判断ではなく、反応
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こんばんは、矢口新です。
米S&P500とナスダックが連日で最高値を更新した。
ナスダックは91年1月以来の13連騰で、
上げ率は歴代トップの勢いだった。
米株は、2月末の米国とイスラエルによる
イランへの抜き打ち攻撃、
それに対するイランの報復で、
約10%値下がりした。
しかし、3月末になって、
支持率が大きく低下したトランプが期限付きの停戦、
和平交渉開催を提案、そもそも戦争を望んでいなかった
イランが前向きの対応を示したことから急反発を始めた。
先週金曜日の上昇も、
イランがホルムズ海峡を開放するとの報道で
原油価格が下落したことを好材料視したものだ。
一方で、ホルムズ海峡をオマーン湾側で
封鎖している米国は、その時点では封鎖を解いておらず、
タンカーの運航はまだ阻害されたままだ。
和平交渉も進展が見られている訳ではない。
また、約7週間にわたる攻撃の応酬で
当地の石油施設の多くは破壊されており、
仮に今、戦闘が終結したとしても、
原油や天然ガス供給の復旧には
数年単位の時間がかかるとされている。
つまり、原油と天然ガスの供給は途絶えたまま、
回復の目処さえ立っていないので、
米株4月の急騰は根拠に乏しいものだと言える。
もっとも、ペルシャ湾岸の原油や天然ガスがなくても、
世界はやっていける。
ホルムズ海峡の内側、ペルシャ湾岸だけが
原油や天然ガスを供給している訳ではないからだ。
原油の確認埋蔵量ではサウジアラビアが2位、
イランが3位だが、1位は遠く離れた南アメリカのベネズエラだ。
天然ガスの産出量では、3位がイラン、
6位がカタールではあるものの、
1位は米国、2位はロシアなのだ。
その意味では、イランのホルムズ海峡封鎖で
最も大きな打撃を受けるのは、
イランを含むペルシャ湾岸諸国だ。
そのため、イラン側は和平を望んでいるのだが、
米・イスラエルは「ペルシャ文明が地上から消え失せてもいい」
とまで思っているので、
何らかの解決の糸口を探っている状態だと
見ていていいかも知れない。
では、これまで世界一のエネルギー供給量だった
ホルムズ海峡封鎖の影響が世界経済にとって
軽微なのかと言えば、そうではない。
世界はやってはいけるが、コストは大幅に上昇する。
米国でも上昇するが、特に、エネルギー依存度が主要国で
最も高い日本のエネルギーコストは大幅に上昇する。
また、世界供給の3割が
ホルムズ海峡を通るとされている
肥料価格の上昇は、そのまま食料価格の上昇に繋がるので、
主要国で食の依存度が最も高い日本の輸入コストも上昇する。
日本のエンゲル係数は30%を超えているが、
それが更に上昇し、家計の購買力を減少させることになる。
加えて、そうした輸入価格の上昇は貿易赤字の拡大に繋がり、
円安を進展させるので、それがまた円建ての輸入価格を
押し上げるというスパイラルにも繋がっていく。
それでも、日本株も最高値を更新した。
とはいえ、2月末からの上昇銘柄はS&Pで4割弱、
日経は2割に過ぎない。
つまり、投機的に買われているのだ。
なぜ、根拠の乏しい材料でここまで株価が上昇するのか?
それは、多くの投資家が、
そうすることでしか身を守る術を失っているからだ。
勢い良く上げているものに売り向かうのは自殺行為だ。
自分の判断を殺してでも、価格の動きに反応する必要があるのだ。
株価だけではない。原油や天然ガスの先物など、
インサイダー筋が扱っている商品全てに当てはまる。
現状では、少なくとも株価先物、原油先物、天然ガス先物などは、
トランプ発言で大きく動いている。
発言を受けてというより、発言の前から動き始めるので、
明らかなインサイダー疑惑が浮上している。
インサイダーや相場操縦は犯罪であるはずだが、
トランプ政権下ではそうだとも言い切れない。
金融詐欺ですら、
犯罪とは見なされない可能性すらあるのだ。
トランプが大統領になって真っ先に行ったのは
SECのゲンスラー会長の解任だった。
法治国家ならば当たり前のことなのだが、
同氏は不正に厳しく、
仮想通貨市場などで多くの金融詐欺を摘発した。
ところが、トランプがゲンスラー解任の次に行ったのは、
金融詐欺で服役していたバイナンス創業者の恩赦だった。
個々の例を上げれば切りがないほど、
トランプの法律軽視は今に始まったことではない。
法律は誰かが作ったもの。守れないような法律は変えればいい。
これは同氏の世界観に根差したものなので、
どうこう言っても始まらないのだ。
和平交渉に関しても、
トランプ発言が出た時には相場の方向が決められている。
それは「力による平和」に共通した相場操縦だとも言え、
反論する余地がない。
それ以上の力がないのなら、
判断しても仕方がないのだ。
相場で生き残りたいのなら、反応するしかないのだ。
このことは、この最高値更新が
ほとんど何の意味もないことを示唆している。
今週に続伸するのか、
あるいは3月の安値を更新に行くのかは、
トランプ・インサイダーだけが決められることを示唆している。
パレスチナやイランの人々の運命をトランプが
決めているのと似たような状況だ。
相場で我々にできることは、判断ではなく、反応なのだ。

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