(水上紀行)イギリス人の行動力
こんばんは、
水上紀行です。
日本にいると、英国と欧州大陸は、
単に英仏間の狭いドーバー海峡によって、
ユーラシア大陸の西にある島国と大陸に別れているのに過ぎないと見えることと思います。
しかし、メンタル的には、
英国と欧州大陸は全く違う文化圏で、
別物と見る必要があります。
英国は米国に近く、あたかも、
英国と米国は狭いドーバー海峡ほどの距離感しかないのに対して、
英国と欧州大陸は広い大西洋ほどの距離感があります。
たとえば、この英国と米国との近接した距離感の例としては、
GBP/USDをケーブル(Cable)と呼びますが、
それは世界で初めて電信による通貨取引が、
ロンドン・ニューヨーク間で1800年代中頃に大西洋横断海底ケーブルを使って始まったことに由来しており、
英国と米国のつながりの深さを示すとともに、
それが連綿として現代も続いていることを表しています。
また、イギリス人の頭の中の世界の広さは、
日本人が思う世界の広さより狭く、
だからこそ世界各地で彼らは全く自然に活動しているのだと思います。
それは、世界中に植民地を展開し「日の沈まぬ国」と呼ばれた大英帝国が、
現代のイギリス人に残した財産だと思います。
第2次大戦後、ほとんどの植民地は英国から独立していきましたが、
人的なコネクションや商取引の交流は絶えることなく存在しています。
こうしたワールドワイドなイギリス人の行動力には、
学ぶべき点が多いと思います。
<講師プロフィール>
水上紀行(みずかみ のりゆき)
バーニャマーケットフォーカスト代表。
1978年三和銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行。
1983年よりロンドンや東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。
東京外国為替市場で「三和の水上」の名を轟かせる。
1995年より外資系銀行において為替ディーラー及び外国為替部長などの要職を経て、
現在は、外国為替ストラテジストとして雑誌、テレビ、ラジオなどで活躍中
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