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利上げでドル売り!なぜでしょう?

「投資の学校」浅野敏郎
From 自宅のトレードデスクより

 
昨日3月16日の未明、
アメリカFRBは政策金利を0.25%引上げ、
目標の上限を1%まで拡大する
追加利上げを行いましたね。

 
3月の追加利上げ予想は当初、
トランプ新政権誕生から
間もない時期での利上げは難しい、
という見方だったものが、

ハト派で知られるFRB議長の発言が
利上げに対して肯定的なトーンになったことで
“いや、それもあり得る”と変化し、

好調な結果となった
3月10日のアメリカ雇用統計発表を受けて、
利上げの織り込み度はかなり進み、
FOMC前日の数値は何と、
95%を越える高い水準になっていました。

 
つまり、
利上げの実施は概ね決まっていた…
とも言えそうな状況でした。

問題はこうした事実をどのようにして
取引へつなげるべきだったか?

ということですが、
勿論100%という結論は、
相場のことですからあり得ない話ですが、
今日のブログが皆様にとって、
今後のヒントになればと思います。

 
 
おはようございます。
今週も、はや金曜日がやって参りました。

昨日16日の金融市場はイベント三昧でしたね。

 
早朝のFOMC発表に始まり、
オランダ選挙の開票、
そして昼には日銀の政策金利発表と

万が一の場合は、
想定外の大変動になる可能性もあっただけに、
結果としては、まずまず順当な内容となり、
先ずはホッとしている感じです。

 
来週の今頃は、
そろそろ日本の決算期末を意識するタイミングと、
次から次へと息つく暇はありません!

0+1=1にならないのが相場

 
ドルの金利が引き上げられたということは、
常識的にはドル買いとなりますが、
16日にFOMCが利上げを発表した以降の値動きは、
ご存知の通り、ドル売りが急伸しました。

 
そこで例えば、
ドルが買われる要因は1件につき+1
ドルが売られる理由は1件につき-1

ドル買いトレンドは+1、
ドル売りトレンドは-1
という形で、
市場の方向性を数値化してみるとします。

 
「最近のドルは強い」と言われながらも
このところのドル円相場は、
約2か月もの間、概ね112円から115円の間で
揉み合っていましたので
トレンドは「0」としましょう。

つまり、
利上げの+1にトレンドの0を足せば+1ですから、
普通なら「ドルはじり高」程度の値動きが順当ですね。

 
にもかかわらず、
結果は、-1以下にも相当する「急落」は、
想定外の動きだったと言えるかも知れません。

想定と事実が違った時にどうするかが重要

 
16日の下落要因は、
「市場が利上げを織り込み過ぎていた」
というコメントもあるようですが、

確かに、ドル高を見込んだドル買いポジションが
事前に積み上がっていたからこそ、
今回は「急落」を招いたのは事実だと思います。

 
しかしこればかりは、
事前に実態を把握することは極めて難しい話で、
蓋を開けてみて初めて分かるものです。

ですから、利上げの発表を受けた時点で、
「ドル円は上昇する」と想定したとしても
それ自体に問題は無いのです。

ただ、
「上がるべき相場が全く上がらない」
という展開になった時点で、

「これは想定と違った!」
ことに気づくべきで、

ということは
「ドル高を見込んだポジションが相当ある」

という判断に切り替えられさえすれば、
「想定が完全に崩れた下落相場」に対しても
対応できる可能性は十分あったと思います。

相場はファンダメンタルズ通りには動かない?

 
こんな言葉をよく耳にしますが、
昨日のFOMC以降の相場はまさしく、
これに該当するケースだったかもしれません。

 
相場変動と市場のポジションは
切っても切れない関係であることは
皆さんもご存知だと思いますが、

実はこうしたポジションをとった瞬間に、

いずれ反対売買をしなければいけない運命も
同時に背負うという事実を忘れずに
取引に臨んでみてはいかがでしょうか。

 
つまり、
ファンダメンタルズ分析そのものに
問題があるのではなく、

ファンダメンタルズ通りに取引しても
その通りに動かないということは、

既にその方向に対して
相当なポジションが積みあがっていて、
その多くは逆に、反対取引をするタイミングを、
探していたと考えるのが自然です。

 
あとは、そうした矛盾を冷静に感じ取り、
「自分が間違った!」
という判断に素直に従う勇気さえ持っていれば

ファンダメンタルズ分析を判断の軸にしても
必要以上に恐れることは無く、

結果的に間違った想定をしたおかげで、
次のアクションができた、
というケースも意外と多いものです。

 
 
浅野敏郎

<<<編集部よりおススメ>>>

3月16日のFOMC発表は
ドルの利上げだったにも関わらず、
ドル円相場は、短時間で大幅に下落しました。

自分ではどうすべきかも分からない急な動きでも、

この移動平均線大循環分析は、そのタイミングを
見事にとらえています。

このチャート分析の
正確な手法を学ぶにはどうすれ良いか?

