
悪魔に感謝やね
こんばんは、矢口新です。
評判の歌舞伎映画があると言うので、久しぶりに映画館に出かけた。映画館は近所にあるのだが、最近はアマゾンプライムで名画の数々を観ていたので、何となく遠退いていたのだ。
評判がいい、歌舞伎の映画、だというだけで、話の筋も出演者たちも知らずに、「勉強にはなるだろう」と出かけたのだが、ラッキーだった。凄い映画を観た。出演者も好みの役者たちが多く出ていた。
ネタバレになると、興醒めだと思う人がいるかも知れないので、映画については最小限しか触れないでおく。もっとも、私自身が観た後で、他の人はどう感じているのか気になったので読んだコメントだけを紹介しておく。
参照:映画≪国宝≫に歌舞伎俳優も驚嘆! 「歌舞伎の松竹」ではなく「東宝」の配給で成功した理由
https://toyokeizai.net/articles/-/887358
観た後で、最初に会った人間が孫娘だったのだが、「悲しそうな顔してるね。どうしたの?」と言われた。その後、スカッシュ仲間にも勧めたが、勧めながら何故か悲しい気持ちになってくる。悲しい映画という訳でもないのにだ。書いている今もそうだ。しみじみとしてしまうのだ。
映画としての出来栄えは、日本映画最高傑作の1つではないかと思う。まず映像が美しい。音楽も効果的だ。話の展開、役者たちの演技、どれをとっても素晴らしい。しかし、私などの心に最も沁み込んできたのは、1つのものを極めていく人間の生き様だ。フィクションなのだろうに、生き様が伝わってくるのだ。
思えばこの年になって、如何にも自分が中途半端な生き方をしてきたかを痛感している。何かを極めたいと思いながら、そこまで出来なかった自分を感じている。それでも良かったのだと思いながらも、もっと出来たのではないかとの思いも消えない。
おそらくこの映画は、観る人によって違うものを与えてくれると思うが、多くの人々に、その人が欲しがっていたものを、特上の形で与えてくれるのではないか?
例えば、私の当初の目的であった「勉強になる」という意味でも、特上の満足感を得られた。その部分を上記の参照コメントから引用する。
(引用ココから)
歌舞伎俳優の間でも評判なほどの出来ということだ。映画では当然、舞台上のシーンも数多い。映画に登場する主な演目は下記のとおりだ。
積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)
藤娘(ふじむすめ・舞踊)
二人道成寺(ににんどうじょうじ・舞踊)
曽根崎心中(そねざきしんじゅう)
鷺娘(さぎむすめ・舞踊)
どれも歌舞伎の名作と言われる演目だ。
(引用ココまで)
この映画に感じたことは色々あるが、私にとっての一言で表すならば、映画の中にあった一言、「悪魔に感謝やね」となるだろう。
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