株でもFXでもなんでもあれ、
この先価格が上がるのか、下がるのかは
利益を取ろうとしたとき必ず予測すると思います。
投資がギャンブルといわれないのは、
今後どちらに進むか確率が高いほうを予測できるからです。
その予測の手段として、2つの分析方法があります。
本記事ではこの2つについて詳しく学んでみましょう。
価格は何によって動くのか。
まず、分析の前に基本的な部分から考えていきましょう。
一体何によって株価は変動すると思いますか?
・会社の経営状態
・業績
・経済情勢
など、あらゆる答えがあるかと思いますが、
私たち個人投資家が答えるべき模範解答は
買い手と売り手の力関係だと考えます。
時に、信じられないような高い価格や、
低すぎる価格が示されるときがあります。
このような時、一般の人はこの価格は異常だから
反対のポジションを持とうと思いますが、
異常でもなく、その瞬間においてその価格は正しい値段です。
反射的に暴落したから買い、暴騰したから売り、という安易な考えを捨て、
あくまでもその時の買い手と売り手の力関係を表した価格だということを
正しく理解しましょう。
それでは、次です。
買い手と売り手の力関係はどのように決まるのでしょうか。
まず第1の理由としてファンダメンタルで動きます。
ファンダメンタルとは企業の業績や経済情勢、
これが7割と大きく占めていますが、
決してこれだけが影響を及ぼしているわけではありません。
その他に、トレンドが20%影響しています。
上昇トレンドだと判断したた買い、
下降トレンドと判断したら売りなど、
チャートを見て買い手が優勢だったり変動します。
残りの10%は人気・思惑による変動です。
例えば雑誌やSNSで有名な人が「次はこれが上がる!」と明言すれば、
事実がどうであれ、それを見た人が信じ込むなどして、目先の価格は変動します。
人気・思惑はあくまで、目先の価格のみが変動するのです。
有名なアナリストは半年後や1年後の予想を出すけれど、
明日の動きは恐らく予想しないでしょう。
正しくは、予想できないのです。
それは明日という目先は、誰かの発言や行動で動く可能性があるからです。
それが半年や1年単位だと、需要と供給で動きますので、
ある程度予想できるようになります。
まとめると、大局ではファンダメンタル、中局ではトレンド、
目先では人気・思惑によって買い手と売り手の力関係は決まります。
それではいよいよ
今後の予測の分析方法についてみていきましょう。
ファンダメンタルズ分析の長所と短所
◆概要◆
企業業績・経済動向を中心とした値動き要因(材料)をもとに分析する手法
◆長所◆
価格変動の一番大きな要因はファンダメンタルズの変化による。
◆短所◆
・材料がいっぱいあって全部を知ることは不可能。
・価格にどれくらい織り込まれているかが分からない。
・具体的に買うタイミング・売るタイミングを教えてくれない。
・ルールを作って、それを向上させていくというトレードスタイルがとりづらい。
ファンダメンタルズ分析は価格変動の一番大きな要因を占めるものなので決して無視はできませんが、
これを使って将来を予測しようとすると、膨大な数はもちろんエントリーのタイミングがどこか分からないという致命的な欠点もあります。
このファンダメンタルズ分析の欠点を補うのがチャート(テクニカル)分析です。
この図はローソク足のほかに、チャート分析の中でも代表的な移動平均線を表示しています。
移動平均線の詳しい説明に関しては、別記事で解説していますので気になる方はご覧ください。
▼
【入門編】移動平均線とは何か。複数表示すると見えてくること。
このチャートでは移動平均線を表示していればゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売れますので、利益がしっかりとれますね。
とはいえ、こんな綺麗な上げ相場ならチャート分析を使わなくても、だれでも取れるだろうと思うかもしれませんが、実はそんなことはないのです。
多くの人は「こんなに上げ続けているなら、もうそろそろ下がるだろう」という先入観から早めに決済をして、この上げ相場中保有できた人は一握りです。
