で、
おおよそのところは分かります。

米国はロシアを世界の孤児とし、徹底的に叩くとしています。

JPモルガンは、
ロシア経済は制裁を受けて35%落ち込みました。

では、ロシアは反撃などせずに、
国境線まで迫る仮想敵国にひたすら耐えるべきだったのでしょうか。

そこで、ロシアの立場を見ることで、
どうして同朋のウクライナを攻撃することになったのかを考えてみます。


1つ目は、
米国相手には勝てる見込みがないこと。

2つ目は、
世界相手の資源戦争にウクライナが必要だったこと。

3つ目は、
クリミア以来の懸念を一気に解決したかったから。

4つ目は、
ウクライナが敵側に回ることの波及効果です。

1つ目は、言うには及ばないでしょう。

経済力、軍事力、仲間の多さ、
どこをとってもロシアは米国の敵ではありません。

それでも大国間の戦争ゲームにロシアが参加できているのは、
核弾頭の数では勝っているからです。

プーチン政権が「核」の使用をちらつかせるのは、
それしかないからです。

2つ目も、希少金属や穀物で、
ロシアがウクライナを取り込むことの意味は大きいです。

例えば、半導体製造に不可欠なネオンは7割をウクライナに、
自動車の主要部品に使うパラジウムの4割はロシアに依存しています。

西欧諸国への天然ガス供給でも、
ウクライナ経由のパイプラインは依然として大きな存在です。

3つ目は、国家安全保障の観点から、
軍事的に海軍基地のあるクリミアを手放す選択肢がない以上、
そして世界もウクライナもそれを認めない以上、
ウクライナも一気に手に入れた方が先への禍根を残すことが少ないです。

4つ目が、プーチン政権にとっての最大の脅威だと思われています。
ウクライナが敵方に回ると、次はベラルーシです。

イラクやアフガニスタンの侵攻前には、
サダム・フセインやタリバンの蛮行がさかんに喧伝されました。

私自身、バーミヤン遺跡の破壊には意味もなく憤った記憶がありますが、
米軍はメソポタミア文明の遺跡をもっと大掛かりに破壊しました。

同じように、ウクライナの親米政権誕生の前には、
前政権の腐敗がさかんに喧伝されました。今は、ベラルーシです。

私などは日本の政治家たちも十分に腐敗しているように思いますが、
親米である限り、世界的な問題とはされません。

それはそうです。
欧米の政治家たちも負けず劣らず腐敗しているのですから。

では、ウクライナとベラルーシをNATOに加盟させれば、
米国のロシア包囲網は終わりなのでしょうか?

私にはそうは思えません。
次はロシア連邦です。

「ロシア連邦には22の共和国がある。国内にはロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人の他に、トルコ系のウズベク人、シベリアや極東の少数民族なども存在し、合計で100以上の民族がある。公用語はロシア語だが、少数民族の言語も存在する。宗教はキリスト教徒が人口の60%を占め、その大半がロシア正教会の信者である。イスラム教徒も人口の8%ほどおり、仏教徒も存在する」。(ウィキペディアより)

先ほど、ロシアにとってウクライナの重要性、
身近さは日本の沖縄や九州にも匹敵すると例えましたが、
ロシアの状況と比べるならば、西日本と東日本でもいいです。

ロシアとウクライナは、
ロシアと他のどの連邦構成諸国よりも国境を除く
ほぼすべての面で近いのです。

これらの共和国の首長たちが次々と「腐敗」し、
クーデターが起き、独立し、続々とNATOに加わればどうなるでしょうか。

その多くは資源大国でもあります。

では、
ロシア共和国だけになれば終わるのでしょうか。

過去、数十年間の世界情勢を見ると、
そうはならない可能性を示唆しています。

イランがそうであるように、
ロシアは核放棄を迫られる可能性があります。

ベネズエラのように体制の変革を迫られる可能性です。
それまではずっと経済制裁が続きます。

そして、核を放棄すれば、
イラクやアフガニスタンのようになる可能性すらあるのです。

ウクライナは、
そうなる前のぎりぎりの歯止めとしてロシアに
「いけにえ」にされました。

人権や国家主権などは考慮されません。
大国間の戦争ゲームなのです。

国家の安全保障を預かる立場で、
現状の世界情勢から想定される危機を未然に防ぐという意味では、
プーチンの行動は正当化できます。

また、「身内同然のウクライナでさえこんな目に合わせるのだから、
人種も宗教もまったく違う他の共和国が許されると思うな」、
これが、プーチンがロシア連邦の同朋に送ったメッセージです。

狂っているのはプーチンだけではありません。

私が見る大国間の戦争ゲームは、
狂人たちのゲームなのです。

<講師プロフィール>

矢口新(やぐち あらた)

1954年生まれ。
金融業界の第一線で30年以上にわたり活躍し続け、
プロディーラーにも師と仰がれる天才ディーラー。

東京・ニューヨーク、ロンドンと世界3大金融市場で活躍し、
さらには為替、債券、株のすべてに関わるという
非常に稀有なキャリアを持つ。

相場を動かすプロの裏の裏まで知り尽くしており、
投資を真剣に学びたいという意欲ある方々との交流にも熱心。

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※上昇銘柄の推奨などではありません。

※投資の学校の全講師の手法に使える、
銘柄選びの考え方です。

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売買の際には、ご自身でチャート分析、
ファンダメンタルズ分析を行っていただき、
売買をする際には自己責任にてお願いします。

【1】レーザーテック(6920)
株価(終値):17,450
日付:3月8日
売買代金(千円):167,220,800

【2】三井住友フィナンシャルグループ(8316)
株価(終値):3,683
日付:3月8日
売買代金(千円):93,611,260

【3】三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
株価(終値):657
日付:3月8日
売買代金(千円):67,148,280

【4】日本電産(6594)
株価(終値):9,144
日付:3月8日
売買代金(千円):32,855,390

【5】日本航空(9201)
株価(終値):1,832
日付:3月8日
売買代金(千円):32,372,150

*ランキングは売買代金の
総額に基づく順位を示したものです。

*この銘柄一覧は、
特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

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