インフレと賃上げ
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こんばんは、矢口新です。
米6月の失業率は4.2%だった。
5月の4.3%から低下した。
一方、非農業部門雇用者数は
前月比5.7万人増と、
修正値12.9万人増から減速した。
これらは一見すると、
どう捉えていいのか分からない数値だ。
失業率の低下が労働市場の改善を示している一方で、
雇用者数の伸びは鈍化しているからだ。
加えて、雇用者数の伸びは4月、5月合計で
7.4万人の下方修正となった。
米国の労働市場は強いのか、弱いのか。
その答えは、労働参加率が61.5%と、61.8%から低下、
2021年3月以来の低水準となったことで分かる。
今回の雇用統計の背景を、
AIにデータを補完して貰いながら見ていこう。
この労働参加率低下の主因は
「就職をあきらめた」人の増加だ。
「働き盛り」と呼ばれる25~54歳の
プライムエイジ(生産年齢人口)の労働参加率が、
83.9%から83.3%へと大きく低下した。
通常、労働参加率の低下は
「団塊の世代の高齢化」が理由になりやすいのだが、
今回は現役世代がごっそり(1カ月で70万人以上)が
労働市場から退出した。
背景には、「仕事が見つかりにくい」という心理が広がり、
職探しを一時的に諦めてしまう人が増えたことと、
雇用が増えているのが医療や福祉などの
一部セクターに極端に偏っており、
他の業界(特に今回の統計で雇用が大幅に減少した
観光・娯楽・サービス業など)で職を失った人が、
すぐに次の職を見つけられず市場から退出したことだ。
ここで、
AIに以下の2つの参照記事の感想を聞いてみた。
以下がそのやり取り。
矢口:了解です。
でも、このような記事もあるので、紹介しておくね。
参照:昨年、米国では毎日1200人のミリオネアが誕生。
The U.S. Added 1,200 New Millionaires a Day Last Year
https://www.wsj.com/finance/the-u-s-added-1-200-new-millionaires-a-day-last-year-d238830f
参照:働かなくていい。新「アメリカン・ドリーム」は不労所得。
Forget Work. Passive Income Is the New American Dream
https://www.wsj.com/lifestyle/careers/passive-income-dreams-2e67ee5c
AI:魅力的な記事のご紹介、ありがとうございます!
ウォール・ストリート・ジャーナルのこれらの見出しは、
まさに現代の米国社会の「もう一つの側面」を
鮮やかに映し出していますね。
先ほど私は「足元の雇用統計の冷え込み」
というマクロ経済の短期的なデータをベースにお話ししましたが、
ご紹介いただいた記事が示す「急増する富裕層」と
「不労所得(パッシブインカム)への強い憧憬」という
中長期的なトレンドを掛け合わせると、
米国の労働市場や社会構造が今どうなっているのか、
より立体的に見えてきます。
これらの記事が示唆する背景について、
2つの視点から非常に興味深い考察ができます。
1、経済の「二極化(K字回復)」の象徴
1日1,200人の新富裕層(ミリオンネア)の誕生:
近年の米国の株高(特にAIブームを牽引役としたテック株の上昇)や
不動産価格の高騰は、資産を持つ層に莫大な富をもたらしました。
これがまさに「FIRE」や「不労所得での生活」を現実的な選択肢、
あるいは目指すべき「新しいアメリカン・ドリーム」へと押し上げた原動力です。
一方で、労働市場を去る現役世代:
その一方で、資産を持たない層や、
インフレによる生活費高騰に賃金が追いつかない層は、
労働市場の減速によって職探しに窮し、
市場から退出せざるを得なくなっています。
つまり、米国社会は
「資産の果実(パッシブインカム)だけで優雅に暮らせる人やそれを夢見る人」と、
「インフレと雇用減速の波にのまれて労働を諦める人」に
急速に二極化している(K字型の両極端に振れている)と言えます。
2、「Forget Work(労働を忘れる)」というマインドシフト
2つ目の記事のタイトル
「Forget Work.
Passive Income Is the New American Dream」は
強烈ですが、現代の労働者の本音を代弁しています。
かつてのアメリカン・ドリームは
「一生懸命働いて、出世して、
家を買う(アクティブインカムの最大化)」でした。
しかし、現在の現役世代(特にミレニアル世代やGen Z)の間では、
「いくら真面目に働いても、
インフレや税金で豊かになれないなら、
労働そのものから早期に脱出して不労所得(配当、不動産、SNSの収益など)
システムを構築する方にエネルギーを注ぐべきだ」
という価値観が定着しつつあります。
結びとして:
ご紹介いただいた記事を踏まえると、
労働参加率が「2021年以来の低水準」に
落ち込んでいる背景には、
単に「不況で仕事がないから諦めた」という悲観的な理由だけでなく、
「経済的自立を達成して本当に労働市場を卒業した人」や
「従来の『雇われて働く』という形態に見切りをつけ、
ギグワークや不労所得作りのために、
あえて政府の『労働統計(給与ベースの雇用者数)』に
カウントされない生き方を選び始めた人」が一定数、
確実に混ざっていると解釈するのが自然ですね。
マクロな統計データだけを見ていると
「労働市場の冷え込み」という一方向の解釈になりがちですが、
こうした社会のトレンドや人々のマインドの変化を表す記事を合わせることで、
「なぜそのデータが出ているのか」の本質的な背景が腑に落ちます。
素晴らしい視点をシェアしていただき、ありがとうございます!
