今と過去を正しく比べるチャート(R)

浅野敏郎

「「投資の学校」浅野敏郎
From 自宅の書斎より

 
前号Qでは、一目均衡表の半値線の、
転換線に基準線を加え、
短期という位置づけの9期間と、
中期という位置づけの26期間の、
半値水準を同時に監視することで、

共に同じ方向へ動く場合は、
より一層その方向が、
トレンドとして強調されやすい反面で、

短期半値線が動いても
中期線の対象高値や安値が
現行価格よりまだ遠い場合、
本格的なトレンドには至りにくい
という判断の仕方を紹介しました。

 
半値線が動く場合には、
2通りのケースがありますが、
特に受動的な要因で動く場合は、
新値を更新しなくても
そのタイミングは予め判るため、

実際の値動きが伴うか否かで、
相場の潜在的な方向を測り得る
という事も説明いたしました。

今回は、前号のQで突然登場した
遅行スパンについて、
もう少し掘り下げてみたいと思います。

————————————

おはようございます。
今週も早や金曜日がやって参りました。

緊急事態宣言の解除についての話題が
盛り上がり始めてから時間が経ちました。
一部の県を除き、
政府の宣言は解除になりましたが、
慎重なムードまでもが一気に解除
とはなっていないようです。

 
それにしても、
鳴り物入りの補助金や援助金の支払いが、
なかなか実行されていません。

そもそもの目的は、
ひっ迫している個人や事業者に対する
緊急的なインジェクション、つまり、
即効性がある注射対策だったはずなのですが、

こうも遅い対応では、
助かったものや救えたことが、
「ただ遅い」という事だけで、
全てが手遅れになってしまう可能性があり、

正常化したあとに交付されても、
単なる金銭のバラマキで終わってしまいます。

特にアクションをしなくても
納税の際はきっちり徴収しているのに、
その逆が迅速に出来ない、
というのはどうも解せませんね。

それとも、
逆にたどることが出来ない国民が
それほど多いとするなら、
それはそれで深刻な状況なのかも知れません。

———————————–

さて、
一目均衡表の遅行スパンは、
現在の価格を26期間過去に表示し、
1期間が終了した時点で
その水準が確定するといった、
非常にユニークなラインです。

結果として終値をつないだ
ラインチャートを
26期間過去に表示するのと同じですが、
その意義としては既に述べたように

一つには、
基準線が対象範囲とする最古の足の位置
を示しているので、
将来的に足が1本進んだ場合に、
遅行スパンがいま指しているその足が
対象範囲から外れることになりますから、

そうなった時に、
基準線は動くかどうかが予め判ると同時に
例えば、
時間足で1本進むだけなら影響はなくても、
3本先の足が外れた場合は動くとするなら、
3時間後が重要なタイミングになり得る
ということを予め想定できますね。

二つ目として、
遅行スパンは26期間前の価格と現在価格を
単純に比較している役目があります。

ポンドドル時間足チャート01

上のチャートはポンドドルの時間足で
2020年3月上旬の様子です。
ここまで、遅行スパンが示す現在価格は
当時の価格より高い位置で上昇しています。
つまり、
26時間前より以前の買い手のポジションは
全員が収益を含んでいることは明らかです。

しかも基準線より上で推移していることから
26時間以内を考えても、
買い手の方が有利である状況です。


しかし、この状態では、
26時間前の買い手から順番に含み損を抱え始め
26時間以内を見ても、
基準線より下で推移する現状は買い手不利を示し、

9時間以内でも同様であるばかりか、
その半値線の転換線は、
対象の安値を相場が割り込んできたため
能動的な下落の動きを見せ、
直ぐ目先には基準線の対象下値も控える中、
ここを割り込むと、
遅行スパンは見える全ての下値サポートを
割り込むことになります。

この状況は極めて重要で、
ここまでの長期上昇相場が、
完全に反転する可能性を秘めているのです。


そしてこの状況は、
先に想定した最悪のシナリオをすべて満たし、
下落が決定的となったことから、
ポンドを買い持ちにしている場合は
必ず諦めるべき瞬間が現実のものになった
という訳です。

