働けど働けど
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こんにちは、矢口新です。
2025年10月、
自民党初の女性総裁となった
高市早苗氏は「私自身がワーク・ライフバランスという言葉を捨てます。
働いて働いて働いて働いて働きます」と宣言した。
また、首相就任後は「0時間~3時間睡眠が常態化」しているとも述べた。
仮にそうでもしなければ仕事が終わらないとすれば、
同発言は救助要請だとも受け取ることが出来、
社会的に放置していてはいけないレベルだ。
また、長時間労働が仕事の達成度や生産増、
所得増に結びつくとは必ずしも言えない。
人の身体で脳は最もエネルギーを消費する。
脳の疲労回復には睡眠が必要なので、
寝ないで働くと能力が低下し、ミスも増える。
働いているのと、
働いた気がしているのとは似て異なるものだ。
責任のある立場の人間の能力が低下すると、
「被害」は全体に及ぶことになる。
それでは困るので、
高市本人のためだけでなく、
国民のためにも何とかして貰いたい。
「はたらけどはたらけど、
猶(なお)わが生活(くらし)楽にならざり、
ぢつと手を見る」とは、石川啄木の有名な短歌だ。
一方で、「稼ぎに追いつく貧乏なし」という
”ことわざ”もある。
反対の意味のようだが、
働いても働いても
十分な稼ぎがなければ貧乏になるとすれば、
必ずしも矛盾するわけではない。
働いても生活費すら賄えずに
貧乏になるような仕事や、
報酬分配のシステムでは、
勤勉が金銭的に報われる訳ではないのだ。
働き好きな日本の首相がまず行うべきことは、
働けば正当に報われるシステムに変えることだ。
日本の指導者らは米国に学び、
税制や法律を変え、物言う株主らを受け入れて、
日本のシステムを変えてきた。
しかし、米連銀の新たなデータでは、
米国でも貧富の差だけでなく、
富裕層と超富裕層との格差も拡大中だ。
米国の最も裕福な上位0.1%の層は、
総資産を2019年末から2倍以上に増やし、
現在、約28兆ドルを所有、
米国の家計資産の総額約186兆ドルの約15%を占めている。
一方、下位50%は約4兆ドル、
つまり、約2%しか所有していない。
上位0.1%以外の人々、
つまり、99.9%の人々の多くは働いているが、
0.1%との差は広がるばかりなのだ。
その理由は0.1%への相対的な税優遇に加え、
資産の伸びが賃金の伸びを大きく上回っているからだ。
つまり、持っている層が資産を増やす一方で、
勤勉でも持たない層は日々の生活に追われ、
高インフレがそれに追い打ちをかけている。
そこで、以下のような記事が目立つようになる。
参照:人々がこれほど落ち込んでいる時、
株式市場はかつてないほど好調。
The Stock Market Has Never Been So Good When People Have Felt So Bad
https://www.wsj.com/economy/consumers/stock-market-consumer-sentiment-af088e87
参照:働かなくていい。
新「アメリカン・ドリーム」は不労所得。
Forget Work. Passive Income Is the New American Dream
https://www.wsj.com/lifestyle/careers/passive-income-dreams-2e67ee5c
米国だけでなく、
日本や他の諸国でも
資産の伸びが賃金の伸びを大きく上回り、
「はたらけどはたらけど、わが生活楽にならざり」
という時代になった。家計資産が株価などに連動し、
世界のビリオネアの順位も、
株価の上下により毎日のように入れ替わっている。
日経新聞によれば、
首都圏4県の主要都市部で過去3年以内に
マンションを売却した人を調査した結果では、
半数以上が値上がり目的で購入しており、
購入後5年以内に売却した人の割合が6割を超えた。
各国政府によるコロナ対策での大量の資金供給で、
世界的に物価が上昇したので、
転売可能な物を買った人は報われた。
同時に、家計資産が株価や不動産価格に
強く連動するようにもなった。
今後も物価上昇が続くのなら、
インフレに食われる賃金所得よりも、
インフレに連動する資産を持つ方が報われる。
とはいえ、大量の資金供給により
各国政府の負債、国債残高が急増した。
このところ、その国債が大きく売り込まれている。
政府の利払い負担も急増中だ。
何事にも終りがあることを思い出してもいい頃になってきた。

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