矢口新のブログ

(矢口新)目には目を歯には歯を、でいいのか?

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こんばんは、
矢口新です。

世界中からウクライナへの支援が集まっています。

民間からのものは概ね難民支援のようですが、
各国政府からのものはほとんどが軍事支援です。

武器支援の中でも、
無人自爆ドローンや1万個を超える対戦車ミサイルなどは
非常に効果的なようで、各地でロシア軍の苦戦が伝えられています。

ウクライナ兵が1人で建物の陰から、
至近距離で肩に担いだミサイルを放ち、
ロシア軍の戦車が破壊される映像を見ましたが、
1万ものこの武器が多くの建物の陰からロシア軍を狙っているのです。

ロシアが地上軍のこうした被害を抑えるには空爆が効果的だと判断したためか、
民間施設を含む建物の空爆が増えています。

そうした空爆を防ぐには、NATOがウクライナ上空を飛行禁止ゾーンに指定して、
武力で守るしかないように思えるのですが、
NATOは、それは戦争の拡大に繋がるので、武器の供与だけに留めるそうです。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、
日本の真珠湾攻撃や米911テロを引き合いに出し、
「われわれの国は今、毎日同じことを経験している」と述べ、
「いかなる状況でも軍事作戦の目的を達成する」として、
より多くの武器支援を要求しました。

ウクライナに攻め込んだことで、
ロシアは世界の武器を相手に戦っています。

その結果、ウクライナは市街戦武器の見本市のようになってしまいました。

見本市と大きく違うのは、戦争の実戦なので、
ウクライナとロシアの双方に多くの人的被害が出ていることです。

次々とロシア向けに米軍のミサイル基地を設置しようとするNATOに、
2014年2月の武装クーデターで設立されたウクライナの新政権が加わると表明してから、
ロシアとウクライナの本格的な争いが始まりました。

ロシアが黒海艦隊の基地があり、
ロシア系住民が大半を占めるクリミアを抑えたことで、
米国などはロシアへの経済制裁を行いました。

一方、ウクライナの新政権は
EU協定の署名と国の司法制度・政治・財政・経済政策の改革に合意したことで、
2014年4月以降、IMF、世銀、EUを始めとする国際金融機関及び
欧米諸国等から多くの支援を受けています。

2017年10月時点で、米国が経済制裁している国々は、
ロシア、北朝鮮、イラン、イラク、シリア、リビア、ベネズエラ、キューバ、
ソマリア、コンゴ、スーダン、ベラルーシ、リベリア、中央アフリカ共和国、
ジンバブエ、ウクライナ、イエメン、レバノン、南スーダンです。

ここに事実上、中国が加わりました。

これらの国々の経済は停滞し、
いくつかの国々では政情不安にもなっています。

プーチン大統領によれば、これは祖国防衛戦争です。

西側諸国は権力の拡大志向の表れだとしますが、
ロシア連邦が対外的な軍事行動を起こしたのは、
南オセチア(ロシア・ジョージア戦争)と、クリミア、ウクライナだけで、
どこもロシアと国境を接する旧ソ連内。

権力の拡大志向というよりは、
内戦の拡張版に近いと言えます。

実際に、2019年度の軍事予算は、
米国が7160億ドルだったのに対し、ロシアは440億ドルです。

ちなみに、中国は2240億ドルです。
ロシアの野望は大きくありません。

また、ロシア軍派遣などの対外活動は、
ほぼ上記の被制裁国での内戦に限られています。

一方このことは、
ロシアは米国の対外活動をことごとく邪魔してきたことを示唆しています。

ごく最近まで、
対ロシア制裁で孤立を深めているのは米国だとされていました。

EUにとってロシアは3番目に大きい貿易相手で、
相互依存が進んでいたからです。

ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、英国、エストニアなどでは、
米国の対ロシア制裁への批判が高まっていました。

今回ポーランドは、ウクライナがロシアに落ちると、
NATOと敵対国が国境を接することになるので、
ウクライナで食い止めるべきだと発言しました。

このことは、ロシアが感じてきた脅威を理解していることになります。

経済的、軍事的に圧力をかけ続ける米国に対して、
ロシアはウクライナへの武力行使で応じました。

ウクライナはロシアが要求する中立、非武装に応じず、
ロシアと敵対し、強力な武装をすることを選びました。

一線を超えて過激化するプーチン大統領に対して、
ゼレンスキー大統領は、「目には目を歯には歯を」で、
「いかなる状況でも軍事作戦の目的を達成する」と言うのです。

本当にそれでいいのでしょうか?