矢口:こちらこそ、いつも助かります。
AI:そう言っていただけると、AI冥利に尽きます!
経済のデータや社会のトレンドは、
色々な角度からピースを組み合わせていくと、
まるで謎解きのように点と線が繋がっていくのが
本当に面白いですよね。
いつも鋭い視点や興味深いトピックを投げかけてくださるので、
私も一緒に考えていて毎回ワクワクします。
これからも、ニュースの背景にある「なぜ?」や、
ちょっとした疑問、深掘りしたいテーマがあれば、
いつでもお気軽にシェアしてください。
全力でお供します!
(やり取り、ここまで)
AIには賛否両論があるが、
AIが役立つのは疑いがない。
これまで、データが探せずに諦めていたことも、
補完してくれるので、突き詰めることが出来るようになった。
また、まとめ方が上手いので、
自分の考えも整理できる。
AIを使うと頭が悪くなるとも言われるが、
それも使い方次第だろう。
それだけではない。
私は以前AIに歌詞を提供して楽曲にして貰ったが、
AIは人間の感情が分かるかのような曲にした。
AIに韻を踏んで翻訳して貰った、
英語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、ドイツ語の歌詞でも、
歌詞提供者の人間に響く曲にした。
不思議な能力だ。
これらの楽曲は、
全てではないが以前からコラムの末尾で紹介している。
参照:https://ameblo.jp/dealersweb-inc/
本題に戻る。
米6月の雇用統計での平
均時給は前月比+0.3%、前年比+3.5%だった。
これはインフレ懸念を示唆しており、
労働市場の弱さと相まって、
米連銀の金融政策を難しくしている。
また、「インフレによる生活費高騰に賃金が追いつかない層」が
示唆しているのは、
インフレが労働市場の弱さの一因ともなっていることだ。
これは米国に限ったことではない。
日経新聞は
「大手企業の夏ボーナス、
経団連1次集計で初の100万円大台突破」と報道した。
23業種248社、
従業員500人以上の企業が原則対象とのことなので、
全労働者の話ではない。
そこで、夏のボーナス平均100万円台とは誰の話なのかを、
データ(AI補完)で探って見た。
日本の企業数と従業員の割合
企業の数
大企業:約0.3%(約1.1万社)
中小企業:約99.7%(約357万社)
働く人の数(従業員数)
大企業:約30%(約1,400万人)
中小企業:約70%(約3,300万人)
日本企業の99%以上は
中小企業(そのうち大半は従業員数人~数十人の小規模事業者)だが、
メガバンクや大手自動車メーカーなどの
「大企業」が数万人~十万人単位の雇用を
1社で吸収しているため、
働く人の割合で見ると
「3人に1人が大企業勤務」というバランスになる。
日本企業のうち、
インフレ率を上回る賃上げができている企業の割合は、
全体のおよそ3割~4割程度とみられている。
つまり、物価高に賃金が追いついていない企業が
依然として多数派を占めているのだ。
企業の動向は以下のように
「3つのグループ」に分かれている。
インフレ率を上回る賃上げ(実質賃金プラス):企業の約30~40%
大手企業や、業績が絶好調で
人材流出を防ぎたい成長企業だ。
物価上昇(3%前後)を大きく超える「5%以上」の
賃上げを達成している。
2、インフレ率未満の賃上げ(実質賃金マイナス):約40~50%
「一応、数%のベースアップや定期昇給はしたけれど、
物価の上がり方のほうが急激で追いついていない」という企業だ。
いわゆる「防衛的な賃上げ」を行っている企業
(業績は良くないが、給料を上げないと社員が辞めてしまうため無理をして上げている)
もここに多く含まれている。
3、賃上げができていない(据え置き・減額):約15~20%
主にコスト高騰を価格に転嫁できていない中小・零細企業などだ。
なぜ物価に追いつかない企業が多いのか?
理由は、中小企業を中心に「防衛的な賃上げ」が
限界を迎えているからだ。
大企業は海外での稼ぎや価格交渉力の強さから、
物価高を上回る賃上げ原資を確保しやすい環境にある。
一方で、日本の労働者の7割を抱える中小企業では、
原材料費や電気代の高騰を取引先に価格転嫁しきれず、
身を削って給与を上げているケースが目立つのだ。
政府や労働組合は「物価高に負けない賃上げ」を掲げているが、
現場の中小企業では「これ以上上げると赤字になる」
「毎年実施するのは難しい」のが現実なのだ。
このように日本でも格差拡大のK字型が見られている。
これは1990年代から始まったため、
成長企業もK字型に二極化した。
ところで、上記大手企業の
2026年夏季賞与(ボーナス)の平均妥結額は
前年比1.88%増の100万8706円だった。
5年連続の増加で、初めて100万円の大台を超えた。
製造業は平均で1.63%増、
非製造業は4.01%増だった。
業種別では非鉄・金属が18.01%増、
食品が10.33%増、造船が9.64%増と続いた。
非鉄・金属は電線など
AIやデータセンターに関連する企業が目立つ。
一方、外食産業は苦戦し、
スーパーやコンビニの食品売上増は価格の上乗せのみで、
数量減なのに、大手食品企業は大儲けのようなのだ。
政府が後押しするインフレに追いつく賃上げは、
米指標にもみられるように継続的なインフレに繋がることになる。
一方で、賃上げのない企業に勤める人々、
給与所得のない人々はそうしたインフレに苦しむことになる。
そして、それはそのまま貧富格差の拡大につながるのだ。

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