是非、こちらの詳細ページでご確認ください。
詳細ページ

  • コメント ( 12 )

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  1. 岩永 明

    お早うございます❗️
    毎回お届けいただいておりますが…初めてメールを拝見させていただきました❗️
    失礼を致しました。
    なかなか…私は…最近、FXの口座を開設して、これからFXを…始めてみようかと?? 考えている最中でございます。 スタートする時期は、来月の中旬になるかとは考えておりますが、先々週に本屋に行き、本を二冊ほど、やっと買いましたが…知識や経験則も、さらに洞察力も必要かなと? 思っている最中です。

    そう簡単にFXを…したから勝てる訳でも無いでしょうし?!
    と言って、勝たない訳でも無いでしょうし、高ぶらず、キチンとした市場分析ややはり…先ずは知識を学ぶことに注視して行きたいと思っております。 そこでお尋ねですが…参考になる書籍や知恵についてお聞きしたいと存じます。

    • 浅野敏郎

      岩永 明様、

      コメントありがとうございます。
      そして、メールに目を留めていただき、ありがとうございます。

      FXは通貨同士の交換比率ですから、
      株のように、なかなかトレンドは出にくい側面もあり、
      相場全体の8割近くが、基本は揉み合い
      という話も聞きます。

      その代わり、流動性つまり、市場全体のボリュームは
      主要通貨同士であれば非常に高く、
      また24時間取引なので、取引機会の豊富さもあります。

      これは、手仕舞いしたいときにも同じことが言えますので、
      ビギナーの方々にとっては、比較的安全かと思います。

      レバレッジを気になさる方も多くいらっしゃいますが、
      レバレッジが高いのは元々、変動率が低いからで、

      取引額が異常に大きくならなければ、
      (株などに比べても)リスクも低く、
      その分、リターンも低い側面もあります。

      知恵などは、手前味噌ですが、
      投資の学校からお届けしているメールやブログでも
      かなりお役に立てると思いますし、
      講師陣の著書であれば、どれも十分な知識になります。

      ただ、こうした知識や知恵なども、
      レベルは問いませんから、先ずはご自分の軸を定め、
      そこからの過不足を探されるといった具体性が
      必要かと思います。

      雑誌などでも良いかと思いますので、
      先ずはチャレンジして、
      何が分からないか?
      どうしたらそれが分かりそうか?
      など、

      ご自身に自問自答されてみるのも一手に思います。

      また何かご不明なことがありましたら、
      具体的にお伺いいただければ、
      何かのお力にはなれると思います。

      あと、取引はされないまでも、
      お時間が許す限り、
      チャートなどで値動きを観察することでも、
      一つの経験として積みあがると思います。

      浅野敏郎

  2. やすう

    確かに、ドル高を見込んだドル買いポジションが
    事前に積み上がっていたからこそ、
    今回は「急落」を招いたのは事実だと思います。
    なぜ急落するのだろう?為替って難しい。

    • 浅野敏郎

      やすう様、

      コメントありがとうございます。

      相場はポジションができないと
      基本的には動きませんから、
      根本は市場のポジションなのは事実ですね。

      今回の値動きで大きなヒントは、
      10日の雇用統計にもありました。

      115円中盤は相当、揉み合いましたが、
      数字が良かったのに、上げきれなかったのは、
      既にあの時点で、相当なドルのロング(買い持ち)
      があったと思われ、

      後は売るタイミングを見計らっていたんでしょう。
      目先の大きな材料としては最後であり、
      週末ということもあって、
      売り手がやや売り急いだことが、
      急落の大きな背景だったでしょうね。

      あとは時間的に定かではないですが、
      ・入国制限の大統領令がハワイで再び差し戻し判決が下った
      ・オランダ選挙で極右政党の躍進が無かった

      など、若干のドル売り材料が重なって加速した
      可能性もあったのかも知れませんね。

      難しいからこそ、挑戦のやり甲斐があるのもまた
      FXの魅力でしょうか。

      また、コメントをお待ちしています!