無尽蔵に出てくる世界の武器と戦うことで、
攻め込んだはずのロシアは追い詰められています。

建物の陰からのゲリラ攻撃を防ぐには、
建物ごと壊すことが効率的となります。

しかし、これは人道的にもリスクが大きく、
ウクライナとの関係を徹底的に破壊してしまいます。

まがりなりにも2014年の初めまでは成立していた新ロ政権の設立は、
もはや望めないのです。

その意味では、プーチン大統領は危険な賭けに負けました。

人心が完全に離れたウクライナを繋ぎ止めることはできません。
祖国防衛戦争には勝ち目がないからです。

一方のゼレンスキー大統領にも勝ち目はありません。

NATOに固執することで、プーチン大統領を追い詰め、
挙句の果てには、国土の荒廃と人的被害とを呼び込みました。

端的に言えば、米国とNATOに利用されました。
スラブ人国同士の兄弟喧嘩となったのです。

今後、ゼレンスキー大統領が言葉通りに頑張り続ければ、
ロシア軍が疲弊し、NATO軍が「戦争拡大のリスク」がないと判断した時点で
参戦するかも知れません。

しかし、そうなるとロシアが核兵器を使用する可能性が出てきます。

勝ち目はなくても、
負けないためにはそれしかないからです。

メディアが言うように、プーチン大統領が狂ったのだとすれば、
さらにその可能性は高くなります。

そうなれば、
世界中が核戦争に巻き込まれることにもなります。

プーチン大統領の言う「窮鼠猫をかむ」の意味は、
そのことに他ならないからです。

世界はそれでいいのでしょうか? 

戦争している一方だけを悪者にして、
徹底的に追い詰めることで、世界を核戦争のリスクに晒していいのでしょうか?

米国がイラクを攻撃した時、
英国を除く欧州各国は「攻撃する根拠に乏しい」と反対しました。

しかし、結局は賛同し、制裁にも加わりました。

「攻撃する根拠に乏しい」ことは、
イラク攻撃には核戦争のリスクがないということも意味したので、
賛同し協力することが得策だったのです。

そして、
イラク戦争が終わってから「攻撃する根拠はなかった」ことが判明したと
発表されました。

欧州各国は今回も同じように、
しぶしぶの賛同から積極的な制裁に移ってきています。

例えそれが悪者を懲らしめるための「正義」だとしても、
世界を核戦争のリスクに晒すことには違いがありません。

また、これが米国とその被制裁国との対立だとすれば、
日本なども他人ごとではありません。

巻き込まれる可能性が高いのです。

そうなった時、日本の政治家には「目には目を歯には歯を」と息まいて、
日本の国益にも防衛にも役立たないヒーロー気取りは止めてもらいたい。

ウクライナ戦争が出来るだけ早く終り、
犠牲者が少しでも減ることを祈っています。

<講師プロフィール>

矢口新(やぐち あらた)

1954年生まれ。
金融業界の第一線で30年以上にわたり活躍し続け、
プロディーラーにも師と仰がれる天才ディーラー。

東京・ニューヨーク、ロンドンと世界3大金融市場で活躍し、
さらには為替、債券、株のすべてに関わるという
非常に稀有なキャリアを持つ。

相場を動かすプロの裏の裏まで知り尽くしており、
投資を真剣に学びたいという意欲ある方々との交流にも熱心。

■ 本日の出来高急増銘柄

※上昇銘柄の推奨などではありません。

※投資の学校の全講師の手法に使える、
 銘柄選びの考え方です。

なぜ、
出来高急増銘柄が注目なのか、その理由と、
本銘柄を抽出した根拠はこちら。
https://youtu.be/xAVWjxMIq4c

売買の際には、ご自身でチャート分析、
ファンダメンタルズ分析を行っていただき、
売買をする際には自己責任にてお願いします。

【1】三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
株価(終値):804
日付:3月22日
売買代金(千円):125,778,000

【2】日本製鉄(5401)
株価(終値):2,202
日付:3月22日
売買代金(千円):33,082,140

【3】東京海上ホールディングス(8766)
株価(終値):7,513
日付:3月22日
売買代金(千円):26,943,840

【4】住友商事(8053)
株価(終値):2,164
日付:3月22日
売買代金(千円):22,547,490

【5】丸紅(8002)
株価(終値):1,428
日付:3月22日
売買代金(千円):20,818,930

*ランキングは売買代金の
 総額に基づく順位を示したものです。

*この銘柄一覧は、
 特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

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