 

実際の相場はその後、
戻し高値を確認するように
大き目な反発を見せましたが、安値更新を機に
大きく下に放れる展開でした。

時間足で追った一連の変動について、
もちろん、
上位足の状態も調べる必要はありますが、
一番の問題は、
自分がどの段階でエントリーしたか?
によって対処の仕方が複数存在することです。

 
ちょうど3月9日の寄り付き足は、
上に窓を空けていますが、
エントリーポイントだけを見ても、
その前と後では対処方法が異なってきます。

窓の前でロングエントリーをしている場合、
恐らく最後に下放れする前のどこかでは
利益確定で決済出来ていると思います。

窓の後に関して、
転換線が逆転した以降に
もしロングでエントリーしたとするなら、
問題外としか言いようがなく、
買いでエントリーする根拠はありません。

とすると窓を空けた後から
転換線が逆転する間にロングでエントリー
した場合、
何処までなら耐えて良かった…
ことになるでしょうか?

 
最高値を付けた大陽線で
不運にもエントリーした場合、

直近の二陽連は力強い重要な波動であり
この時点で遅行スパンはまだ最上段にあるなど
ポジションを維持しない根拠はありません。

しかし、高値からの三陰連で
2本の強い陽線でできた上昇波動の半値を
割り込んで引けた時点で
違和感を覚える可能性は充分あったと思われ、
反落まで想定はしにくいものの、
揉み合い相場になる程度の予測は充分可能でした。

 
そしてその後の変動は正に、
上昇の勢いが弱まった揉み合いになる訳ですが、
それでも転換線と遅行スパンは依然として
好転を維持しており、
その限りではロングを維持したとしても
間違いではないと思います。

しかし、転換線が能動的に下落をして
逆転したことに加え、
遅行スパンもちょうど26本目に
追われるように逆転した時点で、
ロングを維持する根拠は概ね無くなったと言えます。

 
ということで、
転換線や遅行スパンの逆転好転がそのまま、
エントリーや決済を意味する訳ではないですが、
僅か数本までなら例えアゲンストでも
維持する価値があった状態から、
一気に維持してはいけない状況に変化する、
良い一例を示すことが出来ていれば幸いです。

次回は一度頭を整理して、
テーマを改めたいと思います。

 
 
浅野敏郎

 
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2 thoughts on “今と過去を正しく比べるチャート(R)

  1. 浅野敏郎 投稿作成者

    masao 様、

    コメントを頂戴し、誠にありがとうございました。
    そして、非常に元気を頂ける内容にも感激致しました。

    自分自身、分かっているようで、こうして文字でアウトプットしてみると、
    まだまだ曖昧な把握しかできていないことに気づき、
    「まだまだ精進が必要だ」と痛感しております。

    エントリーのタイミングは基本的に放れ
    と定義してみると、非常に値動きが具体的に判断できてくる気がします。

    ですから私のテーマは、
    新規取引から、利益決済および損失決済までを、
    具体的な価格で表記できるまでを目標としています。

    もちろん、その後の値動きによっては調整は必須ですが、
    先に戦略が無ければ、結局はノーアイデアで取り組むのと同じですから、
    だから余計に、損切や利益確定に悩み、身動きが取れなくことで、
    含み益を減らし、含み損を増やしてしまうことに陥りやすいのではなか?
    との考えに至っております。

    また、コメントをお待ちしております。

    浅野敏郎

    返信
  2. masao

    何時も大変勉強になります。先生の説明はすごく解りやすいです。先生の人柄が見えるようです。
    私みたいな60歳すぎのトレーダーにはすごく共感できます。
    今まで先生のメール読む迄は何となく解ったつもりでやっていましたが、とても深い所まで掘り下げて頂き目から鱗です。
    もっと色々勉強させて頂きたいので此からも素晴らしい講義宜しくお願い致します。

    返信

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