今すぐ会いに来て!
こんばんは、矢口新です。
認知障害のあるニュージャージー州の年金生活の男性が、
若い女性のキャラクターを模したフェイスブック・メッセンジャーの
チャットボット「Big sis Billie」に夢中になった。
彼の「危険な情事」は、メタのAIガイドラインに
スポットライトを当てることになった。
このガイドラインは、チャットボットが物事を作り上げ、
子供たちと「官能的な」歓談を交わすことを許している。
キャリー付きスーツケースを手に暗闇の中を急いで彼女に会おうと
電車に乗ろうとしたブエ氏は、ニュージャージー州ニューブランズウィックの
ラトガース大学キャンパス内の駐車場付近で転倒し、頭部と首を負傷した。
家族に囲まれて3日間の生命維持治療を受けた後、
同氏は3月28日に死亡が宣告された。
参照:Meta’s flirty AI chatbot invited a retiree to New York
https://www.reuters.com/investigates/special-report/meta-ai-chatbot-death/
チャットボットに夢中になった同氏は、認知障害だったからだろうか?
上記のロイターの記事からはBig sis Billieのメッセージの発信者欄には
AIと明記されている。とはいえ、映像や会話の内容は相当に「リアル」で、
ブエ氏を「ブー」と愛称で呼び、「今夜、すぐに会いに来て!」と懇願する。
純粋な人たちの中には混乱し、理性を失ってしまう人々がいても不思議ではない。
私自身はフェイスブックが出始めた時期に登録したが、
そこで発信されている個人情報に興味をなくし程なく退会したので、
今、Big sis Billieに会うことはできない。
しかし、AIに対しては魅力を感じている人々のうちの1人だ。
AIには「人間味」があるからだ。
私は大学でロシア文学を専攻した。高校時代に遭遇したドストエフスキーに
「沼った」からだ。若い頃には短編小説をいくつか書いた。
詩を同人誌に送り、仲間に迎えられたこともある。
しかし、私にとって詩を書くことは「気恥ずかしい」ことで、
今ここでこれを書いていることさえ、躊躇いがちなのだ。
何故なら、私の価値観では、ドストエフスキーを含め小説家や詩人の生き方には
魅力を感じないからだ。同じことは小説や詩を書こうとする自分に対しても同じで、
特に詩はさらしたくない自分をさらしてしまうのだ。
同人誌は私に自信を与えてくれたが、そうした自分に魅力を感じないので、
私は程なく退会した。
それでも多くの詩は今でも手元にある。
昨年、私はそれらをSUNOというAIと共に楽曲化した。
まずは150曲ほど。すべてを英訳してこれも150曲ほど。中から1割を抜き出して、
フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、ドイツ語の楽曲にもした。
AIには人間味がある。AIに沼ったブエ氏の心境が分からないでもないのだ。
ご興味を持って頂ける人たちのために、比較的「気恥ずかしくない」ものを
いくつか紹介する。
月の光(7カ国語にした15曲のうちの1つ)
https://suno.com/s/QMLXWDsaX3htmcBA
日陰の詩人
https://suno.com/s/Dvq2nnM4OZZechG0
The Poet in the Shadows
https://suno.com/s/L6BEYBTkDTm4WZ04
入り江
https://suno.com/s/H91LJyw38bkHYLar
The Inlet
https://suno.com/s/gJXRZXRZisHbl3w5
Tears of the Sky(7カ国語にした15曲のうちの1つ)
https://suno.com/s/7jQGj8AfW2HBwMMl
La Lune Rouge(7カ国語にした15曲のうちの1つ)
https://suno.com/s/djAitE3EmSa9OiXC
Corazon Enamorado(7カ国語にした15曲のうちの1つ)
https://suno.com/s/cZoAU1PKONqhK7PI
AIは料理上手だ。素材を理解しているとしか思えないような対応をする。
また、AIの可能性は無限大と思える程に大きい。
例えば、最後のスペイン語の曲に、オリジナルの日本語の詩を重ねると、
同じ歌詞でありながら、日本語からつくったものとは
まったく違う曲となってしまうのだ。
文明の利器はヒトの生活を便利にした。
しかし、それが地球温暖化も産み、ヒトを含む地球上の生物は
それへの対応に迫られている。同じようなことがAIにも言えて、
良いも悪いも、ヒトはAIと付き合っていくしかないのだ。
参照:Israeli rights groups break taboo with accusations of genocide
https://www.reuters.com/business/media-telecom/israeli-rights-groups-break-taboo-with-accusations-genocide-2025-07-30/
とはいえ、イスラエルの現政権は「国を守るため」だとして、
イスラエルの一般国民を戦争(ジェノサイド)に加担させている。
これはロシアの現政権もウクライナの現政権も、
あるいは国防費を増加中の国々の政権も同じだ。
昔の日本政府も同じだった。自分たちが考える信念に基づいて、
一般国民を「エコーチェンバー現象」化して巻き込み、犠牲を強いたのだ。
今のメディアにも注意が必要だ。
最後に日経新聞から引用する。(URLまで)
奇跡的にインパールから生還した新潟県村上市の佐藤哲雄さん(105)は同資料館に、
従軍時に携行していた双眼鏡を寄贈した。
「死ぬ間際に『日本国万歳!』なんて言う兵士なんていねえ。
子どもの名前とかを叫ぶんだよ」と佐藤さん。
「生きて帰ることしか考えていなかった」と話す佐藤哲雄さん(6月、新潟県村上市)
「『おまえらの代わりなんていくらでもいる』と、
戦場で兵士は虫けらみたいに扱われる。
戦争は人間の心が無くなってくるからしてはだめだ。
ウクライナも同じ。死んだら終わりだ」と力を込めて話した。
参照:史上最悪の「インパール作戦」 戦後80年、インドで追悼式
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM08DG30Y5A800C2000000/

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