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(矢口新)インフレの何が問題か?

あけましておめでとうございます。
投資の学校プレミアム講師の矢口新です。

本年も
どうぞよろしくお願いいたします。

私は外為ブローカーであった最後の1年、
1984年2月から1985年の3月まで、スタッフ処理という、利益を出せない、
評価損の出ているポジションを出来る限りゼロにするというディーリングを、
毎日1日だいたい数件、1年間繰り返した後で、証券会社に転職しました。

このディーリングは相場観に基づくものではなく、
受け身で、レートの動きに対処し続けるという厳しいものですが、
すべてのトレーディングの基礎とも言えるものです。

この年月をはっきりと述べることができるのは、
この時に東京外為市場でのインターナショナル・ブローキング(IB)が
部分的(円をからまない他通貨ペア)に解禁され、
私が海外とのリンクラインの担当を任されたからです。

この時期は、外為実需原則の撤廃、
ブローカーを通さない外為銀行間の直接取引(DD)解禁、
IBが全面的に解禁されるなど、本当の意味での東京市場の外為ディーリングの幕開けでした。

転職した証券会社では、外国債券のディーラーとなったので、
インフレとは債券を値下がりさせる恐いものだという認識を抱きました。

証券会社は銀行や保険会社などの顧客に、債券を販売し、
また、顧客からの売却を受け止めるので、
常に在庫としての債券を大量に保有していたからです。

外債課では、半年ほど米国債のアシスタント・ディーラーを勤めた後、
米国債を除くすべてのドル建て債券、他通貨建て債券のチーフディーラーとなりました。

入社半年ほどの人間に何億ドル相当もの
ポジションを任せてくれる会社でした。

市場でのインフレ見通しのことを、
今では、インフレ期待と言いますが、
当時は、インフレ懸念と言い、インフレは懸念すべきものでした。

インフレは、経済が成長し、所得が上げていく中で、
ほぼ自然発生的に高まるものだという理解でした。

そして、インフレ率が成長率や所得増を追い越すと、
実質的に貧しくなるので、懸念するべきものなのです。

そこで、主要国中央銀行の金融政策の目的には、
概ね消費者物価が2%前後での安定というものが掲げられています。

日本銀行の政策目的は、やはり消費者物価2%前後での安定と、
金融システムの安定維持です。

ところが、日本経済は1997年度から成長を止めており、
名目賃金も実質賃金も低いままなので、インフレ率も低いままです。

そこで、日銀の政策金利は1997年3月の0.51%を最後に、
以降は0.50%以下で推移し、
2016年1月以降はマイナス金利となっています。

また、1997年3月に初めて50兆円を超えた資金供給量は、
2021年11月末には656兆円となりました。

経済規模が大きくなっていないのに、
マネーの量は13倍以上にもなったのです。

つまり、日銀は極限的な金融緩和を行って、
インフレ率を上げようとしています。

また、政府の方も巨額の財政支出を続けていて、
一見すると景気浮揚を図っているようにも見えます。

しかし一方で、
政府は消費増税や社会保険料の値上げという国民からの資金の吸い上げを
同時に行っているので、経済成長も所得増も止まり、
財政赤字だけがむやみに膨らむ結果となっています。

統計がある1975年度以降、
2020年度までの歳出と税収の差額は総額1417.5兆円の赤字なのです。

ここで、所得増もないままにインフレ率が高まると、
日銀の目的は達成されるかも知れませんが、
国民の生活は圧迫されるようになります。

実際に、随所で値上げが始まっており、
「インフレ懸念」が顕在化しようとしています。

例えば、

「首都圏のマンション平均価格は6476万円と20年前から2000万円超上がった。一方で平均年収は433万円で増えていない。東京23区内を見ると平均価格は8327万円で、平均年収は国内全体の数字だが、単純計算すると23区内のマンションは年収の19倍となる。

つまり、『低金利とはいえ、(郊外のマンション価格も)独身者や共働き世帯が許容できる金額の限界に近づいている』のだ。」
参照:新築マンション、活況に3つの懸念。首都圏の発売戸数、22年は4.6%増の見通し
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC214X80R21C21A2000000/

住宅価格の値上がりは海外で顕著です。

米国などは全米平均で前年比2割ほど値上がりしており、
家賃も3割以上値上がりしている都市があります。

これはインフレ率が多少収まっても、所得の伸びが追いつくまでは、
住居は高値(高嶺)の花で居続けることを意味します。

ここで金利が上げ始めると、もう手は届きません。

このことは、ホームレスが増える、
あるいは、住宅価格や家賃が手の届く所まで急落するなど、
いずれにしても社会的な不安を高めることになります。

米国はリーマンショック以降の金融緩和と、
コロナで止めた経済を復興させるための金融と財政の大判振る舞いを長引かせたために、
大きなリスクを抱えることになりました。

しかもこれは、
基本的には世界的に共通したリスクなのです。

日本のリスクは、スタグフレーションだと言えます。

極限的な金融緩和でインフレ政策を行いながら、
消費増税や社会保険料の値上げで景気を殺し続けてきたからです。

くどいようですが、
日本経済の処方箋は1988年度以前の税制に戻すことしかないと見ています。

詳しくは、以下の著書で。

・著書案内:日本が幸せになれるシステム: グラフで学ぶ、年金・医療制度の守り方(著者:矢口 新、ペーパーバック版)

・著書案内:日本が幸せになれるシステム問題集・日本経済の病巣を明らかにするための57問(著者:矢口 新、Kindle Edition)

<講師プロフィール>

矢口新(やぐち あらた)

1954年生まれ。
金融業界の第一線で30年以上にわたり活躍し続け、
プロディーラーにも師と仰がれる天才ディーラー。

東京・ニューヨーク、ロンドンと世界3大金融市場で活躍し、
さらには為替、債券、株のすべてに関わるという
非常に稀有なキャリアを持つ。

相場を動かすプロの裏の裏まで知り尽くしており、
投資を真剣に学びたいという意欲ある方々との交流にも熱心。

■ 本日の出来高急増銘柄

※上昇銘柄の推奨などではありません。

※投資の学校の全講師の手法に使える、
 銘柄選びの考え方です。

なぜ、
出来高急増銘柄が注目なのか、その理由と、
本銘柄を抽出した根拠はこちら。
https://youtu.be/xAVWjxMIq4c

売買の際には、ご自身でチャート分析、
ファンダメンタルズ分析を行っていただき、
売買をする際には自己責任にてお願いします。

【1】ソニーグループ(6758)
株価(終値):15,520
日付:1月5日
売買代金(千円):124,110,800

【2】トヨタ自動車(7203)
株価(終値):2,292
日付:1月5日
売買代金(千円):123,423,900

【3】三菱UFJフィナンシャルG(8306)
株価(終値):664
日付:1月5日
売買代金(千円):49,877,120

【4】塩野義製薬(4507)
株価(終値):7,644
日付:1月5日
売買代金(千円):43,371,900

【5】日本郵政(6178)
株価(終値):953
日付:1月5日
売買代金(千円):34,156,480

*ランキングは売買代金の
 総額に基づく順位を示したものです。

*この銘柄一覧は、
 特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

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