損切貧乏要因3~定率/定量ロスカットの盲点
「投資の学校」浅野敏郎
From 自宅の書斎より
前回はATRを基準にロスカットを想定した盲点を考えてみました。
過去の影響を受けやすいボラティリティ指標のATRは、今後の値幅推移を想定するのは若干の無理があり、
揉み合いが長期化した際の低いボラティリティを採用した場合、少しの変動でもロスカットが成立してしまい、損切貧乏になり易い旨を申し上げました。
今回は定率でのロスカットを考えてみますが、定額でのロスカットも概ね同じ考え方なので、そのあたりにも触れてみたいと思います。
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おはようございます。
今週も早や、金曜日がやって参りました。
緊急事態宣言が解除されて間もない時間でしたが、今週から東京も蔓延防止等重点措置の追加対象になってしまいました。
そんな中で明るいニュースが2つ
1つは池江里佳子選手が東京オリンピックの水泳選手代表にきまったこと
そしてもう一つは、
男子プロゴルファーの松山英樹選手がマスターズ選手権で優勝したことです。
今後もしオリンピックが開催されたとしても、通常通りの観客は入れないことが決まっており、英雄たちの勇姿を自分の目で見る機会も限られる上に、最悪な状況だと、無観客という選択肢もあり得る中で、もしコロナが落ち着いていればどれだけ盛り上がるか…と思うと非常に悔やまれます。
確かにワクチン無くして考えられないところですが、宣言発令中から、世間の脳裏にはそういった危惧や懸念などは皆無といった行動が目立っていた印象もあります。
個人的には日本で開催されるオリンピックは、物凄く意義深く楽しみなイベントでしたので、逆に言えば、オリンピックへの世間の熱は、あの程度だった…ということになります。
そう考えると、スポーツの力が云々と言われるのを聞く機会は、これまでも幾度となくありましたが、少なくとも日本ではまだまだ力には成り切れていない、ということが証明されたのかも知れません。
定率ロスカット、定額ロスカットとは
エントリーした価格から例えば、相場が5%反対にいってしまった際に、思い切ってロスカット(損切)しよう!といったように、
銘柄や市場に応じて逆行の限界を定めておく方法です。
仮に日経225で、率を5%とした場合、20,000円で買いエントリーした際の5%ロスカットは1000円の逆行になりますから、19,000円に逆指値決済売りを設定することになり、
30,000円で買いエントリーした場合、5%のロスカットは1,500円の逆行になりますから、
28,500円に逆指値決済売りを設定する、というわけです。
定額ロスカットとは、
例えば1回の損切コストを1000円とした場合、20,000円のエントリーでは19,000円に
決済逆指値注文を設定することになりますが、
30,000円のエントリーでも1000円になりますので、29,000円に決済逆指値注文を設定する形です。
相場状況は常に変化するのに一定でも良いか?
5%が適正かどうかという議論は、充分に検証する必要があるので、ここではあくまで例えではありますが、
個別株の中でも値がさ株とボロ株
株式とFX、
FXの中でもポンド円とドル円
では変動率が異なりますので、適正値を見出すのは骨が折れる作業です。
加えて、ロスカットの目的でも、エントリー直後のトレンドが定まらない初期の場合と
既にトレンドが発生して長い時間が経過し、充分に含み益がある中後半期とでは、基本的に異なるというのが個人的な意見です。
つまりエントリー直後では、タイミングに依存する可能性が高く、成功するまで幾度か繰り返して臨む必要もある一方、
中高半期では、そこまでポジションがあるということは既に利益がある状態なので、急反転に備えるなど、いつイグジットするかを探る場合とでは、コストの深さが異なる側面があります。
また、トレード期間が短期なのか中長期なのかでもボラティリティは異なりますから、これらの調整もかなりの負担になるかもしれません。
また定額の場合ですが、
例えば1000円の損切コストつまり、1度の取引で失っても良い額は一体、誰がどのような根拠で決めたのでしょうか。
多くのケースでは恐らく、自己資金からの逆算ではないかと思われますが、相場がそのような個人の事情で逆行を止めてくれるはずはなく、この場合はもっとも損切貧乏への道が近いかも知れません。
有効な対策として
例え定率や定額でロスカットを決める場合でも、エントリーに対する恐怖心を緩和する意味はあり、しないよりは十分な意義はありますが、
定額を例に考えた場合、今回の挑戦で失っても良い資金が1000円なのであれば、取引する金額を調整することで、より深い損切ラインにすることができます。
つまり取引額を半分にすれば、1000円を失うまでの逆行の値幅は2倍に伸びますし、より深い損切ラインはロスカットにかかる確率を下げてくれる一方でかかった場合の損失は同じです。
逆に取引額を2倍にすれば、1000円を失うまでの逆行の値幅は半分に狭まり、これはハイレバレッジで多額取引を行うリスクと同じ意味でもあります。
まとめ
定率や定額という考え方は、欧米の機関投資家が運用するモデルに端を発したプログラム売買の負の遺産…だと個人的には考えています。
つまり、投資家への説明責任としてリスクを数値化する必要があったり、それをシステム化するためにはどうしても必要なパラメーターだったのではないでしょうか。
しかし、相場はプログラム通りに動くはずはなく、値動きは始まりがあって終わりがあるものと個人的には考えており、そのあたりを次回、一緒に考えてみたいと思います。
浅野敏郎
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