まさか噂で取引するとは思えませんが…
「投資の学校」浅野敏郎
From 自宅のベランダより
昨日の早朝、5月のFOMC発表がありました。
ドル円相場はずるずると112円台後半まで
円安が進んでいますが、
ニュースなどでは、
年内2回の追加利上げが濃厚になったことで、
ドル円相場はドル買いが優勢になった…
と伝えられています。
前回のFOMCでは、
利上げという事実が発表されたにもかかわらず
ドル売りが優勢となった一方で、
今回は可能性が示唆されただけなのに、
ドル買いが強まるなど、
一般的に考えれば、
「それって逆じゃないの??」という、
不思議な現象が起きているように見えます。
しかし、これこそが相場
という側面でもあります。
おはようございます。
今週も早や、金曜日がやって参りました。
今日5月5日は、GWど真ん中の「こどもの日」ですが、
ここまでは行楽日和が続いています。
皆さんはもうどこかへお出かけになりましたか?
私はGWを休みたいがために、
その前に少し仕事で無理をしてしまい、
そのツケが廻ってこの2日は寝込んでしまいました。
無理をしても、結局は平均値に落ち着く??
まるで相場みたいです。
噂で取引を始めろ??
ご存知の通り、相場には
噂を買って事実で売る
(Buy the rumor, Sell the fact)
という格言があります。
事実を伴わない噂にも似た、
予想や見通しで相場に取り組み
事実が判明した時点で手仕舞え!
という意味だとされています。
確かに、
前回はドルの利上げが決定した直後から
ドルが売られ、
今回は今後は利上げが2回あるという、
特に珍しくもない可能性が示されただけで、
ドル買いの動きが強まるなど、
ここまでは、格言通りの展開となっています。
もちろん、売買のサインやシグナルが、
いつもその通りにはならないのと同様に、
この格言がいつも通用するとは限りませんし、
基本的に相場が変動するのは、
その時の市場全体のポジションや
相場の水準次第ですから、
前もって発表後の値動きを想定して動くのは、
ある意味ナンセンスです。
しかし一方で、相場格言のように、
要するに原因が分からない値動きは
不安を誘いやすく、
意外と長続きすることから
いったんは乗った方がよく、
原因が分かった時(噂の真意がばれた時)は、
誰よりも先に逃げろ!
というのはある意味で的を得ています。
米・雇用統計にも流行がある
今夜、発表されるアメリカの雇用統計は、
幾多あるイベントの中でも、
かなり重要な発表の一つであることは、
皆様もご存知だと思います。
雇用統計と一口に言っても、発表内容は多岐に及び、
いくつかある代表的な項目1つをとっても、
年齢別、性別、国籍別などにブレークダウンされています。
ご興味がある方は、
前回4月レポートのURLを掲載しておきますので、
https://www.bls.gov/news.release/pdf/empsit.pdf
(リンク先:アメリカ労働省)
見ていただくとわかります。
数ある項目の中で、
私がFX業界に勤務したてだった1980年代中盤以降では、
この指標のことを「米・失業率」と呼んでいたほど、
失業率が最重要テーマであり、
この数値が悪いと円高が加速した時代でした。
その後、
「雇用統計」と一般的に呼ばれるようになってから
重要なテーマは「非農業部門雇用者数増減」
いわゆるNFP(Non-farm PayRoll)という時期が
長い間続いてきましたが、
ここ1年はNFPから次第に
「勤務時間(hours)と給与(earing)」へと、
テーマが移りつつあり、
労働事情の判断も、量から質へと変化してきています。
したがって、今夜の雇用統計では、
例えNFPが思わしくない結果であっても、
平均時給などが上昇していれば、
アメリカ国内の消費者心理は悪くない
との想定は十分できるため、
それが、長期金利の上昇を招いてドルが買われる
場面は見込んでおく必要があります。
もし、本当にこのような相場展開になったとして、
依然としてNFPにしか注意がいっていなければ、
NFPが良くないのに、ドルが買われるといった
不思議な現象に見舞われることになります。
しかし、今の流行はNFPではなく、
給与になりつつあることさえ知っていれば、
別に不思議な値動きではありません。
しばしば、
ファンダメンタル分析は難しいとされますが、
このように実は、
単に流行遅れの材料を見ている可能性も高く、
最終的に矛盾した値動きになって失敗した際に、
かの格言を理由にしているようでは、
何の進歩も生まれませんね。
いずれにしても、
機関投資家の方々は、雇用統計一つをとっても
1つの項目に対して1人のウォッチャーを付けて
全部の結果を瞬時に収集することができる上に、
日本語で見聞きできるのは最後の最後、
だということを考慮すれば、
例え流行の最先端を知っていたとしても、
こうしたイベントに対して
我々日本人の一般投資家が、
アメリカの指標結果で売買判断すること自体、
全てが遅すぎることだけは、
予め知っておく必要があります。
それらをすべて織り込んだうえで、
今夜の雇用統計相場に立ち会うことができる方は、
こうした視点で発表試合を「観戦」してみると、
違った面白さに出会えるかもしれませんね。
Buy the Rumor, Sell the Fact!
私には「噂を信じちゃいけないよ!」
という風に聞こえます。
つまり噂で動くほど、相場は簡単ではなく
その裏には見落としている真実がある
と考えたほうが自然です。
山本リンダ
<<編集部よりおすすめ>>
よく、FX事業者や証券会社から受ける注意喚起に、
「余裕を持った運用を心がけましょう!」
という文言があります。
しかし、どのくらいの取引額や投資金額に対して
どんな割合の余裕資金が適正なのか、
何の示唆もないことに、
皆さんは疑問を持ったことはありませんか?
確かに個人個人で投資内容が異なることから、
一概に言えないというのも理解はできますが、
何かの基準がないと、
注意喚起にも真実味がありませんね。
本日ご紹介する「資金管理のトレードルール」では、
様々な相場取引におけるリスクと投資資金額から、
適正な取引額を導く手法が学べます。
逆に言えば、皆さんの取引額が、
投資資金と見合わないほど大きければ、
余裕がない取引をしていることになってしまいます。
少しでも気になる方は、
こちらの詳細ページでチェックしてみてください。
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https://fx-school.net/lp/shikinkanri_sl_b/
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(/ω\)やだ~
途中まで読んでいてこれは「山本リンダ」の話だな・・・
と思っていたら先にオチを言われてしまいました。
♪噂を信じちゃいけないよ…
浅野さんにもあの歌が聞こえてくるんですね~
万尾獅子様、
コメント、ありがとうございました。
なんとなく、フィーリングが同じなのかもしれませんね。
ほかにもいくつか、
相場あるある的なメロディーが流れてくることがありますよ。
昔話にはなりますが、
いろいろな替え歌がディーラーの間で流行りまして、
大体が負けた時の、自虐的な内容なのですが、、、
「勝手にしやがれ!」なんかもその一つです。
今日は、フランス大統領選挙の決戦日ですね。
ちょうど月曜の午前中に結果はわかると思いますが、
さすがに、今回はサプライズはないと見てますが…
2度あることは3度ある??
ご注意くださいね。
浅野敏郎