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ポートフォリオ運用は様子見の方がいいのか?

Q:
銘柄入れ替えの判断基準として、
チャートの形が少しでも崩れたらという事ですが、
最近のように特定の出来事に起因する地合いの悪さが原因で
東証全体が下がったような場合は様子見でも良いでしょうか?

たとえば、ウクライナ侵攻報道直後はほぼ全面安になったため、
その日のローソク足は大陰線といえども、急反発する可能性も充分あったと思います。

このように個別銘柄の事情とは全く別の要因が明らかになっているような場合は、
様子見なのか、それともそれはそれでいつもと同じように判断していけばよいのか、
どのように考えると良いでしょうか?

A:
このところの相場は、
誰もが経験したことがないことが続いています。

ウイルスや細菌がもたらす感染症は、人類誕生と共にあったものですが、
その対策として「経済全体を止めるということは、人類史上初めて」のことでした。

もっとも、病気の原因がウイルスや細菌などの微生物であると分かったのも、
19世紀の半ば以降のことなのですが。

また、グローバル化の後に来た、
対ロシアへの「世界的な経済制裁も初めて」の経験です。

特に、SWIFTと称する銀行間の国際決済システムからロシアを排除したことは、世界が分断化していく暗示に留まらず、米国が自分で構築した米ドルを使い易くするシステムを自ら否定したことでした。

もっとも、マイナス金利政策や、マイナス利回りも、合理的には有り得ないことが起きたものでした。多くの国々が未曽有の資金供給も行いました。

それらが今年からは反転し、正常化の名のもとに、利上げラッシュ、資金の吸収が始まっています。

これらのことで、はっきりと言えるのは、市場は右往左往する。ボラティリティが高まるということで、おっしゃる通り、「大陰線といえども、急反発する可能性が充分ある」、「大陽線といえども、急落する可能性がある」ということです。

誰もが分からないという相場が続いています。とはいえ、ではこれまでは思い通りの相場だったのかと言えば、そう言い切れる人はいないでしょう。

その意味では、相場はいつも手探りなのですが、前に進む手助けとなってきたのはローソク足などのチャートでした。

中長期投資やポートフォリオ運用での様子見を否定することはありませんが、それどころか当然なのかも知れませんが、それでも前に進みたいと思った時には、いつも通りに「チャートの形」で判断するしかないと思っています。

<講師プロフィール>

矢口新(やぐち あらた)

1954年生まれ。
金融業界の第一線で30年以上にわたり活躍し続け、
プロディーラーにも師と仰がれる天才ディーラー。

東京・ニューヨーク、ロンドンと世界3大金融市場で活躍し、
さらには為替、債券、株のすべてに関わるという
非常に稀有なキャリアを持つ。

相場を動かすプロの裏の裏まで知り尽くしており、
投資を真剣に学びたいという意欲ある方々との交流にも熱心。

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