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国の都合で株価は動くのか?

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こんばんは、矢口新です。

先週(4月20日~24日)、日経平均と、
S&P500、ナスダックが最高値を更新した。
台湾や韓国の株式指数も最高値を塗り替えた。
トランプ・トークを除いてはイラン情勢が
収束する気配が見られず、
エネルギー価格の上昇や原材料不足が
景気後退に繋がるとの懸念がある中での株高だった。

中国株は同じように堅調だったが、
一方で、欧州株やインド株指数などは弱含んだ。

そうしたことからか、
投資家の方から、次のような質問を頂いた。
「中国や米国の“国の都合”で、
株価が意図的に動かされることってあるんですか?」

結論から言えば、
政策、制度、地政学、市場心理(トランプ・トーク)などを通じて、
国は株価に大きな影響を与えている。
中国と米国だけでなく、日本の政策も株高に大きく貢献してきた。

日本の場合は、日銀が世界の中央銀行で唯一、
民間企業の株式を保有している。
アベノミクス、黒田日銀によるETFやREITの大量購入だ。
単体の機関では、日銀が日本企業最大のオーナーなので、
株価を意図的に高くしてきた事実は明らかだ。

また、世界的な株高に共通しているのは、
国による大量の資金供給で、
結果としての通貨安が物価と株価の上昇に繋がった。

ここでは、質問に答える形で、
米中による「株価操作」を解説する。

1、操作主体

株価に影響を与え得る主体は、
政府、中央銀行、規制当局、政府系ファンドなどで、
時には軍事や外交当局まで含まれる。

米国:政府(大統領・財務省)および
FRB(連邦準備制度理事会)。
また、対外規制などを決める議会も
強力なプレーヤーだ。
政策だけでなく、発言でも市場を大きく動かしている。

中国:国家資本主義の仕組みそのものが主体だ。
共産党、政府、中国人民銀行、中国証券監督管理委員会、
直接的な市場介入を行う「国家隊(ナショナル・チーム)」
と呼ばれる政府系金融機関などだ。

2、何が起きるのか

税制、財政政策、金利操作、資金調整、関税政策、
ハイテク産業(AIや半導体)やエネルギー産業、
軍事関連などの国家戦略、
場合によっては市場安定化措置などによって、株価が大きく動く。

株価指数の下落阻止、
特定セクターの株価押し上げ、
あるいは逆に規制強化による意図的な
株価抑制(中国のアリババへの締め付けなど)が起きる。

3、操作対象

ニューヨーク証券取引所、ナスダック、
上海・深セン証券取引所などの株式市場だけでなく、
債券、為替、商品、先物などの各市場。

米中操作の影響は香港市場や
日本市場にも波及する。
「米中対立」では、ADR(米国預託証券)を通じた
中国株の扱いや、規制一つで
中国企業の株が上場廃止に追い込まれることもある。

4、理由と目的

通貨、マクロ経済、雇用市場などの安定。
安全保障、政治体制維持(国家の威信と安定)、覇権争いなど。

米国:経済的覇権の維持。
制裁リストを使って、敵対的国や企業の資金源を断ち、
優位性を保つ。大統領支持率の維持。

中国:共産党の正当性維持が最優先なので、
経済政策の失敗を意味しかねない株価の暴落は避けたい。

5、タイミング

米国:選挙・経済危機・金融不安の局面。

中国:党大会など国家行事の前後。

また、平時よりも、危機時に起きやすい。

6、手法

米国:金利操作、関税・制裁の発表、
要人発言(口先介入、センチメントを操作)。

中国:買い支え。売り禁止・空売り規制。
審査・規制の緩急。

7、結果

数百兆円単位の時価総額が、
一夜にして吹き飛ぶことも、逆に官製相場で急騰することもある。

これで分かるのは、
株式指標は単なる企業の業績指標ではなく、
国力のバロメーターであり、
外交のカードでもあることだ。
いうなれば、市場は「政治の戦場」でもあるのだ。

どの国も「市場は完全に自由ではない」という点では同じで、
自由市場という建前を維持しつつ、
土壇場では自国の国益「国の都合」を最優先して
市場を強引に操作しているのが実情だ。
株価は企業業績だけでなく、
こうした「国家の事情や意思」も反映しているのだ。

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