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うれしい思い出

こんばんは、
水上紀行です。


小学生の作文の題名のようなタイトルで恐縮ですが、
私が、ディーラーをやっていてうれしかったことはいろいろありますが、
その中でもとてもうれしかった思い出をお話します。


私が、ニューヨークにいた時、マーケットレポートを毎日書き、
それを東京にファックスし、受け取った東京が
それを国内のお客様に再ファックスしていました。 


きっかけは、日本出張の際にお訪ねしたある機関投資家の運用部長さんから、
「ニューヨークマーケットの状況がコンパクトにまとまったデイリーレポートがほしい」
というご希望を頂いたからでした。


内容は、今思えば、稚拙なものでしたが、
為替のレンジ、経済指標発表の結果、マーケット動向、
そして最後に見通しをまとめたA4一枚もので、これを毎日日本に送っていました。


特に、見通しに全精力を傾けて書きましたが、
今見直してみると、悪筆の上にファックスの再ファックスでしたから、
お客様のお手元に届いた時には、相当に読みづらいものだったと思います。


そうして、書き始めたのはいいのですが、ニューヨークで書いても書いても、
国内のお客様がどういう反応をされているのか全くわからないままに、
たたひたすら書き続けていました。


書き始めて、1年ぐらいたった頃に、
再び日本出張となり、ある京都の超優良メーカーさんをお訪ねしました。


そうしましたところ、財務担当の常務取締役の方が、
「水上さん、よく来た、よく来た。」と前年にお邪魔した時には、
けんもほろろだったのがウソのような歓待ぶりで、
さらにこれからの相場見通しを同席した他のお偉方に話してくれという有様で、
その時始めて「ああレポートの効果なんだ。書き続けていて良かった。」
と実感したのでした。


このことで学んだことは、小手先に走らず、
ただ継続は力と信じてやり続けることがいかに大事かいうことでした。


この一件は、為替ストラテジスト(為替の投資戦略を考える専門家)としての道への
第一歩だったと後になって気づきましたが、
あの時認めてもらえたことが本当に励みになりました。

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