      浅野敏郎

  3. 迷える子羊

    切り上げなのに急落の話、決算内容の良い株が決算期直前に急落する事が有るのと同じ理由なんですね。 
    納得しました。

    • 浅野敏郎

      迷える子羊 様、

      コメントありがとうございました。

      全てではないですが、
      結局相場ですから、参加者の総意が基本となる側面は
      否定しがたいですね。

      相場のことですから、
      分らない動きは受け入れるしかありませんが、

      ただ、逆を突かれるのはきっと、
      何か見落としていることがあるケースが多く、
      個人的には、
      いわゆる「ダマシ」という言葉で逃げないように
      日々、精進しています。

      また、コメントをお待ちしています。

      浅野敏郎

  4. 陸奥

    利上げでドル売り!なぜでしょう?
    「ドルの価値は、短期金利ではなく、長期金利と相関がある。」
    ということだと考えています。

    • 浅野敏郎

      陸奥 様、

      おっしゃる通り、
      特に対円相場の大きな流れは、
      長期金利と相関関係にあることは
      間違いありません。

      難しいのは例え長期金利が同じでも
      相対側の通貨事情も含めてると、
      そのペアの水準が同じにはならない
      ことの方が多い点ですね。

      ですから局面ごとの値動きは、
      時々の需給に依存すると考えた方が
      捉えやすいかもしれず、

      これは特に大きな金利差もない現状での
      過剰流動性が一つの大きな原因
      を作っている可能性も否めません。

      いずれにしても、
      相場の動きと自分の想定が崩れた時は
      切り替えてゆきましょうというのが、
      テーマの主旨ではありました。

      また、コメントをお待ちしています。

      浅野敏郎

  5. 万尾獅子

    FRBが利上げというニュースを見たあと、115円位だった$¥がするすると113円台になっている(´-ω-`)
    「ふ~ん世の中そんなものなのね。」と緊張感の無い感想をもっていましたが、
    やっぱりドル高になるのがシナリオだったのですね(; ・`д・´)
    そうよね、確かに115円は盛り過ぎって気がしたもの、、、
    ダメだわ、こんな勘と度胸で生きていては…

    • 浅野敏郎

      万尾獅子 様、

      いつもコメントありがとうございます。

      ドル高のシナリオは、
      去年にさかのぼると個人的に考えていますが、
      さすがに、あの局面はおっしゃる通り、
      発表直前の盛り過ぎ感は、ありましたかね。

      ブログ内でのドル高予測は、
      あくまでたとえ話として取っていただけると
      幸いです。

      それにしても、
      このレンジを抜けない限り、
      どちらにも出られません。
      この揉み合い、
      もしかすると重症かも知れないですね。

      勘は悪いことではないと個人的には思います。
      全く分からなければ
      その勘すら持つことはできませんから。

      重要なのは、勘違いだったことが分かった時の
      行動です!

      あ、でも山勘はダメですよ!

      では、またコメントをお待ちしています。

      浅野敏郎

  6. 園田容子

    利上げでドル売り、とても分かりやすいコメントで成程と思いました。

    移動平均線大循環分析のチャート、入るところと出るところがはっきり
    示されていて、凄い!と思いました。この分析チャートはFX以外の
    株式投資にも全く同じように使えるものなのでしょうか。

    • 浅野敏郎

      園田容子 様、

      コメントありがとうございました。

      移動平均線大循環分析は、
      小次郎講師の専門分野ですが、

      移動平均線の3本使いが、
      基本的に何のチャートでも対応可能でなければ、
      移動平均線そのものに問題が生じてしまいます。

      ただ、個人的な印象として、
      個別銘柄や、
      取引のセッションが複数の短いセットに分かれている先物取引
      などのチャートは窓を開けやすく、

      FXのようにスムーズな大循環にならない可能性がありそうです。

      もし具体的に興味がある相場が決まっていらっしゃるのなら、
      実際にチェックしてみると良いかもしれません。

      TradingViewというフリーチャートでは、
      FXのみならず、確か個別株や株価指数から
      商品先物も表示できますので、
      こうした相場に大循環分析のインジケーターを
      表示することで、確認ができるはずです。

      是非また、コメントをお寄せいただければ嬉しく思います。
      ありがとうございました。

      浅野敏郎

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