迫りくる危機
From 矢口新
自宅のトレーディングルームより……
こんにちは、矢口新です。
朝と夜はだいぶひんやりして
過ごしやすくなってきましたが、
昼はまだ暑いことも多いです。
寒暖差が激しいときは、
体調を崩してしまいがちなので、
お気を付けください。
ところで、
私はこのような仕事をしているので、
「9月15日」と聞くと、
「ああ、あの日か……」と思ってしまいます。
そう、2008年のリーマン・ショックです。
私も外国の金融機関で仕事をしていたのでわかりますが、
あれだけの規模の金融機関が破綻すると、
アメリカだけではなく、
世界の様々なところに影響を及ぼします。
そこで今回は、
リーマンショックの後、どう世界は動いているのかを、
様々な数値やデータを用いて検証してみたいと思います。
「次に迫りくる危機」
では、10年前のリーマンショック並みの危機になりうることとして、
欧米のメディアは何に注目しているのでしょうか?
現状、懸念点として挙げられているのは、
● 貿易戦争の拡大
● 中国経済の減速
● トルコ・アルゼンチンなど新興国の危機
● イラン、ベネズエラなどの制裁下経済の危機
● 英国のブレグジット(EU離脱)
などです。
一方、「マクロ経済に与えるトップ10のリスクは」
という質問に対しては、
次のような項目があがりました。
1)サイバーリスク(ハッカー攻撃や個人情報流出など)
2)地政学的リスク
3)新規制の影響
4)ブレグジット
5)米連銀の金融政策
6)金融市場の混乱
7)企業の連結リスク
8)重要な事業継続事案
9)資金調達
10)法令順守
なぜ、金利上昇が懸念される?
ここで、なぜ、米連銀の金融政策が懸念されるのか、解説します。
一言でまとめると、新興市場国を中心に債務の拡大が起こっているためです。
企業の債務残高を見てみましょう。
いわゆる先進国は、
GDP比90%台で推移しています。
これは、リーマンショックの時と、
ほぼ同じ水準です。
しかし、新興市場国についてみると、
リーマンショックの時は60%と低かったのに、
現在は100%を超えました。
中国にいたっては、
160%にまで拡大しています。
もし、この状態で、
アメリカが利上げをしたり、
ドル高が起こった場合は、
これらの債務を返済できなくなる
可能性が高まるのです。
そうなると、
市場が大混乱するのはお分かりいただけますか?
アメリカだって楽じゃない
もちろん、アメリカにだって懸念事項はあります。
アメリカの債務残高は、一般家庭・企業とも、
絶対額やGDP比でも過去最大を更新しました。
さらに、企業債務について見てみると、
投資不適格とジャンク級の残高は増えているうえに、
投資適格の中で最下級のトリプルBの比率も過去最大となりました。
つまり、投資家や銀行のポートフォリオの質も、
悪くなっているのです。
たしかに、アメリカはマクロ経済においては、
独り勝ちの状態にあります。
しかし、すべてがうまくいっているわけでもないので、
本当の実力が試されるのは、これからのはずです。
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