(水上紀行)抑えておきたい流動性リスクについて
こんばんは、
水上紀行です。
今日は流動性リスクについて
お話ししたいと思います。
流動性とは、
交換のしやすさを言います。
この流動性が一般的に高いとされるのは、
EUR/USDやドル/円です。
これらは、平時はもちろん、
有事においても、平時の時と同じとはいきませんが、
それでも十分流動性があります。
その意味からは、
安心してトレードができる通貨ペアだと言えます。
それに対して、タイバーツとかトルコ・リラといったマイナーカレンシーや、
クロス円は、流動性が一般に低く、
平時であれば、それでもある一定の流動性はありますが、
有事ともなれば、極端に流動性が低下します。
特に日本では、クロス円に人気がありますが、
実はクロス円には怖い一面があります。
2008年9月のリーマンショックの時には、
たとえばAUD/JPYなどは、3ヶ月間で約45円急落しました。
それは、リーマンショックで株が急落したことから、
その株の損失を穴埋めするために、
当時活発に行われていた低金利の円を売って高金利通貨を買う、
いわゆるクロス円で行われていたキャリートレードの益出し(手仕舞い)でした。
つまり、損失を出しているものと利益の出ているものとの合わせ切り
(同時に抱き合わせで切ること)で損失を薄めるという意味で、
クロス円の売りが集中的に出ました。
クロス円でも、EUR/JPYやGBP/JPYあたりは、
そこそこ流動性はあったものの、
その他のクロス円は流動性以前の問題として、
クロス円としての直接取引はなく、
たとえばNZD/JPYで申し上げれば、
NZD/USDとドル/円から算出される理論値でしかありません。
それが、有事ともなれば、
ドル/円にまだ流動性があっても、
NZD/USDの流動性は極端に低下するため、
結局、とんでもないレートでの決済となります。
このように、NZD/JPYのような理論値からできたクロス円は、
有事では極端に流動性が低下しますので、
大変危険であることを十分了解した上でトレードする必要があります。
<講師プロフィール>
水上紀行(みずかみ のりゆき)
バーニャマーケットフォーカスト代表。
1978年三和銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行。
1983年よりロンドンや東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。
東京外国為替市場で「三和の水上」の名を轟かせる。
1995年より外資系銀行において為替ディーラー及び外国為替部長などの要職を経て、
現在は、外国為替ストラテジストとして雑誌、テレビ、ラジオなどで活躍中
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売買の際には、ご自身でチャート分析、
ファンダメンタルズ分析を行っていただき、
売買をする際には自己責任にてお願いします。
【1】東京エレクトロン(8035)
株価(終値):55,190
日付:4月7日
売買代金(千円):89,928,260
【2】本田技研(7267)
株価(終値):3,217
日付:4月7日
売買代金(千円):28,125,530
【3】アドバンテスト(6857)
株価(終値):8,690
日付:4月7日
売買代金(千円):25,232,150
【4】ダイキン工業(6367)
株価(終値):20,490
日付:4月7日
売買代金(千円):25,090,790
【5】セブン&アイ・HLDGS(3382)
株価(終値):5,807
日付:4月7日
売買代金(千円):24,940,210
*ランキングは売買代金の
総額に基づく順位を示したものです。
*この銘柄一覧は、
特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
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