一回途中で手じまいしてしまった人は、1回下がればもう一度買えますが、相場は上がり続けているのであとは指をくわえて待つだけしかできません。
一方で移動平均線を表示しておけば、決済のタイミングも分かりますので安心して上げ相場の間は持ち続けることができます。
チャート分析の重要性は理解いただけたでしょうか。
チャート(テクニカル)分析の長所と短所
◆概要◆
・主にチャートを使い、チャートの動きの変化により将来を分析する。
・チャートにはすべての材料(ファンダメンタル)が織り込まれている。
◆長所◆
・買うタイミング、売るタイミングを教えてくれるので、自分でルールを決めさえすればトレード中の迷いがなくなる。
・我々が知りうることができない早耳情報でもチャートは教えてくれる。
◆短所◆
・完璧に将来を予測できるチャート分析はない。
・テクニカル指標の種類が多く、どれを使ったらいいのかわかりにくい。
・そのテクニカル指標の正しい使い方を解説している本やサイトが少ない。
では、実際に東日本大震災が起きた2011年3月11日のチャートを見てみましょう。
東日本大震災が起きたのは金曜日の14時46分。
もうすぐ日本の株式市場も終了となるタイミングです。
ですが、為替は24時間取引ですので、翌朝6時まで市場がオープンしています。
地震が起こりましたので、当然日本の為替トレーダーがファンダメンタルズで円を売りました。
ということで、円安の方向に地震直後瞬間上がっていますね。
ところがこれも一瞬で、すぐに円高方向にぶれてきて、
あっという間に最安値を超えてきました。
ここで海外のテクニカルアナリスト、トレーダーは売りを仕掛けてきています。
3月11日19時、ここでヨーロッパ市場で大量の売りが入りました。
売りを仕掛けたヨーロッパの人たちは日本で大きな地震が起こったことは
これっぽちも知りません。
あくまでチャートで売りのサインが出ているから、売りを仕掛けたのです。
3月11日24時からアメリカ市場がスタートしましたが、
アメリカ人も同様にチャートの形を見て売りを入れています。
週明け月曜日もさらに下がり続け、3日間で76.43円まで下落しています。
ここまで円高になりました。
ここまで大幅な円高を取ったのは、チャート分析をしているトレーダーだけです。
チャート分析だけが教えてくれる正しい情報もあります。
チャートを見るだけで利益が取れるというのは
海外の人は当時まだ日本に地震が起きたことは知りません。
つまり、この下げ相場もチャート分析をした者だけが取れた局面なのです。
今やチャート分析は「相場のカーナビ」といわれている所以はここにあります。
トレンドの見つけ方
さきほどの図のような大きな利益を取るためには、トレンドを見つける必要があり、そのトレンドに乗る。
これがチャート分析の極意です。
上昇トレンドとは、先高とみている買い方が買いを仕込み、ある程度上がったら利食いの売りを入れて、少し下がったらまた買いなおすと、売りも買いも買い方主導になる展開のことをいいます。
(下降トレンドはこの逆)
つまり、上昇トレンドは一直線には上がらず、波打つように下がりつつも全体的には右肩上がりという状態になります。
ではすべて右肩上がりであれば上昇トレンドだといえるのかというと、
そうではありません。
◆上昇トレンドの条件◆
価格ウェイブの天井の切り上げ、底の切り上げが条件。
◆下降トレンドの条件◆
価格ウェイブの天井の切り下げ、底の切り下げが条件。
そのため、ただ右肩上がり・右肩下がりかどうかを確認するだけではなく、天井と底が更新されているか注目することがポイントです。
まとめ
本記事ではまず、価格は何によって変動するのか。
そして予測の分析手法についても2つ紹介させていただき、最後にトレンドについても触れてきました。
トレンドとは、一言でいえば、継続する可能性が圧倒的に高い部分をトレンドといいます。
逆に言えば、そうでないものはトレンドとは言いません。
では、そのトレンドはどのように見極めればいいのか。
それは、天井が切り上げているかどうか、底が切り上げているかどうか。それが継続していればトレンドが崩れる気配がないということです。
もし今後エントリーする際、本当にこれはトレンドが発生しているのか確認してみてください。