三角形を書きなさい…だけで私と同じ形を描けるか?
「投資の学校」浅野敏郎
From 自宅の書斎より
先週はチャートパターンの一つである
カップwithハンドルを解説してみました。
カップ部分が天底に現われ、
カップの深さが比較的浅い場合、
底であればラウンドボトム
天井であればラウンドトップ
と言い、
以前のトレンドから
本格的に転換する可能性があるとしました。
言いそびれましたが、
ラウンドボトムは別名ソーサーボトム
ラウンドトップは別名ソーサートップ
と呼ぶ場合もあるようですね。
このように、一つ一つのパターンや名称、
その意味を個別に覚えようとすれば
パターンや名称の数だけあるので大変ですが、
結局は保ち合いの放れであるブレークアウト
という把握をすれば、
さほど複雑にならなくて済みます。
興味がある方は、是非先週の記事を
読んでみてください。
さて今週ですが、
たまたまチャートパターンの話になったので、
このまま幾つかのパターンについて、
続けて解説してみようと思います。
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おはようございます。
今週も早や金曜日がやって参りました。
先週のこのコーナーで指摘したリスクは、
残念ながらその通りに
最悪の道を辿りつつあります。
あれから約1週間が経過し、
政府筋もやっと重い腰を上げつつある
ようですが、
相変わらず歯切れが悪く、苦悩が伺えます。
カップの淵(第二波の高値)を、
越えてしまったことは、
このコーナーで指摘したように、
危機的な懸念材料ですが、
この事実を帳消しにするためには、
極力早いタイミングで再び、
淵より低い水準へと割り込む必要があり、
地方自治体トップや有識者たちが叫び始めた
短期集中対策は、的を得ているのは確かです。
一方で、相変わらず歯切れが悪い中央は…
残念な集団になり下がっており、
地方や有識者に嫉妬しているかのように、
ただ頑なに対抗しているだけ
に見えて仕方ありません。
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さて、
今回取り上げるチャートパターンを
何にするか悩みました。
出来れば比較的長い期間を要する
フォーメーションつながりを模索しましたが、
意外とパターンの数が少ないことに
改めて気づきました。
その中で、
期間については長短さまざまですが、
比較的一般的なトライアングルについて
解説してみようと思います。
トライアングルは多種多様
「トライアングル」を和訳すれば
「三角形」になることからもお分かりの通り、
トライアングルの形だけでも
二等辺三角形や直角三角形など様々です。
トライアングル・パターンの和訳としては、
「三角保ち合い」が一般的ですが、
形などによって英語では他にも、
「ペナント・パターン」
「ウェッジ・パターン」
「アセンディング/ディセンディング・
トライアングル」
などと言い分ける場合もあり、
別々に覚えようとすると混乱しそうです。
個人的な見解になるかも知れませんが、
高値・安値を共に
切り上げたり切り下げたりしながら
三角状に収束する
ウェッジ・パターンはさておき、
その他の三角形パターンはどれも
同じように扱った方が理解しやすいと思います。
ということであえて「三角系パターン」と
モジった上で進めて参りたいと思います。
三角系パターンの定型
三角系のパターン全体を、
「以前のトレンドから一旦、
押しや戻しを入れた後に、
この押しや戻しを底辺として、
時間経過と共に足が右へ進むにつれ、
底辺の高値と安値の値幅を
次第に縮めながら進んでいる状態」
と定義してみました。
以前のトレンドは上昇・下落を問いません。
このイメージを図にすると以下の通りです。
チャートパターンの解説記事などを見聞きすると、
三角系パターンを挟んで、
最初のトレンドと同じ上方向へ抜けている場合は、
上昇トライアングルとか
その逆は下落トライアングルなどと、
細かく場合分けしている説明が散見されます。
しかし、保ち合い後に抜ける方向を
事前に三角の形だけで判断するのは難しく、
その違いを納得しようとしたり、
パターンと方向性をとにかく覚えよう
などとしようものなら、
「どこが違うのだろうか?」となって、
面倒臭くもなってしまいます。
形の捉え方などは、百人百様ですからね。
こうした難題を回避するためには、
形をもっと単純に捉える必要がありそうです。
三角系パターンを単純化する
では、どうすれば三角系のパターンを
まるっと単純に把握できるでしょうか。
少し前にシリーズ化していた揉み合い研究で
幾度となく説明してきましたが、
形はさておき、
要は最初の押しや戻しの値幅に収まっている
ということは、
押しや戻しの間で揉み合っているだけです。
つまり、この揉み合いを放れた方向が
以前のトレンドと同じであれば、
トレンド継続の型…になり、
以前のトレンドと反対であれば、
トレンド反転の型に、結果としてなる訳で、
どの三角系パターンをブレークしても
継続か反転かの確率は、
半々が良いところではないでしょうか。
三角系保ち合い放れの誤解
前章の繰り返しにもなりますが、
こうした三角系パターンの売買ポイントとして
上下のピークをつなげて引ける
トレンドラインのブレークをチャートポイント
とする説明を良く見かけます。
しかし、かなり狭まった位置から
トレンドラインをブレークした場合、
トレンドラインの上下には、
それまでの多くのピークが存在するので、
例えトレンドラインをブレークしても、
直近のピークさえ越えられずに失速する場合も
頻繁に発生します。
いわゆる「ダマシ」という現象ですが、
三角形の頂点に近い位置でのブレーク水準は当然、
揉み合いの最大値である
最初の押しや戻しの高値安値からは
それなりに遠くなります。
しかし、この値幅を越えない限りは、
どんな値動きをしても同じ揉み合いだと言える中、
そんな揉み合いの中心に近い
不安定な位置から何を根拠にエントリーしても
ダマシに遭いやすくなるのは当然のことです。
確かに、最初の押しや戻しの値幅が、
以前のトレンドと比べて極端に浅く
揉み合う時間も短い場合、
トレンドを再開する可能性のほうが高い
と言えるかも知れませんが、
こうした経緯やバランスを無視して
同じ三角という形のブレークだけで
エントリーしようとするのは、
あまりに無謀だと思います。
という訳で次回はもう一段踏み込み、
トライアングル・パターンに見えて
実はそうでもない例外などを交えて、
実践に役立つ取り組み方の例などを
ご提案したいと思います。
浅野敏郎
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